医師とのコミュニケーションについて
ダニエル・オーフリ『患者の話は医師にどう聞こえるのかーー診察室のすれ違いを科学する』
という本を読んでいる。
私は病気もちなので、毎月病院通いが欠かせない。医師との会話は日常の世界。
病気の性質上、どんなひと月だったかを、まとめてきちんと話す事がとても重要になる。
診察ノートを作って、診察に臨むのだけど、毎回ちゃんと医師に伝わったか不安がある。大したことないのに、大袈裟に言いすぎたかもとか、言い足りなくて、医師に不信感を抱かせたかもとか、心配は尽きない。喋りすぎて、物理的な意味で時間を無駄にしたかもとか。
いつも、上手く伝わるように話せますように。と思いながら、10年以上の付き合いの主治医と会う。
そんな時、この本の書評を見た。
タイトルからもズバリ。
医師に伝わってるか不安。ちゃんと意図したことが、意図したように伝わって、分かってもらえたか不安。困りごとが、嬉しかったことが、悲しかったことが、うまくいかなくて悩んでいることが、分かってもらえたか不安。
だって、医師は私とは違う人間だから。病気のエキスパートであっても、私ではないから。患者の話を聞かないタイプの医師では決してないけど、私と同じように考える同じ人間ではない。クローンみたいに。。。(クローンだって、同じに考えるとは思えない)。
この本は、アメリカの医師が、医師と患者の間のコミュニケーションが、いかに診療に影響するかを、様々な研究をもとに、考察していく本。
当たり前のように、よく訴訟の起こるアメリカ社会で、医療過誤があった場合、医師はどうすれば良いか、良かったか、どうしたら、コミュニケーションを通して、良い医療を進めることができるか。
アメリカという大きな、そして実験の好きな国であるからこそ書くことのできた本という感じがする。
ただ、アメリカだろうと日本だろうと、同じようなコミュニケーションのすれ違いは起こるし、それを乗り越えるために、医師側がどんな行動をとるべきかと色々書いてある。
学ぶことが多かったなぁ。
患者の自分のことを考えることはあっても(こんなに長い時間話していいだろうか、の不安とか)、医師がそれを望んでいるかどうかはわからなくて、それは医師と患者の関係性なんだなと思った。
長めの本で、細かいけど興味深い本。あと、50ページくらいで読了。
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