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『テクノロジー思考』蛯原健著

おもしろいビジネス書と、そうでないビジネス書がどう違うか。

流行が書いてあるだけの本は、サッと読んでおしまい。
書いてある「情報」をさらいたいだけなので、愛着は湧かない。
考え方や、思考そのものがあふれ出しているものは、読み返す。
読んでいるうちに、著者の考え方が身につくようで、自身の変化を感じさせてもらう。

前者は、著者のインタビューをもとに、誰か別の人が書いてもかまわないもの。
後者は、思考を言語化するためのプロセスを経ていて、著者自身でなければ書けないもの。
『テクノロジー思考』は後者でした。

ゆえにまとめを書くのも難しく、かろうじてできることは、引用すること。

「マスメディア産業は、ITプラットフォーマー企業群にあっという間に斜陽産業に追いやられた。
小売りはEコマースによって、音楽・映像産業はオンライン配信企業によって、産業全体の大幅な規模縮小や再編を強いられることになった。

ところがそれはまだインターネットの中だけの話。つまりは序の口であった。

コンピューティングテクノロジーという非連続で劇的な発展が人類に対して迫る革新はそれで止まるはずはなく、いまやインターネットの外。つまりはあまねく全産業に染み出し、そして革新(DX)を迫っている。
タクシーはライドシェアに、銀行や証券業はフィンテックによって、製造業はロボティクスとFAによって、不動産業や交通産業はシェアリングエコノミーによって経営革新を迫られている。

我々はいかなる業種、職種に属していようともすべからく、自らもそれに適応すべく革新(イノベーション)に取り組まなければならない。
すなわちイノベーション至上主義時代に突入しているのである」

「デジタルトランスフォーメーション、地方革命、ソーシャルインパクト革命、これらが3つのネクストフロンティアである。
この3つはよく似ている。実際、共通している点も多い」

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