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今年、DIALOGUE+というグループがヤバイという話。


皆さん、「DIALOGUE+」という声優ユニットを知っていますか?
正直自分は良く知りません。ごめんなさい。
WUG解散以降声優にとことん疎くなったのでDIALOGUE+とNOW ON AIRとCUE!辺りの同時期に出てきたグループの違いが良く分かりません。

調べたらCUE!はそもそもソシャゲアプリなんですね。
そのゲームの中の人の選抜メン8人らしいです。ナウオンエアーはそもそも別のユニットでした。あと活動休止してました。

DIALOGUE+についても正直メンバーについては良く知りません。
広島の緒方元監督の娘さんと何故か「やかん」っていうアイドルらしからぬあだ名の子がいる情報くらいです。
それほどのグループ知識皆無に近い自分ですが、
彼女たちのYoutubeチャンネル登録してますし、今度発売されるアルバムの購入も検討しています。

何故か。曲です。楽曲の良さです。

ちなみにこれ↓デビュー曲。

結婚行進曲かいっていう導入から超絶キャッチーなアニソンメロディに移り、メジャーキーの王道曲かと思いきや時折意味分からんコードをぶち込まれ超絶BPMにこれでもかと音数を入れてくる譜割。
これをデビュー曲に持ってこさせられ頻繁にライブで披露させられると考えると自分ならゾッとします。恐らくこれ一人でカラオケで歌おうもんなら多分僕は歌唱後そっと息を引き取ります。

じゃあこれ作った人誰やねん、って話ですが
この曲に関して言うと作詞作曲が自分の敬愛するバンドUNISON SQUARE GARDENのベース田淵智也さん
(たぶん一番ユニゾンで有名な曲、田淵氏は一番動いてる人です。見れば分かる。)

編曲が音楽クリエイター集団MONACA田中秀和さんです。

(個人的に秀和さんはWake Up, Girls!の曲でかなり業界評価上がって今の立ち位置まで登りつめたんじゃないかと勝手に思ってます。あとこの人は曲の中に意地でもaugコードを入れないと死ぬ病にかかってると思います)

この自分が音楽的に大好きな天才2人がタッグを組む。
そしてユニゾン田淵がグループの音楽面の舵を取ってプロデューサー業を行う、ということでDIALOGUE+に触れた訳です。
そしたらまぁ良い曲作るわ作るわ。

MONACAで言うと秀和さん以外にも広川さんとかが楽曲に参加してたり、
田淵コネクションでパスピエなつきさん、亡くなられましたが赤い公園津野さん、フラッド佐々木さんが詞を書くっていう
いわゆる楽曲派の人や邦ロックファンホイホイの座組です。
佐々木亮介が声優アイドルの作詞するとかどんな世界線だよっていう。

で、今に至るまでミニアルバムやら配信シングルやらを出していてどれも良い作品だったんだけど、

特に今年彼女らが出したシングル曲がヤバいんです。バグです。

その中でも特に自分が刺さった2曲について語ろう、という今回はそんな記事です。それでは1曲目。

・あやふわアスタリスク / DIALOGUE+

田淵智也がEDMに手を出した…。(驚き)
歌詞詰め詰めに定評がある田淵智也が。
サビ前にモロEDMマナーのクラップの打ち込み入れてる…
しかもサビがほぼドロップですよ。厳密に言うとメロが入ってるから定義としては微妙に違うんだろうけど。

アレンジがMONACA広川さんだからそっちのサウンドメイクも多分にあるんだろうけど。特にAメロのトラックは広川節効いてる。

この曲の何がすごいっていうと構成な巧み。

1番は静かな導入から始まり、徐々にダンスミュージックが顔を出してサビでドロップ気味のサウンドになるのよね。全体的にそういう曲かと思いきや、
2番から「あっ田淵来た」って思わせるギターフレーズから急にバンドサウンドになり、譜割詰め詰めの2A,Bメロを経てまたサビで1番同様のダンスミュージックに戻って一旦落ち着く。
Dメロもしっとりを維持。からのラスサビで大爆発。
1,2番のドロップ気味のサウンドにエモーショナルなバンドサウンドが重ね乗り、更にメインの主旋が裏に回ってむき出しの感情で歌い上げるソロボーカルで止めを刺す。
からの冒頭Aメロの一節で締め。

これは凄い。EDMとバンドサウンドが核融合しており、新しいものが産まれ、かつ邦楽の解を一つ打ち立てたのではないかと。

アニソン、EDM、バンド、どれも正直音楽シーン的にはワンパターン気味になっているというか、マンネリ感ある中で「まだまだ音楽には可能性があるんだ」と言っているような邦楽に挑戦状を叩きつけたような楽曲。

同時発売の「人生イージー?」に話題取られてる感はありますが、断然自分はあやふわ派です。

ちなみにカップリングもめちゃくちゃ良いです。
自分的には今回メインに取り上げる2曲の次点に好きです。
既存曲多すぎてカップリングはアルバムには入らなそうな予感。
そして2曲目。

・おもいでしりとり / DIALOGUE+

この曲は上記で紹介したあやふわアスタリスクとは真反対で、
終始王道を行くキャッチーなアニソン。メロディが美しすぎる。
「星に願いをできるだけ愛を」のリフレインが何回聴いても飽きない。
純粋に何も考えず曲として楽しく聴ける。

だけど、この曲の何が凄いって歌詞。
普段は音楽において歌詞はメロの付け合わせ程度にしか思ってない自分でさえ着目せざるを得ない内容。

まず、歌詞中に出てくる「」付の歌詞が語尾を繋ぐとしりとりになっている。そしてそれがループ構造になっている。以下。

「嬉しい」「いつもありがとね」「ねえちゃんと見て」「手を繋ぎたい」「行かないで」「できるだけそばに」「似た者同士だ」「抱きしめたい」「いっぱい考えてさ」「探し出したんだ」「だから聞いて欲しいです」「好きです。」
「すごく綺麗」「今ならわかるよ」「欲張りでいい」「一緒にいよう」

また、ここは推察だけどラスサビの歌詞で
「どこにいたってこの胸にいるよ 最後の文字に繋ぐまで」の一節が出てくるが、最後の文字=「ん」と捉えると、
上記枠内のカッコ付き歌詞、「一緒にいよう」「う」に繋げると
「うん」
という言葉が歌詞外ではあるけど作り出され、
「一緒にいよう」「うん」という想いを伝えるやり取りにも思える。

また、それを踏まえるとこの曲名は「おもいでしりとり」とあえて平仮名表記だが、まず連想させるのが「思い出しりとり」だと思う。
ただ実は上記を踏まえると「想いで」「しりとり」の意がかなり強いんじゃないか?というダブルミーニングにも。

しかも、この曲の歌詞は上記にも書いた通り「」付の箇所をしりとり構成で繋ぐ内容になっているが、締めの一節は「」無しの届けるんだ!で幕を閉じる。

ここで思い返しましょう。彼女たちのグループ名は何ですか?
DIALOGUE+(「ダ」イアローグ)です。
歌詞全体の最後の文字が彼女たちのグループ名に帰結します。

あれ、田淵智也天才じゃね?
天才なのは元より知ってるけどこの歌詞もはやバグじゃね?

こんな歌詞、作詞能力は勿論グループ自体に相当な愛を持ってないと書けないだろと。
あとタイアップのアニメは全く知らないけどどうせ田淵のことだからそこにもマッチする詞なんだろう。そこは知らんけど。

ユニゾンもそうだけど、本当に田淵智也は曲提供の際は
提供するアーティストと作品に誠実に向き合った曲を作る。
何ならアーティストのバックボーンや理念をめっちゃ理解して田淵智也なりのテーマソングを作ってしまう。

例に挙げるとLiSAなら「best day,best way」

わーすたなら「清濁合わせていただくにゃー」

この人の頭の中どうなってんだ、って感じですよね。


本当にDIALOGUE+は田淵はじめ良い音楽チームに巡り合えたなぁと思います。
失礼ながら彼女たちのパーソナルな部分までは追う余裕がないので見れてないですが、Youtuber的な活動も精力的にやっててファンの方からするとめっちゃ嬉しいんじゃないかなーと勝手に思ってます。
時代を無駄にせず有効活用してて良いと思います。

ライブもちょい見る限りユニゾンイズムというか無駄のない田淵のライブ美学を叩きこまれてる感あるし、定期的に公演やってるみたいだし。
演者のいないクリエイター陣の座談会が有料配信されるって凄いチームだよな。


…いや、WUGにこうなって欲しかったんよ!
(ここからWUGの事だけ書くのでダイアローグファンはブラウザバックしてくれて構わないです)

これはWUG亡霊の妄想だけど、ダイアローグってWUGをロールモデルにしてるところがあるんじゃないかなと思うのよね。
その中で成功した部分だけをうまく抽出してる感。

まずWUGは先輩のi☆Risと違ってアニメ先行だったのもあるのと、
ラブライブとかと違いタイトル名=グループ名だから
イメージが良い意味でも悪い意味でも残りすぎるのよね。

で、そのアニメがかなり賛否あったのと某監督のムーヴでグループ名自体に負のイメージが付いてそれを解散時まで振り払えなかった感。

後発のランガちゃんが中の人先行で売ってるのはその時の反省だと思う。

WUGの曲自体はMONACA陣の超絶クオリティで、知る人ぞ知る評価になってたのにavexの謎マーケティングでMVをフル尺にしない。
なんなら初期の曲はティザーだったし。
解散後に公式でフル動画が上がる謎采配。

いやぁ、WUGはまず名前を憶えてもらうとこからだと思うから
表題はちゃんとフルで聴かれる間口を作った方が良かったと思うんだよね。結果内々での閉じたコンテンツになってしまった。

何だかんだで田中美海が本業の声優として台頭したり、
各々それぞれ声優+得意分野で活動してて(2021年なお一人も消えずに継続して頑張ってるのは凄いと思う)
MONACAから続々と良曲が提供され続けることで
何とか沈みかけの舟を乗組員が軌道に戻してSSAまで辿り着いたけど。

もっと売れるポテンシャルあったと思うなぁ。
売り方次第で武道館は余裕で行けた。

ということで、皆、WUGを聴こう!という
ダイアローグ関係ないうえ取り上げた曲に反して全然うまく繋がってない感じにして締めたいと思います。

秀和よ あぁ秀和よ あぁ秀和(WUG亡霊心の俳句)

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