友人
ゴルフ焼けしたいいオヤジになった
今では大阪の支社長さんだ
「僕らの音楽を解ってくれる人は、
この街に一人いるかいないかってところだ。
だけど、これだけは確実に言える。
僕らは凄いことをやっているんだよ。」
かつて 君の言葉は
僕を鼓舞した
チラシやポスターを手作りして
小さな画廊でフリー・インプロヴィゼーション
聴きに来た八人中七人は仲間内だった
僕らはそれぞれ孤独な
地を這うちっぽけな蟻に過ぎなかった
僕らは世界をノイズの大河に戻そうとした
それがいったい何をもたらすのか
胸をときめかせながら
あれから長い年月が経った今も
君の言葉をはっきりと覚えているよ
話の合間に伝えたかったけれど
大阪行き新幹線の時刻が近付いた
「これでもう、
会うことはないかもなあ‥‥」
帰り際に呟いた友人の言葉を
笑って否定したけれど
内心では
思っている
それもまた良し
と