♡今日のひと言（短歌）♡穂村弘②
The ballgame
is ready to begin
However,
taken away
by scent of a gentle breeze
The umpire just stands still,
eyes closed
マジシャンが去った後には点々と宙に浮かんでいる女たち
水滴のひとつひとつが月の檻レインコートの肩を抱けば
呼吸する色の不思議を見ていたら「火よ」と貴方は教えてくれる
「吼え狂うキングコングのてのひらで星の匂いを感じていたよ」
穂村弘（1962‐ 北海道〜歌人、詩人、批評家、翻訳家）
1990年、『シンジケート』で角川短歌賞の次点となり、デビューした（俵万智『サラダ記念日』が同年の受賞）。以降、現代短歌を代表する歌人として評論、エッセイ、絵本など幅広く活躍。『短歌の友人』（2007）で第19回伊藤整文学賞、連作「楽しい一日」で第44回短歌研究賞、『鳥肌が』（2007）で第33回講談社エッセイ賞、『水中翼船炎上中』（2018）で第23回若山牧水賞を受賞。歌集に『手紙魔まみ、夏の引越し（ウサギ連れ）』（2001）『ラインマーカーズ』（2003）など。
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