夢日記・短編 「蚊」
ある日の夢
初日
何!?なんか来る!
人間の半分くらいサイズのミサイル型の何かが、蛇行しながら私をマークしてくる。というかここは屋内では?
「動いたら駄目だ。」
声がしたほうを見ると、緊迫した様子のおじさん(推定50代)が中腰で座っている。その道に熟練してそうな渋い格好をしている。ここのスタッフなのか?知らぬ間にサバゲーでもしに来たんだっけ?
でもこの人は誰?何かの訓練なのか?万が一訓練でも死ぬのは嫌かも。仰向けになるしかない。仰向け?
「一番高いところを狙ってくるからな。」
ああ、仰向けだからこのままだとつま先がやられてしまう。しっかり平行にしなくちゃ。
いや、それだと出っ張ってるお腹がやられないか。それなら横向きのほうがよかったか。それだと腕が……たまたまそこにあった身長ほどの一枚の甲板のそばまでそっと身を移し、盾がわりにして難を逃れた。
あくる日
りんご農園の手伝いに来ていた。近くの芝生で道具の準備をしていると、あれがまた来てしまった。
空からこちらをめがけて飛んでくる。ミサイル型の何かが。前回と違って両翼があるタイプだ。戦闘機なんだろうか。人間くらいの大きさをした紙飛行機のような形状。人が乗れるはずもないから遠隔操作なのかな。
などと呑気に思っていると、その場は一瞬にして警戒態勢になり、自分は慌てて身をかがめた。そうそう、人間のからだのなかで出っ張ったところがやられるんだよな。
「こっちには曲がってこないからそこにいろ。」
そう言って、知らないおじさんが離れたところからジェスチャーで合図する。熟練した格好の、おそらくりんご農園のおじさん。
手を大きく動かしながら、あのミサイルは右カーブはできるけど、左カーブはできないとかそういうことを教えてくれている。ありがとう、おじさん。ミサイル戦闘機は私のほうめがけてスピードを上げる。
おじさん?どんどん近づいてくる。
え?こっちに来る……その軌道なら左足がやられるんだけど……
と思いきや、ミサイルは翻り、おじさんの言うとおり引き返していった。
りんごの樹を覆っていた緑色のネットが障害物となり、攻撃を免れたようだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?