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『LA LA LAND』と夢追い人のハッピーエンド

今晩の金曜ロードショーは『ラ・ラ・ランド』だった。ばっちり泣いた。もう散々語り尽くされているけれど、私とこの作品の思い出を、今書いておきたい。

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『ラ・ラ・ランド』が日本で公開されたちょうど2年くらい前、友人の女子4人で立川シネマシティに観に行った。モノレールの下をステップを踏みながら歩いていると、『最後、ハッピーエンドじゃなかったね』と1人が言った。

え?待って。『私はハッピーエンドだと思う』。面白いことに、その場に居た4人のうち、2人がハッピーエンド、もう2人がアンハッピーエンドというように解釈が分かれたのだった。

それ以上に深い話はしなかったのだけど、この違いは、主題を「2人の恋愛」と捉えるか、「それぞれの夢」と捉えるかの違いだと私は考えた。

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私にとって『ラ・ラ・ランド』の結末はハッピーエンドだ

というのもきっと、私自身の人生で何よりも重要なのが、「自分の夢を叶えて成功すること」だから。

ミアには「女優」、セブには「ジャズが聴ける店を持つ」という夢があった。だから私は、ミアにとってもセブにとってもそれが最も大切なことだと思って感情移入してしまうし、その夢を叶えられた2人を羨ましいと思う。

運命の出会いだと思えるくらい好きな人と一緒になれるとしても、それで夢が叶わないなら、理想の自分になれない未来が待っているのなら、自分で自分を呪って幸せには浸かりきれない。きっと一生後悔する。何よりも大切なのは夢を叶えることだから。

夢中になって、それでもいつか終わりがきて。そういう恋愛、現実にたくさんあるだろう。2時間の映画で描かれるのは、長い長い人生の一部で、2人には過去もあれば未来もある。そうやってスクリーンの外の人生まで想像させてくれるのが、私がこの作品を好きな理由のひとつだ。

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確かに結末だけ見れば、こんなに運命のように惹かれあった2人なのに別れて、ミアはすぐに他の人と結婚して子どももいて。2人の思い出の看板を掲げた店を開いたセブは切なすぎる。泣きたくなる。

だけど、お互いに叶えたい夢があった。次第にお互いがお互いの夢を叶えることが一番大切なことになった。そして夢を叶えた。

これを、ハッピーエンドでなくて、なんと言おうか。

どうにも使い古された表現だけど、2人は恋人というより戦友だった。「お互いにお互いが夢を叶えることを願っている」という、最強のパートナー。だからこそ、相手の夢が叶うなら、離れ離れになる方を選べてしまう。

夢を追う似たもの同士だからこそ、相手のためになることがわかっている。それには「何かを諦める」という残酷なトレードオフがあるからこそ、傷ついて、すれ違ってしまうけれど、相手の夢を叶えるための行動を取ってしまう。

観終わったあとに切なくて泣いてしまうハッピーエンド。そのアンビバレントさに取り憑かれて、私はこの作品を何度も観てしまうのだ。




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