どうしようもない蛙の独白
数年前、私は根無し草然り、あてのないところを彷徨っていた。
誰からも干渉されない思考回路を組み立てて生きることが自立であると思っていた。同い年の人たちはうまいこと外の世界へ接続しているように見えていた。ある夏の夕暮れ、湿度と汗でうだるけど夜風が涼しかった。だが、ひとり暗闇で涼しいと感じるのは寒気に似ていて怖さを増す。暗闇と同化したアジサイがものすごい密度で咲いていて不気味だった。日の当たらない終わってる土壌には知らないキノコも生えている。その横の耿々と光る静まり返った空間。ほ