読書感想文みたいなものーー『春のこわいもの』
川上未映子『春のこわいもの』を読了した。
図書館の威力はすごい。
期日までに返さなきゃと思うから、必死で読む。期日までに読み切りたいと思うから、必死で読む。
そんなわけで、今月3冊目だ。最近では、かなりのハイペース。
図書館通いは、正直負担なのだけど、本を読みたければ、図書館へ行け、は今回の教訓になった。行かなならんな。。。
この本を読んだ感想というより、読んで思い出したことを書こうと思う。
『春のこわいもの』は、新型コロナウイルスのパンデミック直前の物語たちが集められている。
まだ、マスクの効果は怪しいとか、インフルエンザくらいだとか、風邪みたいなものだとか。
みんな専門家の顔をして、分かったようにことを言い、同時に分からないことを仄めかす。
死者数、感染者数も対岸の火事状態の頃。
マスク警察はまだおらず、でもありとあらゆる薬局から不織布マスクが消えた頃。
なんだか懐かしい気もする。
けど、ほんの数年前の現実。
なんと普通っていうものは脆いんだろうと思った記憶がある。
新しい生活様式と言われる、マスクと手洗いとアルコール消毒とアクリル板のある風景。
公式といわれる政府の発表と、メディアによる報道の仕方の熱の違い。
なんだかよく分からないまま、国民全員配布された、揶揄の対象になった布製マスク。
それから後。
仮定の話はしません、と豪語する首相と、仮定の話をしなかったら、今後の政治はなんのため、どうあるつもりなのかと思う私。
誰それが感染した、亡くなった。
閉じこもるということが、大多数の人にとってストレスで、人との接触機会を減らすということは、経済という現代の社会に必須な車を減速させる。何もかもが見通しが立たず、効果もよく分からない中でのワクチンとその副反応。
患者が押し寄せ逼迫する病院と、クラスターが発生しては疲弊する高齢者施設や保健所。重症化リスクのある人が集まる場所の厳重で、穴だらけの感染対策。国の旗振りで作ったはずの感染者数把握アプリのポンコツさ。緊急事態宣言のよく分からない緊急度合い。
なんだったのかな。
マスクの生活はおしまい! 宣言が出たけど、でもウイルスは消えたわけでもなく、「こわいもの」はなくならない。
コロナがあろうとなかろうと、生活はしていかねばならず、マスクをしようがしまいが感染する時は、理不尽にも感染する。
マスク生活をおしまいにして、通常に戻りましょう。
さて、通常ってなんだっけ? と今私は思う。
マスクをしない事が通常なのかもしれず。でも、ウイルスが弱毒化するとか、なくならない限り、満員電車にマスクなしで乗る気にはなれず。
今度はマスクをしていることを責め立てる系のマスク警察が登場するんだろうか。
または、もうマスクを外してる! と責め立てる系のマスク警察はいるんだろうか。
なんにせよ、時代は変わってしまったよなと思う。
生きるとか、生き残るとか、生き返るとか。生きるというワードに敏感になったなと思う。
単純に生きるということだけじゃなくて、どこで、どうやって、なぜ、何をして。
これから先何があってもおかしくない。自分の生きたいように、後悔のないように、今を生きなきゃ。
まるで、みんなそろって生き急いでいるみたいだ。
ふと、ミヒャル・エンデの『モモ』を思い出す。
不確かで、曖昧で、こわいものに満ちた(チャンスに満ちた?)世界。
こわいものがやってきた「春」は終わらない。
【今日の英作文】
「犬を飼っていた時、勝手気ままな犬の行動で、ものごとは教科書通りには行かないんだなあと学びました。」
"When I kept a dog, I learned that things didn't go as I had read the instruction booklet by his free- spirited behavior.''
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