ヘンテコスタバ空間の夢《Dream Diary 40》
xxxx年/06/09(x)
私はスタバでアイスコーヒーを飲んでいた。店内には私の他に二人の男女の客がいた。するとガランとしたスタバの空間に、木造家屋の六畳の部屋が斜め上空から嵌入して来た。「畳の部屋でマッタリしない?」。「うん」。二人の男女客はコーヒーとトレーを持って六畳の部屋に移動している。床が傾斜しているのでバランスを取るのに苦労しているようだ。そこに反対側の斜め上空から四畳半の部屋が嵌入して来た。その中にはジーンズにドテラ姿の私の学生時代の彼女がいて(三か月くらいで別れた)、一口コンロでエイリアンの幼生(いわゆるフェイスハガー)を網焼きしている。更に今度は三畳一間のワンルームマンションがスタバ空間の下方から嵌入して来た。部屋の中空にアライグマがプカプカ浮かび、「安物トニックシャンプーはスーッとして気持ちエエわ」とか言いながら頭部を洗っている。このヘンテコスタバ空間が一体どういう仕掛けになっているのか知らないが、最終的には内側と外側が裏返ったスタバの店内自体が逆さまになって上空から嵌入して来た。来たばかりの客のカピバラが、逆さまに店内に入ったつもりで実は通常姿勢で外に出てしまいながら、お宅のトイレはあたしの場合どっちに入ればいいのか知ら?とスタバの女性従業員に尋ねている。「スタバでは私どもは従業員とは言わず、パートナーと呼んでおります」。逆さまになった女性従業員が内外裏返しになりつつカピバラに答えた。それを聞いたカピバラは、「ワリャなんなら!質問に答えんかいホンマにどもならんのう!」と言いながら、「WOMEN」の表示のある御不浄のドアを開けて中を覗くと、「あ、スイマセン」と言ってドアを閉め、「ALL‐GENDER」の表示のあるお便所のドアを開けて中に入った。ところで私も先ほどから、膀胱の膨満感が限界に近付きつつあるんですけどどうしましょ。逆さま姿勢になりながら悩んでいると、「WOMEN」の御不浄空間と「ALL‐GENDER」のお便所空間が相互に嵌入し始めた。私と、いま用を足しているカピバラと、内と外が裏返って逆さまになった従業員もといパートナーも、三つ巴で相互嵌入し始めている。そりゃいいんだけど、逆さま姿勢のカピバラのお小水は、そのまま無事逆さまに、つまり上方の小便器に着地してるんだろうな。まさかお小水だけ重力に逆らわずに私の方に降って来るんじゃないだろうな。そう言えば顔面に何やら生温かい液体が‥‥ご聖水だ! カピバラの? いやこれは相互嵌入してカピバラと重なり合った私自身のご聖水でもある。私が発射したご聖水が、逆さまのスタバの女性従業員もといパートナーの、裏返った顔面あたりへも最終的には流れ込むであろう。こりゃどうもスイマセン。いやホント、ホントすいませんねぇ‥‥。