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地上にも星は流れる。 赤や白や黄色のランプが、溶かしたドロップスのように道路を流れる。揺…
空の色は水色なのに雲の色は夕陽の色に染まって濃い橙色で 大地に近い空は確かに橙色だけど大…
うなじに焼き付いた魔法陣を、きみは髪をかきあげて太陽に晒す。 きみを呪う、小さな魔法陣。 …
闇に氷のつぶてをいっぱいに敷き詰めて、星空が生まれる。 ぼくはその星も空も好きだったし、…
春の空を溶かしたみたいなガラスの箱に、星の色の金平糖を集める。 ぼくのとっておきの、お菓…
きみがいなくなったとき、ぼくはほっとしたんだ。 きみが悪い人だったとぼくはあまり思ってい…
「春輔、風邪を引きますよ」 窓を思いっきり開けて雑踏を眺めている青年に、カウンターの奥から眼鏡の男が声をかける。 「換気だよ、換気。それに俺、風邪なんて引かないし」 春輔と呼ばれた青年は気にする素振りも見せず雑踏へ身を乗り出していたが、どうやら飽きてしまったらしく、パタリと窓を閉めた。 「なあ、この店こんなに暇で大丈夫なのか?」 春輔はつまらなさそうにメニューをいじる。薄い色の瞳は、暇をもて余している、と眼鏡の男に訴えかけていた。 「いいんですよ、これで。この店は必要と