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経営コンサルタント「小田真嘉」×「新時代創造経営塾」

「新時代創造経営塾」とは、小田真嘉さんが100年先まで影響が残るほど突き抜けた仕事をしたい経営者・リーダーを集めて創った経営塾です。

「各業界で突き抜けた経営者を育てていく」

「フラクタル経営で自分の会社の発展は業界の発展」

「時代の変化に追われて動くのではなく時代を切りひらき動かす側になる」

という理念を掲げ募集を開始しましたが、ものすごい反響により、即定員に!

あまりの早い締め切りに

「入りたかったー!!」

という声が多数届きましたので、急遽、もう一日程追加で募集を開始。
こちらもすぐに定員いっぱいになってしまいました。

そんなこんなで新時代創造経営塾には、熱い経営者の皆さんが集まってくださっています。

先日、第2回目のセミナーがありましたので、今日はその様子をお届けしようと思います。


壁じゅうメニューだらけの料理店

ある飲食店からコンサル依頼がありました。
お店に入ってビックリ、お店の壁には料理のメニュー名がずらーーと貼ってありました。

メニュー表があったので、見せてもらうと写真も一切なく、全部文字が書いてあるだけで、名前からは何の料理だか分かりません。

メニューも山ほどあり、どれを選んだらいいのか分からないので、

「オススメの料理はどれですか?」
と元高級ホテルの料理長だったご主人に聞くと
「全部」という返事が返ってきました。

小田さんは話を変えます。

「料理をしていてどんな時が楽しいですか?」

するとご主人はこう答えました。

「お客様と話すとその人が食べたいものが作れるんです、その人が食べたいものを作って喜んでくれてる姿を見るのが一番、楽しいです。」

この言葉を聞いて、小田さんはピンと来ます。


「お客様の要望に応えていったから、

これだけメニューが増えたんだ。」


であるならば、、、

「主役を料理じゃなくてお客様にしましょう。」


そうご主人に提案するも、嫌な顔するご主人。高級料理店にいたから、自分のやり方でやりたいようです。

どんなお客様がお店に来るか間髪いれず質問する小田さん。

「どんなお客様がいるんですか?」

その問いに、嬉しそうに話すご主人。
聞くところによるとこんなお客様が良く来店されるそうです。

毎回、来るたびにグラタンを頼む男性、

「通称 やまちゃん」

やまちゃんは、毎回、グラタンを頼んでは一緒に連れてきた仲間たちに食べさせるそうです。

熱々のグラタンですが、仲間が食べるないなや、
「なっ、美味しいだろ!」

と聞いてしまうほど、やまちゃんはグラタンの美味しさを伝えたいそうです。


他にもご主人の話を聞いていると、中3の女の子が好きなのはカツレツです。

毎回来たら、カツレツ食べてくれるクミちゃんという女の子がいるそうです。
ある日、その女の子が合格発表の前の日に来てくれてカツレツを食べました。

そして、その翌日、合格したそうです。


他にも、鈴木夫婦は、チゲ鍋みたいな鍋を毎回食べるそうで、

それらの話を聞いた小田さんは、、、

グラタンの名前を
「やまちゃんグラタン」に
カツレツの名前を
「クミちゃんが受験前日に食べて合格前したカツレツ」に
鈴木夫妻の鍋を
「鈴木さん夫婦の熱々フーフー鍋」へ
変更しましょうと提案します。

そして、最終的には、膨大にあったメニューを10品にまで絞りました。

また10品の通常メニューに加え、「あなたのために作るスペシャルコース」という新たなメニューを追加。

その新たなコースを頼んでくれた人は、自分の名前が入った料理を作ってもらえます。

そして、ここが面白いところなんですが、毎月、売り上げを計算して、通常品10品のうち、下位2品を入れ替えるというのです。


つまり、勝ち残り戦です。

これをはじめて面白いことが起こりました。


自分の名前が入った人達は、これ見よがしに友人・知人・家族や、同僚を連れてくるようになりました。

また、自分の名前が入った料理が下位2品に入って10品から落選してしまった本人たちは、再びランク入りするためにリベンジで食べに来るようになったのです。

この企画のきっかけとなった山ちゃんは、とんでもなく喜んでくれて、たくさんのお客様を連れてきたそうです。

そして、次々と、スペシャルメニューを注文しては、

「秋だからキノコが食べたいな~」といってキノコ入りのグラタンを作ってもらったり、これも入れて欲しい、あれも入れて欲しいと季節ごとにグラタンがバージョンアップ。

最後は、やっぱりシンプルなのがいいと、元のグラタンに戻って、ネーミングだけが、
「元祖山ちゃんグラタン」と変更されたそうです。


高級料理店に勤めていたご主人は、それまでカッコいい料理を作りたい、
ネーミングもカッコイイのがいいと思い作っていましたが、

「このお店をお客様に使って欲しいんですか?」
と聞いた時、

「お客様が自分のお店だと思ってきて欲しい。誕生日や記念日で使ってもらうのもいいし、日常的に使ってもらうのもいい、家のように使ってもらって楽しい時間を過ごして欲しいです」

と答えたそうです。


これがこの料理店のご主人の理想の未来でした。決して、高級料理を食べさせたいわけではなかったけど、いつの間にかそうしてしまってました。

山ちゃんの話がきっかけで、お店主体の店中メニューだらけだったお店から、お客様が主役のお店となったのです。

小田さんは話します。

大事なのはミッションストーリーだと。


ビジネスでは欠かせないミッションストーリー

自分がそこに至った経緯を語ることで、独自性が生まれます。

未来、、、こんな未来にしたいんですよ
過去、、、過去こういう経緯ありまして、こういう人と会いまして、こんな経験をしまして、
現在、、、そんな私がこれやってるんです。だから、これからこういうことしようと思っているんです。

過去(背景)は信頼になります。

それがなく未来だけ語るのは、地に足ついてなく映り、「またこの人、口だけで言ってるよ。」と思われてしまいます。

理想と現実を繋ぐのは過去です。

誰もが簡単に伝えられる形が、未来→過去→現在の順番です。


抜け落ちているのはストーリーです


「商売はシンプルです。
“こんな未来に行きたいよね、でも、今こんな問題があって行けないよね、
これ(この商品やサービス)が解決策ですよ”
これが分かりやい商品紹介ですが、抜け落ちているのはストーリーです」

この日の講座で、小田さんはそう話していました。

人の心を動かすのも、1000年先に残るのもストーリーです。逆に、人の心に残らないのはストーリー化されていないから。

世の中に拡散するのはストーリーなんです。

山ちゃんグラタンと名称を変えただけで、料理が作られたストーリーを感じます。それがあるだけで印象が変わります。


「僕はこういう未来を目指しています。

それは、こんな過去があったからです。

だから、僕は今こういう活動をしてるんです。」

これをストーリー化していくこと。

(そう言った後、小田さんはビーチフラッグ世界チャンピオンから相談の乗った時の話を話してくれました)


ビーチフラッグスの世界銀メダリスト「和田賢一」

防衛大時代の後輩から、
「どうしても小田さんに会って欲しい人がいる」と相談されて会ったのが、

ビーチフラッグスの世界銀メダリストの「和田賢一」さんでした。

ビーチフラッグの世界銀メダリストが、なぜ小田さんの元に相談に来たのか?

「誰もが誰かのライフセーバーになって欲しい」

彼には夢があったからです。

ライフセーバーでもある和田さんはこう言います。

「90秒に1人」水辺の事故により尊い命が社会から失われています。日本には1300箇所を超える海水浴場がありますが、ライフセーバーが配置されているのはまだ200箇所ほどしかありません。しかし、ライフセーバーがいる海水浴場は、亡くなる確率が極端に下がるのです。

「日本中にライフセーバーがいる海水浴を、

もっともっと増やしたい」

和田さんは、熱く小田さんへ語ります。

そして、続けてこう話しました。

僕はライフセービングの講習会で「あなたは目の前にある、大切な人の命を護る事が出来ますか?」という言葉に出会いました。


そして、こう思うようになりました。

「人は誰かの思いやりのある一言で、命を救われることがあると」

護(まも)ろうとした人自身が一番勇気づけられ、護られた人は自分も誰かを護ろうとする「思いやりの連鎖」が生まれることを知りました。

和田さんはライフセービングと出会って、諦めかけていた世界一になるという目標ができました。

後に分かることですが、和田さんはそれまで何度も挫折を経験しています。

その中で「誰もが誰かのライフセーバーになれること」を、ご自身の体験を通じて知ったのです。

僕は「誰もが誰かのライフセーバーに」 実現できる社会を目指して、ライフセービングを通じて社会が失いかけている「ほんの少しの思いやり」や「夢を持つ事の本当の素晴らしさ」を子供達に伝えたいと考えています。

和田さんは全国にライフセーバーがいる海を増やし、そして、

「誰もが誰かの命を救うライフセーバーになる」

そんな社会を目指していきたいと思っているようでした。

そんな背景を背負っての小田さんへの相談がこちらです。


和田さん:僕、ビーチフラッグス銀メダリストですが、12回優勝を目指したいんです。

小田さん:何で12回優勝をしたいの?

和田さん:過去最高が11回優勝だからです。

(そう話した後、和田さんはご自身の過去を話し出しました)


一流のアスリートにまれに起こる症状イップスの発症

小学校の時にプロ野球選手になりたいと練習に励んでいた和田さん。

ちっちゃい頃からスポーツ万能だったそうで、野球がメチャメチャ上手くなったそうです。

まさに天才肌で、どんどん野球が上達していきましたが、ある時からこんな症状に苦しめられるのです。

それが「イップス」でした。

イップスとは、勝ち続けた一流のアスリートにまれに起こる症状です。ゴルフ業界で有名になった言葉で、この症状が出てしまうとスポーツ選手としては致命的だと言われています。

ゴルフで優勝が懸かった最後の一打。

「これを入れたら勝てる!でも、もし外してしまったら2位の選手に追いつかれて逆転されてしまうかも…」と考え不安になってしまい、普通だったら外す距離ではないパットを、本当に外してしまう

・・・本来のパフォーマンスが発揮できない症状です。

そんな一流のアスリートたちが罹(かか)る症状が、小学生の和田さんを襲うのでした。

何でも努力によって乗り越えてきた和田さん。イップスも乗り越えられると思って色んなトレーニングで克服しようとします。

しかし、症状が完治することはありませんでした。

そんな状態で、高校まで騙し騙しやっていきます。

しかし、とうとうキャッチボールすら

出来なくなってしまったのです。


世界一を目指して、野球に打ち込んできた和田さん。
イップスによって、野球の道を断念することになったのです。

ショックだったと語る和田さんでしたが、他の競技で世界一目指そうと気持ちを切り変えます。

大学生になって、たまたま同級生にダブルダッチの世界チャンピオンがいました。「これだ!こいつに勝てたら世界一になれる!」そう思って練習しましたが、正直言って、全然楽しくなかったそうです。

そして、こう思います。


僕は、この世界の人間じゃない…


そう思い大学で3回、色んな競技にチャレンジしますが、全部挫折…。


それで考えたのが、自分が世界一になるのではなく、誰かが世界一になる手伝いをしようと思って、トレーナーの道に進んだのでした。

トレーナーになるには、色んなことを学ばなければいけなかったけど、その中の一つが人命救助でした。

大学卒業間近に、和田さんはライフセーバーに出会い、競技としてビーチフラッグスがあることを知ったそうです。


後に世界銀メダリストになるビーチフラッグスですが、最初からすぐに頭角を現したわけではありません。

和田さんは独自のトレーニングで頑張りますが、なかなか結果ができなかったと話していました。

そして、大学卒業までのリミットが近づいきたのです。


「どうしよう、就職しなければ・・・」

困っている和田さんでしたが、たまたま出会った会社で就職が決定。就職先は国民的ダンスボーカルグループのサポートしていたトレーナー会社でした。


通勤の行き帰りにある公園の砂場での涙ぐましい努力の末日本一に

そのトレーナー会社で、ダンスボーカルグループのメンバーにフィジカルトレーニング教えるトレーナーとなった和田さん。

その間も、ビーチフラッグの練習は欠かしません。


自分の家からトレーナー会社の間に、小さな公園がありました。

通勤途中のわずかな時間を使ってその砂場で毎日毎日、どうやったら勝てるのか考え、練習し続けたのです。

そして、和田さんは気づきます。


勝つにはスタートダッシュしかない!

働きながらの練習。

当然使える時間には限りがありました。

だから、その日から、毎日、早朝6時から50回、そして、仕事が終わった夜23時から50回の計100回のスタート練習を近所の公園の砂場で行ったそうです。

そしてついに、トレーニングの成果が実ります。

和田さんは、日本一になったのです。

しかし、和田さんが目指すのは世界一です。

和田さんは悩みます。

今の仕事では、練習量に限界がある。世界一になれるのか?悩みに悩み続けた結果、和田さんは勇気を出して、トレーニング会社を辞めたのです。


その後の和田さんは、、、

ビーチフラッグスで11回優勝した選手と対決する為に、オーストラリアに向かいます。そして、5ヶ月間でその選手を倒すことになりますが、残念ながら、世界一を決める大会では銀メダルだったそうです。


敗因は、自分でも分かっていました。

課題は走力でした。


自分でも考え抜いて練習した。
ビーチフラッグスで11回優勝した選手も倒すことができた。

でも、優勝することができない…。
こうなったら、もう世界一速い人に教えてもらうしかない、この世で最も早く走れる人、、、


そうだ!ウサイン・ボルトだ!!


その日から、和田さんは会う人、会う人に、
「ボルト知らない?ボルト知らない?」と聞き回ったそうです。

そしてついに、ウサイン・ボルトの故郷、ジャマイカに関係する人と出会い、ボルトと連絡を取ってもらえたのです。

ボルトが練習する練習所を教えてもらえた和田さんは、ボルトと練習できる保証など、1つもないにもかかわらず、単身アポなしでジャマイカへ渡ったのです。

ウサイン・ボルトへ直談判した結果・・・

ジャマイカに渡り、ボルトがいる練習場に到着します。


そして、ボルトに直談判したのです。


和田:僕は世界一になりたい。なぜかと言うと小学校からずっと野球をやってきました。でも、途中でイップスになって挫折しました。それでも諦めきれずに、色々なスポーツをやって世界一を目指しました。

でもダメでした。

そんな中、最後にたどり着いたビーチフラッグでした。

ビーチフラッグが僕の最後なんです。これで世界一を目指したい。でも、今まで自分で考えて、こうやって練習してきたけど、日本一が限界でした。オーストラリアの世界一速い選手のいるクラブでも練習しました。
でも、足りないんです。

だから、世界一になるために一緒に練習させてください!

(その熱い思いにボルトは応えます)


ボルト:君はイイネ、一緒にやろう!


その日から和田さんは、ボルトと一緒に練習を3ヶ月やったそうです。


 ジャマイカでのトレーニング方法は、早くなるためのプログラムが確立されていました。

和田さんは、ジャマイカの確立されたプログラムとボルトとの3カ月間の練習の結果、


100メートルのタイムが(11.8秒から10.8秒へ)1秒縮まったそうです。
(どれほどスゴイか分かりづらいと思いますが、これは普通ではあり得ない驚異的な数字だそうです)

その後の和田さんの競技実績はこちらとなります。

海水浴を安全にするために、ライフセーバーを増やすために、そして、誰もが誰かの命を救う、ライフセーバーになって欲しいという思いを背負って、前人未到のビーチフラッグス12回優勝を目指したい。

そう小田さんに相談に来た和田さん。

そんな和田さんに、小田さんはこう聞き返します。


小田さん:なんでビーチフラッグスで12回優勝をしないといけないんですか?

和田さん:過去の最高記録が11回優勝だからです。

小田さん:12回優勝したとしても、ライフセーバーが日本中に増えるとは限らないし、本当に和田さんが望む未来が得られるとは限らないよ。

和田さん:(真剣な顔で小田さんの話を聞いています)


小田さん:今の和田さんの活動が広まることが目的ではないんですか?
ビーチフラッグスで12回優勝することが、本当に和田さんがするべきことではありません。
あなたが経験してきたものはすべて無駄ではない。
そのストーリーをもっと語った方がいい。

そう話した後、和田さんに特化させたビジネスプランを伝える小田さんでした。


(ここから講座に戻ります)

小田さん:和田さんのストーリーを聞いた後、和田さんに会いたくなりませんでしたか?もしこんな人が何かすると聞いたら、行きたくなるでしょ!

みんな:行きたーーい!

小田さん:実は、話し方の順番を変えるだけで印象はガラリと変わります。 新しいお客さん、新規事業の会社さんと話すときは、和田さんのように話すのがいいんです。


ちなみに、、、

ビーチフラッグスは勝っても賞金はでません。
人を助けるボランティアの職業だから、人を助けるというミッションのために和田さんはやっていたんです。

みんな:えーーー!

小田さん:これがミッションストーリーの力です。ミッションストーリーは人を惹きつけるチカラがあるのです。では、さっそく、みんなでワークを使って自分自身のミッションストーリーを作りましょう。

(そう伝え、質問がいつくか書かれている紙を配ります。そして、参加者さんがワークに問いに答えやすいように話し続けます)

小田さん:こんな未来になったらいいなー
こんな会社さんがあったらいいなー
豊かな国になるなー
自分が思うこんな国になったらいいなー
他の国が真似て、その国もこんなんなったらいいなー
ってことを思い浮かべて書いてください。

小田さん:自分の理想と思うこんな未来
こんな家庭になったら家族幸せだろうなー
いい子供育つだろうなー
父親もイキイキ仕事するんだろうかー
活性化して、新しい物語が生まれて、すごい世の中になるんだろうなーってことを思い浮かべて書きましょう。

(この後、数人に発表してもらって、この日のセミナーは終わりました)


あなたはどんな未来を描いていますか?

また、それは過去とどう繋がっているのでしょうか?

今、やっていること(これからやること)が過去とつながればつながるほど、信用されますし、それは独自のコンテンツとなります。
この機会に一度考えてもいいかもしれませんね。

実は、新時代創造経営塾の参加者さんの中で、新たな挑戦をすることになった経営者さんがいらっしゃいます。

今回のミッションストーリーとも大いに関連してくる話ですので、
そちらは、また追ってご報告していきたいと思います。

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