感染予防、できてると思ってんの?
みんな『マスク神話』大好きかよ。
何故いい年こいた大人がこぞって、そんな不織布一枚ありがたがってんだ。
語弊を覚悟で言いますが、マスクに感染予防効果は「ありません」。
マスクに感染予防効果がちゃんとあるというならば、マスクをずっとつけて働いている病院職員が感染するなんてことはありえなくなるからです。
しかし、実際はどうでしょう。バンバン感染してるのがわかりますね?
マスクに感染予防効果、ありますか?
医療従事者の実態
これは私の働いていた病院での話ですが、他の病院でも似たようなことをしている人はかなり見られるので、意識低い地方病院は軒並みこんな感じだとお考え下さい。
施政者はだいたい、ケチ臭いものです。マスク一つさえ大切に使えと言うし、週一回の白衣の洗濯のために3着くらいの白衣が配られます。毎日洗濯してるところなんてそうそうありません。この時点で不潔ですよね。気に食わないなら家に持って帰って洗えなんて声も聞こえますが、ご冗談を。
誰の何が付着してるかわからないものを持って帰りたくありません。
家族に何かうつったら大変です。
とまあ、こんな感じで、自分の身すら守れない状態に医療従事者は追いやられているのです。
マスクなんて1日中使いっぱなしです。ご飯のときは外して畳んでテーブルに置いてたりするし、くしゃみをしても取り換えません。ローコストで働いてくれる職員のことが病院長は大好きでした。ローコストで働く職員こそ優秀なのです。
インフルエンザ・パンデミック
体験談をお話ししましょう。申し送りで「一昨日〇号室のAさんに娘さん一家が面会していったけれど、娘さんが具合悪そうだった」という情報を手に入れました。私の今日の担当患者です。インフルエンザはまだ流行していないものの、そろそろどこかで流行る時期だなー、という、そこまで警戒していないレベルの時期でした。一応病棟職員は全員マスクをつけて働いている状態です。私も同じくマスクを着けていました。
Aさんのところに行くと、Aさんはいたって元気そうです。今日の体調やリハビリの予定を聞いていると
「ぶえっくしょい!」
口ぐらい押さえてくれ――!!
顔面にシャワーのごとく!!うわあああ!
「ごめんなさい!急に出ちゃって💦」
「大丈夫ですよ、『出物腫物ところ嫌わず』ですから」
さわやかな笑顔と昭和初期産まれに人気のことわざ語録でなんとか乗り切り、詰所へ。
その日の夜、Aさんは急激に体調を崩しました。38℃の熱と寒気と、体の節々のダル重い痛み。インフルエンザの疑いが強い症状です。Aさんはもともと個室でしたが、更にドアを閉めるなどの隔離を行ったのでした。
しかし、その三日後には看護師4人がインフルエンザに倒れたのです。患者3人にもうつりました。
四日後には看護師がまた1人倒れ、次の日にもう1人倒れ……。
最終的に収束するまでの約10日間、生き残った看護師はこの部署だけで18人中5人でした。みんなマスクを装着していました。しかし、これだけの医療従事者が倒れたのです。
その生き残りの中に私の姿もあったのです。
私はもともと体が弱いほうであり、持病もあるので罹患するリスクは高めの人間です。
生き残った理由
私は冒頭で、病院長が大好きな優秀な職員について書いていました。ローコストで働く職員は優秀扱いなのです。病院のために経費をカットしてくれますからね。そんな優秀な職員が多い中、私は超・落ちこぼれ職員だったのです。
マスクは一度外したり、不潔だと思ったらすぐ捨てるわ
こまめに水飲みやうがいに行くからさぼってるように見えるわ
部屋の前のアルコール消毒は律儀に一部屋ずつ毎度使うわ
洗濯物はどんどん出すわ
「神経質だ! もっと節約しろ!」と怒られたこともあります。マスクを使うのは一日一枚と言われましたが、知りません。シーツ交換が終わったら取りかえるし、昼ご飯食べたら取りかえます。
だって、誰が感染したら保障してくれるんですか? インフルエンザで遊休使わせるような職場です。手当なんて出るわけもありません。インフルエンザが重篤化して脳症でも起こしたら? お金じゃかえられません。
私はくしゃみを浴びた日、すぐ詰所に帰って
1.手洗いをしてから服に除菌スプレーを噴霧。マスクを廃棄し、もう一度手洗いをする
2.顔を洗う。首のあたりまで。もう一度手を肘まで洗う
3.うがいを5回以上する
4.飲み物を飲む
5.新しいマスクをつける
という、その場でできる感染予防を行いました。そして、インフルエンザのパンデミック中を乗り切ったのです。何故こうしたか詳しく説明します。
1.手洗いをしてから服に除菌スプレーを噴霧。マスクを廃棄し、もう一度手洗いをする
手洗いをしてからスプレーに触らないと、スプレー缶にウィルスを付けることになります。マスクの外側は基本的に不潔です。内側も他人にとっては不潔ですから、マスクは触った時点で不潔な物体として考えます。不潔なものに触ったので、顔を洗う前に手を洗います。
2.顔を洗う。首のあたりまで。もう一度手を肘まで洗う
本当は頭まで洗いたかったですが髪があるので無理です。除菌スプレー噴霧したのでセーフとしたいところ。ただ、お風呂に入るまで頭には触りません。首回りには聴診器などをかける場合があるので、聴診器にウィルスが付着するのを防ぐため首も可能な限り洗います。腕を私が触ってしまうかもしれないので、洗います。腕を触ってから顔を触ったらウィルスが口の近くに来てしまうということになりますからね。
3.うがいを5回以上する
手を清潔にした状態でうがいをするなら安心です。水道水に含まれている塩素が少しのウィルスなら殺してくれますし、洗い流せます。
4.飲み物を飲む
多くのウィルスは胃酸に勝てません。ノロウィルスは別ですが。飲み物を飲み、のどを潤すと喉にある繊毛(顕微鏡で見ると、喉はつるつるではありません)の動きを良くしてくれます。繊毛は細菌やウィルスを追い出してくれる作用を持っているのです。インフルエンザのような、胃酸に弱く、喉から感染するウィルスには効果的です。
5.新しいマスクをつける
触ったマスクは不潔です。ましてや今回はくしゃみをかけられました。そんなものをもう一度つけるなんて、自分からウィルスを口や鼻に招き入れるようなもんです。だから私は、マスクをテーブルに置かないしポケットに入れないし、一度外したら捨てるのです。
こうして私はパンデミックを生き残ったのです。マスクを正しく使い、他の感染予防策も忠実に行ったからです。
更に、家に帰ったら速攻、玄関で服を脱ぎます。裸で手洗いうがいをしてから部屋着を着ます。こうすることで、服についたウィルスを家でバラまきません。だから私は、病院で働いている最中インフルエンザに罹ったことは一度もないのです。もちろん、予防接種もしています。
感染を防ぐためにすべきこと
いかがでしょう。マスクマスクと叫びまわっている皆様。これだけ気を付けてマスクを使っていますか? マスクを外して手を洗わずに鼻をかんだらその時点でアウトです。そこまで意識できていますか?
医療従事者でさえちゃんとマスクを使えていない状態です。買い占めのせいで医療従事者も更にマスクを節約しなければならなくなっていることでしょう。
果たして、この状態で、マスクは意味があるのでしょうか?
マスクなんかより
1.外出中に顔回り、特に口元や鼻を触らない。どうしても必要なら手を洗ってから。
2.こまめに水分補給をする。飲み物を飲む前・うがいをする前には手を洗う。水筒やペットボトルの飲み口に触れない。理想はコップにうつして飲む。コップも毎回洗うか、使い捨てのものを使う。
3.家に帰ったら玄関先で除菌する。外に来て行った服を家の内部(特に寝室付近)に持ち込まない。
4.しっかり食べて、しっかり寝て、体を冷やさず、適度な運動をして基礎代謝をあげる。
5.長時間の会合は避ける。どうしても必要ならば換気を行う
この5つに気を付けたほうが、マスクに頼って安心するよりよほど効果があります。
マスクでヒステリー起こす前に、マスクが無くてもできる感染予防をしましょう。マスクを正しく使うなら更にグッドではあります。
マスクは感染のリスクを下げるものであって、正しく使わないならばむしろ『感染の確率を高めてしまいます』。つけとけば感染しないなんてことは無いのです。
この説明聞いてもまだ不安で、マスク洗ってでもマスクにしがみつきたい諸君。埃にウィルスがついているし花粉にまみれるし、どうしてもマスク使いたいなら室内で換気して干しなさい。空気清浄機を忘れずに。しかし効果は推して知るべし。企業でも推奨していないことの意味を考えなさい。
人の庭やベランダからマスクを盗んだ不届きもの。買い占めに走るあんぽんたん。家で大人しくしてたほうが世間に対しても優しいからどうぞ引きこもってこれ以上罪を重ねるな。
『罪じゃない』? そう思うなら地獄の沙汰を待て。
『マスク神話』は終焉させましょう。正しい知識を持って。