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自分を整える

2023年がもうじき終わりますが、大掃除はお済みでしょうか?
思い描いたやりたいことは達成できましたか?
振り返って充実した一年だったと思えるでしょうか?

きっとそうではない人のほうが多いのだと思います。
それが世の常ですから。

2020年からは謎の我慢・押し付け・同調圧力が拡大しましたし、
情報も虚実が錯綜して何が本当かわからない、息苦しい日々が続いている、そんな人も多いのではないでしょうか。

そこで、自分自身を大掃除するという発想はどうだろうと思い当たり書店に駆けこんだ私に、よければお付き合いください。


本書のテーマは「毎日を自分らしく幸せに生きるためにいらないものを手放してしまおう」というものです。

多くの人が必要以上の不安やストレスを抱え、世間の常識、他人の目を基準に自分の選択をします。
そして自分自身を抑え込む癖がついていき、心が乱れっぱなしになります。
ストレスは解消するまで蓄積し続けることは心理学でも知られています。

反対に自分らしく自由に生きている人も一人は身近に見つかると思います。
このタイプの人がなぜ幸せそうに生きられているかというと、基準が自分自身だからです。

まずはあなたの中にある「~べき」、常識といった無駄な思考を手放すこと、これがつまり自分を整えることになります。

結局自分が幸せじゃないと他人を幸せにもできません。
当たり前の様に抱えていたけれど、本当は要らないものを手放していきましょう。

1.心理的なコスパ

コスパとは支払ったお金や行動に対して見返りが多いか少ないか、というものです。
これを心に当てはめて考えると、自分がやったことに対する自分の満足度ということになります。

我慢・不安・遠慮・後悔と、多くの人が心理的コスパの低い選択をしています。「納得いかないけど言えないし我慢しよう」「あのときああしておけばよかった」などですね。

なぜそうしてしまうかというとそれが常識だと思い込んでいるからです。
常識とは多くの人がそうだと信じ込んでいることです。
では、常識に従うということは他人を軸に動くということです。

この他人軸通りに行動することであなたの気分が上がるならいいのですが、現実はほぼそうではありません。
ここで勇気をもって、心理的コスパが高いか低いかを基準に選択をしてほしいのです。

①気分が上がるか下がるか

成功したい、出世したい、結婚したい、誰もが何かしら願望を抱いていると思いますが、それらの多くは「幸せになりたい」と言い換えられるでしょう。
幸せになる条件とは、自分の気分が上がる選択をし続けることです。
つまり、心理的コスパの高い選択をし続けることです。

選択のとき以下の3つを自問し、一つでもNOなら辞めることを勧めます。
やりたいと思えるか?
楽しいと思えるか?
自分にメリットがあるか?

心理的コスパが良ければ、パフォーマンス(能力)が上がります。
パフォーマンスが高ければ、良い結果が出ます。
良い結果によってさらに気分が上がります。

「我慢がいつか報われる」なんて過ごし方はやめましょう。報われません。人はまず自分のことを考える生き物ですし、忘れる生き物です。それよりも自分で自分を幸せにしていきましょう。

②何を手放し、何を手に入れればいいのか

一言で言えば、「気分の下がるもの」を手放し、「気分の上がるもの」を手に入れるのです。
第一歩として、他者の介在しない幸せを見つけましょう。他者の介在するものは第二段階で十分です。

ここで断りを入れますが、自分の気分が上がる選択をするというのはわがままではありません、むしろ周りのためなのです。

理由は簡単、あなたの在り方が周りにも影響するからです。
イライラしている人がそば居れば、ストレスが伝染します。
朗らかな人がそばに居れば、リラックスが伝染します。
あなたが不安でいれば、周りには心配も生まれるでしょう。
あなたをいい状態に整えることで、周りも安定するのです。

③自分を把握する

人は見えないものに不安を抱くようにできています。
先行きの見えない将来、気になる人の心のうち、煩雑化してしまったタスクの山に人は不安を抱き、ストレスになります。

あなたの「気分をあげるもの」と「気分を下げるもの」リストアップしてみてください。
気分を下げるものはあなたが手放して良いものです。
気分を上げるものは他者を犠牲にしていなければ何でも良いです。
まずは自分自身を知ってください。


2.心を整える

では、気分の上がる選択をしていくために一番大切なことは、選ぶ自分を許可することです。
どこに行ったって同調圧力や常識がある中で、「自分のための選択をしていいんだ」と思えなければ余計なものを手放すことができません。
自分に向けて言い聞かせてみてください。

次に必要な準備が自責を辞めることです。自分自身からは365日離れられません。そんな存在にずっと責め立てられる人生は重たいものになります。

そして自分を責めながら自分を整えることは不可能です。これまでの自分から引っ越すつもりで、自分を下げる心の癖を手放してしまいましょう。
自分を責める癖のある方、それは未来のあなたに要りません。

①自己卑下を手放す

自己肯定感という言葉をご存じでしょうか。ここ数年で急に認知度が上がったあたり、多くの人に必要な概念なのかもしれません。
どの程度自分自身を認められているかという言葉で、セルフイメージを決定づけます。

これが上がると自然に気分を上げる選択ができます。
そして自己肯定感の低い人は、気分を下げる選択をする癖がついていたり、過去の失敗を許せていなかったりします。

しかし、実際は感謝された場面だってあるはずです。
良い側面に見向きもせず、悪い側面ばかりにフォーカスしてしまう
冷静に考えればこれ、おかしいと思いませんか?
これも手放しましょう。

誰かに心無い言葉を浴びせられたとき、あなたには選択肢があります。
「あぁそうだ、どうせ私は無価値だ」と捉えるか、
「あなたが分かっていないだけだ」と捉えるか。
自己肯定感を高めるために、常に後者を選択してください。
この例示で言うなら、そもそもあなたに心無い言葉を浴びせる人間の評価は手放していいものであるはずです。

②遠慮を手放す

「いえいえ、私なんか」この言葉を使うほどに自己肯定感が下がります。
これは謙虚な表現ではなく、相手の好意を無下にする傲慢な言葉くらいに考えましょう。誉め言葉は感謝して受け取ったほうがお互いのためです。

③「べき」を手放す

人は不安になると緊張し、安心すると弛緩します。無意識に誰もがこれを繰り返して生きています。
思い返してほしいのですが、ニュースやワイドショーで安心したことはありますか?いまの時代は不安になるようにデザインされています
そんなものよりも自分を緩めてくれる人、モノ、コトを見つけて弛緩の時間を増やしてください。

この緊張を生み出す最大の原因は「べき」という思い込みです。
迷惑をかけず生きるべき、周りの為に我慢すべき、こうあるべき、いつの間にかがんじがらめになっていないでしょうか。

良く考えてみてください。周りの目が気になっていても結局、人の頭の中なんて分かりません。
人の目を気にしすぎるあなたの思考があなたを縛っているのです。

いっそ暗黙の了解と思われるものをぶち破った行動をしてみてはどうでしょう。「どう見られるか」よりも「どう生きたいか」に従ったほうが必ず人生は楽しいものになります。

④我慢を手放す

言いたいことをそのまま言えない人は多いかと思います。
全部言えばいいわけでもないですが、押し殺しすぎると自分の本音が見えなくなっていきます。
本音を話してくれるのは嬉しい人だって多くいますし、批判されたとしても相手の理解力が足りないだけかもしれません。

⑤完璧主義を手放す

理想があることや手を抜かないことは素晴らしいことです。
しかし度が過ぎて、理想と一致しない自分を許せないのは完璧主義です。
どんな人だって完ぺきではありません。8割で合格にしてみてください。
そのほうがリラックスできて結局パフォーマンスは上がります。

さらに、人それぞれ得意分野は違うものです。できないことはやらなくていいのです。あなたにできないことはそれが得意な人にお願いしてください。あなたも得意なことで貢献すれば良いのです。

脳は主語を理解できないという話を聞いたことがあるでしょうか。
自分を責め続けていると、いつの間にか他人にも完璧を押し付けるようになります。
こうなると多くの優しい人は離れていくでしょう。
完璧など手放して「ま、いっか」を魔法の言葉のつもりで使ってみてください。自分が整います。

⑥見栄を手放す

承認欲求とは厄介なものですが、人の評価ほどアテにならないものはありません
評価とはとても主観的で流動的なものだからです。
機嫌ひとつで評価が変化する場面に出くわした人もいるでしょう。
そんな不安定なものに自分を合わせようとすると当然、一生不安を抱えて生きることになります。さっさと手放しましょう。

それよりも絶対に味方にしておきたいのはあなた自身です。
主人公を否定し続ける物語に面白いものが存在するでしょうか。
まず自分自身を大切にし、好きになり、認めましょう。


3.人付き合いを整える

①気乗りしない誘いは断る

下手に空気を読んで「べき」の呪縛によって参加・不参加を決めていませんか?
「迷ったらストップ」なんとなく嫌なことならやめておきましょう。
もっと言えば波長の合わない人に誘われても、その周りにいる人も波長が合わないでしょう。
人はどうしたって相性がありますし、似たもの同士で集まるものですから。
それなら手放してしまって、波長の合う人を探したほうが良いです。

②他人は変わらない

人の悩みの9割は人間関係」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
特に多いのが相手が思い通りにならない、です。
しかし、あなたのために変わりうる相手ならそもそも生まれない悩みです。誰しもが自分の都合で動きますし、変わるときは勝手に変わります。

嫌いな人、苦手な人に拘ってしまう人もいると思います。
あなたが寝れないくらい嫌いな人、きっと今頃熟睡していますよ。
そんな人に限って自己肯定感も自己評価も高いものです。そしてなかなか変わりません、どんなに歪んでいても。

さっさと手放してあなたの時間は、あなたが好きなこと、大切にしてくれる人、大切にしたい人のために遣ってください。

③SNSと距離を置く

承認欲求にはキリがないので付き合い方を間違えていると地獄です。誰かの盛りに盛った充実を見せられてあなたが幸せになることなどありません。

大切なことは絶対に他人との比較などではありません。癖になっている人は一度離れてみてください。

④3人の存在

①一緒にいると元気になる人
ポジティブな人ではなく、共感できることが多く、自然とネガティブなことを考えずに済む人です。

②何があってもあなたの味方でいてくれる人
まず肯定してくれる、自分の意見を優先することなくしっかり聞いてくれる、不安なときに「大丈夫」と言ってくれる、そういう人です。

③あなたが元気にしたい人
前述のように、脳は主語を理解できません。なので元気にしたい誰かに向けた言葉によって、実は自分が一番元気になったりします。
結局誰かのためというのが一番力が出るのかもしれません。

こういう3種類の人が、それぞれ一人ずつでもいれば自然と自分が整っていきます。

4.モノを整える

部屋がごちゃごちゃな人は大体頭も心もごちゃごちゃになっています。
身の回りがすっきりしていたほうが良いのは自明の理かと思うので要点だけを並べていきます。

・今使わないモノは先になっても使わない
・収納グッズから減らす
・空きスペース=心のゆとりくらいに思おう
幸せな人ほど身の回りがシンプル=身の回りを整えると幸せに向かう

・モノを買うときは値段よりいい気分にしてくれるほうを選ぶ
・いつか買うつもりなら今買う=お金で時間を買う、無理な背伸びは間違い
 だが、先に手に入れることでそれにふさわしい自分になれば良い

・高額な買い物は「誰から買うか」も重視する
・引っ越しは強制的に自分が整う
・寝具には拘る

5.お金を整える

貯金はもちろん大事です。しかし、遣うことはそれ以上に大事です。

①罪悪感を手放す
本当に気分を上げてくれるモノにお金を遣うとなぜかまたお金が入ってくると著者は言います。
ちゃんとバランスさえ取れているならお金を遣うときの罪悪感は手放してみましょう。
そして、自分のお金の全容を把握しましょう。使い方や貯め方が整います。

②貯蓄の10%を一日で遣ってみる
良いお金の遣い方を経験してみようというお話です。
価格ばかりを気にした買い物を続け、ここ10年何を買ったか思い出せないなんてことになるより、身の丈の二つ上を目安にあなたの幸福度を上げるモノを買ってみてください。
不思議と人は高く支払ったモノほど大事にします。そして良いモノが上げてくれた気分で良いパフォーマンスを上げ、良い人生にしましょう。

③貯蓄・備蓄・準備はほどほどに
老後2000万円問題をはじめ、世の中は不安を煽る情報で溢れかえっています。そして振り返れば何かの準備ばかりではありませんでしたか?

中学校は高校受験の準備、高校は大学受験の準備、大学は就職の準備、就職したら出世の準備、結婚したらゴールじゃないスタートだ、年を重ねれば引退の準備、引退したら老後の準備、老後は終活なんて言葉まであります。

日本はこういう国という気もしますが、私筆者はこの考え方が大嫌いです。
まったく今を生きることなく人生を終えることになりかねません。
お金も備えも大事ではありますが、今この瞬間が最も価値があります
コントロールしきれない将来のことはある程度手放しましょう。

④お金の価値観を手放す

なぜか日本では古来より「お金を求めることは卑しい」という考え方が蔓延っています。
しかし日本の収入に対する貯蓄率は世界一です。
お金をテーマにした本も最も売れる分野だそうです。
歪んでいると思いませんか?

本心や遺伝子はお金が悪いものだと思っていないということです。
これはどこかで刷り込まれた間違いですから、手放しましょう。

稼ぐことは良いことです。
自信もつき、豊かになり、選択肢も増え、安心感も増します。
お金を持った途端に威張り始める人間も少なくはないようです。

ならあなたが優しいお金持ちになれば良いのです。
そういう人が増えればお金のイメージも変わっていくでしょう。


5.不安を整える

①ビジネスに付き合わない
私たちはなぜいつも不安になるのか、自分の中から生まれる場合もあるとは思います。しかし前述のように世の中は不安になるようにデザインされています。大概は外部から入ってくる情報で不安になるのです。
なぜでしょうか?

それは売れるからです。
ビジネスには2つの商品特性があります。
・快の獲得・・うまくいった、何かが叶った、おいしかったなど
・不快の解消・・ニオイが消えた、問題が解消したなど

良く売れるのは圧倒的に後者なのです。
テレビ番組にお金を出すのは知っての通りスポンサー企業です。
スポンサー企業の商品が売れる番組を作るにはどうすれば良いかというと、
不安を煽るのです。
カラクリの基本を知っておけば振り回されることもきっと減ります。

コロナニュースの発生からもう4年弱になります。当時の自称専門家が煽った絶望的な未来はやってきたでしょうか?
その自称専門家、何一つ謝罪することなく次の持論を展開しています。
残念ながら多くの日本国民は忘れすぎなのでこんなことが成り立ちます。

コロナはともかく身近にもいないでしょうか、すぐ大騒ぎする人。
あなたの心の平穏のためにあまり焦点をあてないようにしましょう。

②今の辛さを手放す

今、抱える悩みがある人は3年前の悩みを思い出してください。
出来れば当時の感情に1分間浸ってください。

同じレベルの感情が生まれた人はほぼいないと思います。
人間は忘れるようにできているのですから。
何か悩みにとらわれている人は未来から眺めてみてください。
多くの悩みは過ぎてしまえばどっちでもいいことです。

③選択肢はいくらでもある

「この会社を辞めたらもう次が見つからないかも」「失敗したら後がない」こんな不安を感じると多くの人は視野が狭まり囚われてしまいます。

昔の恋愛などもそうではないでしょうか。「この人しかありえない」と思って執着していても、後になれば「そういうときもあった」ではないでしょうか。
結局今囚われているものも同じです。
あなたと働きたい会社はいくらでもありますし、失敗しても必ず次がありますし、あなたを好きになる人もいくらでもいます。
誰だって変わっていきますから、人間関係にも手放すほうが良いときはあります。

④もっと自分らしく

余計なものを手放せたら自分の本音と向き合いましょう。
何がしたいのか、どこに行きたいのか、どうありたいのか、何が食べたいのか、雑音が減って自分が整ったら本当は全部わかるはずです。
我慢しすぎてきた人はわがままと感じるくらいがちょうど良いです。

抑え込むことも他人と比較することも辞め、手放してできたスペースを自分の好きなモノ、コト、人で埋めていきましょう。

そうなったとき、あなたは整っているのです。

以上となります。
大掃除とは銘打ちましたがいつだって良いので、心が乱れるとき、しんどいとき、自分を整えようとしてみてください。

ありがとうございました。

刊行:2023年
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うしさん
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