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月餅をがんばってつくるぞの旅


はじめに



こんにちは。わたしは月餅の木型を持っている人間。

月餅の木型



月餅をつくるのがちょっとした夢だった!
月餅もすきだ。模様がとてもかっこいい。何書いてあるか怪しくて、重くてテラテラ光ってる。

***

和菓子売り場でしか見たことがなかったけど、お祝いに食べる縁起がいいものと知り、そうなんだと思った。月見の頃にも食べるものらしかったので、それならと、月見団子と月餅を買ってお月見をしたことがある。

クリスマス以外にもこうやって他の土地の季節を祝う行事を真似てみることがある。行事に絡む宗教的な背景までそっくり真似るのは難しいけど。

どこがどう自分の持つ文化と変わってるのかを知ることができればいいという雑な理解方法なので、あまり正しく捉えることはできていないかもしれない。食べるなら背景も知りたい。

でも今のところはこうやって食べたい作ってみたいという気持ちだけでどうにかわかろうとしている。

***

ようやく、念願の月餅をつくれる気がしたので、普段お菓子づくりはしないけど、作ってみたい気持ちをどうにか高めつつ作ってみた。

おおまかなレシピも添えてみたけど、ちゃんとしたレシピ紹介ではなくて、料理の日記の延長になっている。いつも料理の様子を撮りそこねているので今回は忘れずに記録写真を撮ったぞ。




前日譚


月餅型をかう

まず月餅の型が必要だ。
今年台湾に行ったとき、迪化街(ディーホァジエ)という古い通りで木工製品屋さんに寄ったら、籐のかばんや笠などがギュウギュウ詰めで並んでいた。木製の調理器具もたくさんあった。竹のせいろとか。奥まで進むと製菓用具があった。中華菓子用の型や饅頭に押してある赤い模様のやつの判子とか、かなり売っていてテンションがあがった。買った。

饅頭的なものに押すらしい「壽」の判子


なんかそれらしい型が他にもある。
店主のおじさんに「月餅のやつどれですか?」と拙い言葉で聞いたら、おそらく「この辺のがそう」と教えてくれた。

でも隣の店主の奥さんらしきおばさんは「それは違うわよ、こっちがそうよ」みたいなことをおじさんに言って軽く揉めていた。結局、おばさんの勝ち。

買ったのはこれ。

羽子板みたいな月餅の木型
月餅の木型

羽子板みたい。まあまあ重くて長さ25cmくらい。
四角と円形でフリフリの花模様。
手彫りとわかる立派な型もあったけど一度に2つの柄ができるこれにした。家庭用ではプラ型が主流みたいだけどせっかくなので木のやつがいい。
それを買って帰って、半年くらい寝かせていた。


レシピを調べる


月餅は中華圏で、中秋(お月見のころ)を祝って食べるお菓子だ。昔、中華街でなんとなく買ったナッツもりだくさんの月餅が美味しくていろんな種類を食べてみたいと思っていた。

今年2023年は9月29日が中秋。
なので9月に作ろうと思っていた。
8月末、つくるぞと思ってとりあえず月餅のレシピを調べることにした。どんなのがいいかな。

アヒルの卵の塩漬け入りの月餅はメジャーらしいけど、一度食べたのは風味に癖があって、まだ自分には早いなと思ったり。ベーシックなナッツ入りの月餅がやはり好きだ。

***

中国語のサイトを見ると、大量に作るのが基本のようで、キロ単位のレシピばかり見つかる。
そもそも向こうの本場の人も普通のタイプに飽きたりもするのか、アレンジの効いたレシピばかり引っかかってしまい、ベーシックなレシピになかなか行きつかない。

なかなかちょうどいいのがなくて、木の実入りのやつ、胡麻餡のやつが食べたいからがんばって調べることそこから一ヶ月……。

そんなにかかっていたのは普段の料理すら気力がなかったのでそれどころじゃなくなっていたからだ。カップ麺ばっかり食べていたらめちゃめちゃ体調おかしくなったし。

中秋の満月の9月29日も過ぎてしまい、重い腰をあげることにした。

***

本来なら中秋の何週間か前に作っておいて、馴染ませることで美味しく味わうらしい。スタートが出遅れてクリスマス後にシュトレン作って食べるみたいな感じだ。

月餅には中華圏の地域によって形が違うらしい。
わたしが買った月餅の型は広州式(広式)だと思う。
模様が入っていて、日本でもよく見る見慣れた感じ。アヒルのたまごの塩漬けのやつは月を模してるらしい。あとは金華ハムが入ったり。まだ試したことがない。

ほかにはパイのような蘇州式(蘇式)月餅がある。これは美味しかった。パイ部分の口の水分が取られる感じがいい。

しかも最近では皮がもちもちな冷やして食べるタイプもある。広島で見た土産屋のもみじ饅頭も、同じくもちもちタイプがあってそれと似た流行の感じなんだろうか。

***

検索窓に「広式 月餅 做法」(広州式月餅のつくりかた)と入力すると現地のレシピが出てくる。
基本は小麦粉と砂糖と餡。

レシピを調べていて、それも使うんだ?というものとか、なにそれというものが多かったので解読からスタートした。
大雑把にいろんなレシピを見比べながら解読できたことにして、近所のスーパーでなんとなく材料を買い集める計画。

粉と砂糖以外はわりと代用が効いたりして自由なようだったけど、普段使わないなあとか知らないなという材料がいくつか共通して書かれていた。

【基本の材料】

◎よく書いてあって知ってるもの
・小麦粉
・砂糖
・ナッツやあんこの具
・油

◎書いてあるけどよくわからないもの
・熟糯米と熟糕粉
・転化糖
・かん水

上4つはわかる。下3つは、わからないのがあるし普段かん水とかラーメンでしか見ない。
ネットで見ながらとりあえず必要そうな材料を揃えることに。


月餅をつくる


下準備①(よくわからないものたち)



■熟糯米と熟糕粉


さっき調べたよくわからないやつ。なにこれ〜
何からできているかを調べなきゃ。
月餅のレシピをまず比較する。


熟糯米…?
熟糕粉…??

2つは別のレシピなんだけど、やはり「熟糯米」とか「熟糕粉」と知らない粉を指定されている。機械翻訳すると、「蒸した小麦粉」だの「揚げたもち粉」と言われてしまった。小麦粉なの?もち粉なの?どっち……

翻訳間違いかもな〜と思ったので粉自体のレシピを調べると、

鍋に蓋をして蒸されているもち粉
蒸鍋?

鍋で蒸してる…… 穴なに怖い


炒められているもち粉
炸鍋…?

うーん……炒めているな。
たぶん後者な気がする。
だって蒸したら湿気吸ってびちゃびちゃになる気がするし。
粉に関してはもち粉でいいみたい!

しかしながら日本ではもち粉がスーパーに並んでるのをあまりみかけない。
なので原材料がもち米100%の白玉粉で無理やり代用することにした。不安になりながらカゴに入れた。

いろいろ買って自宅へもどりさっそく白玉粉を皿に出す。ちなみに使うのは90g。元のレシピだと多そうな気配がしたから、すべての分量を4分の3にしてみた。何個できるかこの時点で知らないけど!!!


白玉粉
白玉粉

粒が大きすぎる。さっき見たレシピはさらさらしていたので、それらしいもち粉に戻してあげねば。
皿に入れて、木の棒でこうする。

麺棒で白玉粉をつぶしている
つぶして
さらに白玉粉をつぶしている
すって
つぶしおわった白玉粉
おわり

15分くらい潰していたけど限界なのでおわり。
硬い粒が残るけどいいや。
これをほんのり茶色くなるまで炒めるらしい。

白玉粉炒める
炒める
炒めた白玉粉
炒めた

15分くらい弱火で煎って、ほんのり色が変わったのでこの辺でやめる。
おかきみたいな香ばしい香りがした。

熟糯米と熟糕粉は多分似たようなもののことをいうんじゃないかな?あんまわかんないけどこのままいく。



■転化糖

知らない材料2つ目。

レシピを見ると月餅に入れる定番のシロップらしい。
月餅の皮に関する研究 : 主として糖水について』という転化糖の効果についての論文も出ているようだ。ニッチそうだけど実験されてるということはたぶんお菓子作りで重要な材料なんだろう。そのなかでも月餅を取り上げてる。
読んだけど細かな数字が書いてある。たぶん、効果としては、焼いた生地をしっとりした状態で保存させるためということだと思う。

砂糖と水、酢や柑橘や梅干しなど酸のあるものを火にかけて糖の性質を変化させるらしい。
代用として、はちみつを使ったりすることもあるみたいだけどせっかくなので作る。

転化糖の材料

【材料】

  • 水 50g

  • 白砂糖 100g

  • シークヮーサー果汁 12g

シークヮーサーなのは柑橘がうちにこれしかなかったからです。不安。分量もなにかのレシピの半分にしたから合ってるかわからない。シークヮーサーのヮ〜

材料をすべてまぜ、沸騰しても液体に一切触らずに弱火にかけつづけ、茶色くなったら火を止めよとのこと。
シークヮーサーのアクが浮いてきたけど見なかったことにしてごく弱火で10分くらい放置。

できた。

転化糖もどき

色はよさげ。
でもはちみつとか水飴より粘度が高い気がする。
とろとろのシロップみたいなのを想像していた。
たぶん火にかけすぎたか、水が少なかったのかも……
引いた糸が固まるので少し心配。

その後、しばらく別の作業をしてから様子を見ると、案の定ガッチガチに固まっていた。

材料として飴のように固まってたらだめな気がするので、湯煎で溶かすことにした。
これをレンジに入れるのは変質したり焦げたりしそうでやめた。

湯煎される転化糖
でろ…

少し水を足して様子を見ていると溶けてくれたのでよかった。水が多かったのか結果さらりとしたものになってしまった。少しずつ入れるのが正解かも!!
50cc強くらい足した気がする。後々これが良くない方に響いてくる。
味は、爽やかなべっこうあめ。



■かん水

続いてはかん水。
ラーメンに入れるやつ!

ラーメンでしか聞いたことないかも。
生地の焼き色をよくするために入れるらしい。
さっきの論文にも登場していた。

かん水自体、値段は高いし量が多い。
そこらへんに売ってるわけがないのでこれは似た成分(アルカリ)の代用品をつくる。

【材料】

  • 重曹 10g

  • 水 100g


重曹と水を火にかける
重曹と水

重曹で作る場合、熱を加えないといけないみたい。
ふつふつとしてきたら火からおろす。
正解がわからないし分量もなんでこの割合なのか。
重曹を増やすとどうなるのか……。
わからないままつくる。

ラーメンにおけるかん水は歯ごたえに関わるみたいだけど、月餅におけるかん水って焼き色以外に影響あるのかな?

かん水もどきを冷まし、瓶に入れておく。

でもこのあと3gしか使わないんだよな……
と思って微妙な気持ちになる。
買うよりはいいか。
余りのかん水もどきでラーメンとか打てるな。

以上3つが特によく知らなかったアイテム。

これを代用レシピなどで乗り越える必要があったりなかったりする。少しハードルが高いと思うところ。

次。



下準備②(なじみのあるものたち)


■ナッツ餡用のナッツ類


餡(パターン1)にまぜる木の実を砕きます。2つの味作ろうと思う。
ひまわりとかぼちゃの種は細かくしないでそのまま入れるからわけておいた。

ナッツ
ナッツ


【材料】
ミックスナッツ 100g
ひまわりとかぼちゃの種 25g
クランベリー 40g

合計160〜170gくらい
(ナッツの種類はお好み。ほんとは松の実とか入るけど高い。ひまわりとかぼちゃの種入りのミックスナッツがあったのでそれと普通のミックスナッツを混ぜて使った。クランベリーは酸味と甘みのアクセントになるので総量増えてでもたくさんいれれば良かったかも!このへんもお好み。ドライパインとかマンゴーもありかも。)


ナッツはさっき白玉粉を潰した木の棒で叩くかと思ったけど、深夜1時だからジップロックに入れてからクッションと雑誌と挟んで、圧をかけてそっと潰す。
ゴリ……ガリッ……
ザクッ……ザクッ……ザッ

できた。

ナッツとクランベリー
木の実とか

月餅に入ってるクランベリーもかなり好きなので刻む。これをあとでもち粉で捏ねる。ひとまず乾きものの下処理を進めておく。


■胡麻餡

胡麻を煎る
煎り胡麻づくり
すり鉢に胡麻をいれた
すり胡麻にする

戸棚の奥からすり鉢を見つけた!
白玉粉もこれでやればよかった。
なんかいつも効率良くできないんだよなあ、と落ち込む。でもいい香り。これをあんこと油と弱火で炒め、少し水分を飛ばす。

【材料】

  • こしあん(市販) 180g

  • 黒ごま(煎ってすっておく) 20g

  • くるみ 少々

  • ごま油 大さじ1


ごまとあんこを炒める
ねりねり

これはパターン2の餡になる予定。
市販のこしあんは、余ったら冷凍すると使いやすいのでラップに小分けにしてポイ。そのうちおしることかにする。
あんこはいい感じになったら火からおろします。



生地づくり


生地の材料

【材料】

  • 小麦粉 180〜220g(要調整)

  • ごま油 30g

  • かん水 3g

  • 転化糖 140g

皿にごま油を注いでいると、こんなに量使って大丈夫なのか?と不安になるけど月餅とはそういうものらしいので腹をくくる。長期保存したり美味しくたべるために必要。小麦粉以外の材料を混ぜて乳化させる。

液体の材料を混ぜている
琥珀色の液体(ごま油+かん水+転化糖)

これをよく混ぜていきます。

乳化した気がする

混ぜていると白っぽくなったので乳化したと思う。泡立て器とかあるともっといいのかもしれない。
小麦粉を180g投入する。

小麦粉を投入

これをまぜて、

生地の材料をまぜた 一回目

こうなった。
なんかゆるい……
あとで餡をくるむにはある程度の固さが必要。
なんか水分量おおいのは適当に転化糖に水を足したからだ。絶対。あと当初参考にしていたレシピから4分の3に量を減らした計算をして作ってるので、計算ミスがあったかもしれない。
なので10gずつ小麦粉を足すほかない。

190g目投入


まだゆるい
200g目投入
まだ全然まとまらない


210g目投入


あとすこし


220g目投入


いいかも


いい


ちなみによくのびる

これをまとめてラップにくるみ、冷蔵庫に入れて2時間寝かせる。

おやすみ。
つかれたらここで一晩寝てもよい。
わたしは寝た。


〜12時間後〜



■ナッツ餡の続き


ナッツ餡の続きをつくります。
あとは簡単。

【材料】
さっきのナッツとクランベリー 60〜70g
白砂糖 40g
熟糯米(炒ったもち粉) 90g
サラダ油 20g
水 55g
白酒(白ワインとか洋酒でいいと思う) 15g

ナッツとか砂糖とかサラダ油とお酒と水とか


熟糯米いれて


練る

これで餡、生地の下準備がようやくおわった。



■餡と生地をまるめる


ここからは楽。
団子状にどんどんまるめていくだけ。
型の容量にもよるらしいけど、
1個あたり餡30g、生地20gくらいになるようにする。

作った生地は伸びがいいから、生地より少なくても包めるのでご心配なく!生地作ってるときには、ああこれ意外と大丈夫そうだなと思うはず。

今できた餡をそれぞれ量ってみたら、
胡麻餡は190g、木の実餡は358gだった。

なので、計算が合えば
胡麻餡6個、木の実餡11〜12個できる。

え?18個?生地も18等分するの?

多いな〜
つくるか〜

丸めた生地と餡
丸めた生地と餡

多いな〜。画面外にもっとある。

クッキーとかと違って重量のある文鎮みたいなお菓子の18個はなんせ多い。

一応、不安になって試しに成形したやつが左上にいる。きれいにできそう。
それより保存食みたいなものだからいいけど大丈夫かな。

まあいいか。
これでも分量減らしたのに!
普通はどれだけ作るんだろ。



成形

さっき試しにやったらうまくいったので、どんどんつくるよ!

【手順・餡を包む】

  1. 生地を丸くのばして餡を置く

  2. 手のひらにのせて慎重に包む

  3. 型に入れる

和菓子職人特集とかでよく見る包む工程があるので楽しみ。やってみる。


1.生地に乗せると餡が大きくて不安になる。


2.つつむ。意外と生地はのびる。大丈夫


かわいい

かわいい

左 生地だけ
右 餡入り

順調にできるので、また計18個分これをつくる。
やってると慣れるけど、もたもたすると生地がべたっとしてくる。とりあえず包んだらさっとクッキングシートにのせる。

胡麻餡も包む
包んだものたち

でかいまるいボールがごろごろできておもしろい。
ゴルフボールより大きいかも?同じくらい?ゴルフボール見たの昔で覚えてないな。

次。


【手順・型抜き】

  1. 型に入るくらいに円柱に成形する

  2. ぐいぐい押し込む

  3. 型を裏返して拳で殴る



丸めたボールを型にいれる。生地にも型にも小麦粉をはたいておく。でもやってみたら木型の溝に小麦粉が入り込んでしまって、模様に影響ないか心配になった。


結論を言えばそこまで影響はなかった。やれば加減わかってくるので大丈夫。料理してるときはよく大丈夫or不安の感情を行き来する。

1.粉をはたいて型に入れた


2.生地を押し込んだ

生地の量と型がぴったりサイズで嬉しい!
たまたまなんだけど……

ここからは大変で、木型にみっちり埋まったこれを取り出さないといけない。
なので、木型を裏返してゆすったり振ったりする。
それでもおそらく落ちないと思うので、この場合、逆さにしたまま拳でダンダンダンダン!!!と殴りつづけることになる。10回くらい力任せに叩くと、いきなりポコっと外れる。一緒に180回木を殴ろう。

3.模様付きの月餅の子が出てきた



型抜きおえた月餅

かわいい!もう月餅らしくなってていいね!
ちなみに四角いほうは胡麻餡で、まるいのがナッツ餡。饅頭用の壽のスタンプも押してみたりもした。いいかも。



焼成

あとは焼くだけになった。
かなり時間がかかってしまい、また夜になった。
やるか。

【手順】

  1. 200℃にオーブンを予熱する

  2. 5分焼く

  3. いったん取り出して卵液を塗る

  4. オーブンで再度5分焼く

  5. いったん取り出してまた卵液を塗る

  6. 10〜15分焼く


細かいな!
楽しそうだからがんばる……
予熱アラームの鳴ったオーブンに入れて5分。出してみると表面が乾くくらいになっていた。
刷毛がわりのキッチンペーパーに卵液をつけて塗りぬり。

卵液塗る

焼き色ついてほしいから丁寧に。

で、また5分後。
また塗った。

二度目の卵液

ツヤツヤでニスみたい。焼きムラで焦げそうだったので左右をいれかえた。
この調子。様子を見つつ……


〜15分後〜




完成


焼きあがり

月餅だね

月餅になってうれしい。
模様が浮き出てかっこいい。
はじめてにしてはいいのでは?

膨らんでしまった失敗


中身どうなってるかな……
というわけで、切る

切る


中身


詰まってる!
かたくて刃が重い。
これはまだ油が馴染んでいないから皮も硬すぎる。
普通は2、3日とか1週間寝かせて食べるらしい。
一応できたてを味見すると、ナッツ餡はクセがなくて自然な甘みみたいな感じ。お茶と食べないと苦しい。
洋菓子のバター感に慣れているとあまりに素朴だ。油も大量だからこれでもカロリーあるのよね。

というわけで寝かせます。
冷めたらジップロックに小分けにして部屋に置いておいた。



■3日後

まだ硬い。記事と餡の油が底面にしみてきた。
ナッツも胡麻餡のも、食べると皮が落ち着いてしっとりしてきた気がする。
まだ置きたい。胡麻餡のほうがしっとり度が高いかな。おそらくしっかり甘いし油も多いから。

時期外れの中秋月餅をさらに寝かせてみることにする。


■1週間後

馴染んできたのが見てわかるようになっていた。
一緒に包んでいたクッキングシートにも油がしみて、ナッツも胡麻のほうもしっとりしていた。見慣れた月餅という感じ。
ナッツ餡を食べると、つなぎのもち粉とも馴染んで一体化してきた気がする。前のは詰まってるけど、噛むとすぐに具がバラける感じがした。1週間は必要なんだね。

寝かす意味があるんだということを知れてかなり満足。そしてかなり美味しくなってる!

ちょっとずつ食べようとおもうけどまだ減る気配がない。冷凍でもしようかな。


■2週間後

全体的に油がしっかり馴染んで、皮も白っぽさがなくなって落ち着いた色になった。


裏まで油がしみきった


しっとり食べやすい。寝かせるほどいいのね。全然日持ちするシュトレンみたい。
中秋に合わせて作るなら、最低1〜2週間前に作るとよさげ。結局常温保存していたけど、10月なのでそれほど暑くもないから良かった。気温や具によっては冷蔵庫や冷凍庫に入れるべきかも。

まとめ

意味わからないほど大変!!!
こんなにかかると思ってなかったし腰も重いから余計にかかった。

作っても何週間かは食べ続けられそうだし余韻が物理的にある感じ。

1ヶ月くらい季節のお祭りやってる気分になる。
お祝いのために料理を一生懸命作ってちょっとずつ食べるみたいなものって万国共通でありそう。餅とかシュトレンとかしか知らないのだけど。ありそう。


またいつか作るならこのさらに2分の1の量にしたい。油をバターに置きかえたり塩を足せば洋の感じになって、食べやすくなりそう。こってり寄りになるかもだけど。
くるみと胡麻は月餅に抜群に合うのでおすすめ。酸味のあるドライフルーツやドライココナッツの千切りも合いそう!いちじくとかもやりたいな。

それと、長々とした文をここまで眺めいただいた方、ありがとうございます。
作らずとも中華街とかで月餅を見たらチャレンジをば。たまごの塩漬け入りとかも……。おすすめはナッツ入りの五仁月餅です。


こちらはまだまだあるので、食べきって冬に備えます。おやすみ。





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