12/25/24
ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』(上)読み始める。難しいね。
12/26/24
平野啓一郎『富士山』短編集
audibleで。
『富士山』
新幹線の窓から富士山が見えてくるときの描写、すごい緻密で正確だと思わされる。ここから想像を広げてこのようなフィクションになるのか〜
『息吹』
最後に反転する後味の不気味さがすごい。
『鏡と自画像』
中学の美術教師エピソード、良い話だなーと感動したと思ったら全然そんな話でなく、そこからふたひねりくらいあった。
『ストレス・リレー』
鴨川!
市川沙央『ハンチバック』
audibleで。
すごい必然的な話というか、とてつもなく切ない。市川さんおもしろい。SNSフォローしました。
12/30/24
彬子女王『赤と青のガウン』
オックスフォードで博士課程を修めた論文のテーマが「日本美術がイギリスにどのように受容されてきたか」というのは興味ある。大英美術館に眠っていたという、法隆寺の焼失壁画模写を発見した際のエピソードに、おお!と思った。
1/1/25
朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』
audibleで。
ぱっと見ひとりにしか見えないのにその中にもうひとりいる胎児内胎児の話から始まる。ひとりの人間の意識は臓器とは別のところにある、心と体はひとつではない別のもの、と哲学的な問答をする場面が気になった。最初、マジックリアリズム?と思ったが、そうではないことが明らかになってくるところですごいなーと思った。
1/2/25
村田沙耶香『コンビニ人間』
audibleで。
主人公が嫌な男にこれ以上酷い目に遭わされたら、とハラハラしてたから、この結末は良かった。男といっしょに住んでることがわかった途端、周囲の態度が変わってしまうあたりからドライブがかかる。普通に見えることがいかに脆く表面的に成り立っているか。主人公の女性にとって幸せな状態とは、皮肉でもなんでもなく、これはこういうものなのだろう、と率直に思う。
1/4/25
アントン・チェーホフ『ねむい』
audibleで。
戯曲ではなく短編小説。夢の中で死にゆく父を天井から見ている娘の視点が描写されるのだが、これ、本当に夢って感じがして、一気にひきこまれる。そしてゆっくりと眠れる究極の方法を思いつき、静かに速やかに実行して眠りにつく結末。この落ち方、やばい。チェーホフはやばい。
1/5/25
魯迅『狂人日記』
audibleで。
狂気にとらわれた男の日記を、友人が読むという体裁。しかし、男の兄によれば、もう治癒して官吏として勤めているという後日談。人喰いの妄想に取り憑かれた男は、まず月の光を見て発狂したようだ。なるほどね。そうか、というそっけない感想。
1/7/25
林芙美子『放浪記』audibleを聞く。7時間近くかけて地元から帰京する車中で。しかし、まだまだ終わらない!長い話だ。
文藝 犬特集 岸さんのエッセイ「犬は自転車」と、「ハン・ガン・日本・中上健次」特集の斎藤真理子さんによる「伊興吉(ユンフンギル)と中上健次」を読む
1/8/25
滝口悠生「日付を書けばいい」文藝春期号より
1/9/25
森鴎外『百物語』
怪談を聞く集いに誘われて知らない富豪の家に行くが結局聞かずに帰って来る男の話。自分は傍観者だが、その富豪も傍観者だ、と。ふーん。森鴎外、面白い作品もあるのかなあ。
1/11/25
林芙美子『放浪記』車で第一部を聞く。房総でイワシを安く買って三杯酢などにしてたらふく食べるシーンは良い。恨みつらみを吐くところよりも食事についての記述が印象に残る。
ディスタンクシオン少し読み進める。難しく。
1/14/25
放浪記第一部終える。面白いけど長い。まだまだ終わらない。尾道で初恋の人に会う場面が良かった。
1/16/25
岸政彦『100分de名著 ディスタンクシオン』 読了
1/18/25
文芸誌GOATから、パク・ソルメと市川沙央の短編読む。
1/19/25
ディスタンクシオン読む。この部分きっつー
1/19/25
林芙美子『放浪記』audibleで聞き終える。金が欲しい、お腹が空いた、うまいものを食べたい、男が欲しい、いや、男なんていらない、の繰り返し。出口のない日記の淡々としたリズムとキレの良さ。しかし。このあと作家が大成功することがわかっているからこそ、おもしろさが倍になっているのかもしれないと思う。作家は優柔不断なところがあり、詩人になりたい、小説を書いてみたい、いや小説なんて書けない、講談でも書いてみるか、と逡巡し、手当たり次第に作品を見てくれそうな人や出版社へ持ち込む攻めの姿勢はしぶとい。見習いたいところ。死にたい死にたいと言いながら生への執着がすごいのは、今日見てきたルイーズ・ブルジョワと共通すると思う。