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共通テスト物理 原子分野を最短最速で Part0 原子分野への向き合い方

こんにちは、Uraと申します。
予備校講師やプロ家庭教師として、小中高生を第一志望合格に導くべく活動している者です。

ここから数記事かけて、高校物理の「原子」の分野について解説していきます。
テーマは「全くの0の状態の受験生の方を対象に、最速最短で共通テストレベルの問題を解けるようになっていただく」ことです。

本記事はそのPart0として、共通テスト物理における原子分野の位置付け、それを踏まえた最適な向き合い方をお話していきます。



■2024年度共通テスト物理 分野ごとの配点

◎最優先は力学と電磁気学

共通テスト物理を受験される方が、どれくらいの熱量で原子分野を勉強するべきか、過去問の配点を踏まえてお伝えしていきます。

直近の2024年度の共通テスト物理の分野ごとの出題割合は次の通りです。

2024年度 本試験
合計22問 100点満点

・力学→7問 30点
・電磁気学→6問 30点
・波動→6問 30点
・熱力学→2問 5点
・原子→1問 5点

2024年度 追試験
合計22問 100点満点

・力学→6問 30点
・電磁気学→8問 30点
・波動→3問 15点
・熱力学→4問 20点
・原子→1問 5点

力学と電磁気学を極めればそれぞれ30点を取れるのに対し、原子をどれだけ頑張っても5点にしかならないことがわかります。

波動と熱力学のどちらの方が配点が高いかについては年度ごとに変わりますが、

・力学と電磁気学が最頻出
・原子が最も出ない

というのはほぼすべての年度について言えることです。

したがって、まず大前提としてお伝えしておきたいのは、「力学と電磁気学が仕上がっていないのなら原子なんて勉強している場合ではない」ということです。

受験勉強は時間が限られています。優先順位を明確にしていきましょう。



その上で、「原子を最短最速で仕上げていきたい」という方に宛てて、原子分野に対する向き合い方をお伝えしていきます。

■2021〜2024年度 共通テスト物理 原子分野の配点

◎配点は低いが必ず出題されている

共通テスト物理において、原子分野の配点がどのように推移しているかをまとめます。

2024年度 本試験 5点
2024年度 追試験 5点
2023年度 本試験 5点
2023年度 追試験 5点
2022年度 本試験 10点
2022年度 追試験 20点
2021年度 第1日程 14点
2021年度 第2日程 5点

(※)2021年度の入試は新型コロナウイルスの影響で「第1日程」「第2日程」となっていましたが、それぞれ「本試験」「追試験」と捉えていただいて差し支えありません

原子分野は配点が低めであること、ただし全く出ないわけではないことがわかります。

2022年度の追試験に原子ノー勉で臨んでいた受験生の方は、試験中、背筋が凍りついたでしょうね。共通テストで高得点を目指すのであれば原子無勉強は大変リスキーです。


■原子分野はタイパがよい

出題頻度が低い一方で、原子分野のタイムパフォーマンスの良さは秀でています。

私の指導経験からの肌感として、全くの0の状態から「個別指導2〜3時間+自宅学習4〜8時間」を確保すれば共通テストレベルの原子の問題はほぼ解けるようになります。

本年度指導している生徒のお話です。

原子分野のことを1ミリも知らない状態で、共通テスト模試の直前に「個別指導3時間+自宅学習6時間」で詰め込んだところ、その模試で出た原子の問題4題を完答してきました

以前は「原子はよくわからないから捨てたい」と言っていたのが、今では「原子って簡単ですねー、第一志望の入試でも出ないかなあ」と自信満々な様子です。

範囲が広い力学と電磁気学はもちろん、それらよりは範囲が狭い波動と熱力学でもこの短時間で仕上げることは難しいです。原子のタイパの良さは群を抜いています。

「力学と電磁気学が仕上がっていないのなら原子なんて勉強している場合ではない」のはすでにお伝えした通りですが、他の分野の勉強がきちんと進んでいるのであれば原子分野に積極的に取り組んでみて欲しいです。

原子分野の勉強では「力学」「電磁気学」「波動」の話も関わってきますので、それらの分野の復習になることもあります。


■原子分野を学ぶ心構え

では、原子分野の勉強を始めようとしているあなたに向けて、本記事の最後の内容として「原子を学ぶ心構え」をお伝えします。ポイントは2つです。

◯イメージしようとし過ぎない

原子の世界はミクロな世界(微視的な世界)です。要するに、目に見えない世界です。

目に見えない世界を理解するための一つのコツは、イメージしようとし過ぎないことです

例えば、「光は波でもあり粒子でもある」と学ぶことになりますが、恥を忍んでハッキリ言ってしまうと私はこれを頭の中でイメージすることができません。一つの図に波と粒子をまとめて書くこともできません。けれども、入試問題は解けます。

高校物理の他の分野、特に力学は運動の様子が比較的イメージしやすく、そしてそのようなイメージが問題を解く上で大事になってきますが、原子分野は「イメージしてみてうまくいかなかったらとりあえずそういうものだと受け入れる」という姿勢で臨むとスムーズに進められると思います。

◯1周目は"適当に"──まずは全体を見にいく

原子分野をこれから学ぶ方に向けて、最優先して欲しいのは「まずは1周終わらせる」ことです。

最初の「光電効果」を完璧に理解してから次の「コンプトン効果」に進む、のではなく、「光電効果」の内容をさらっと確認したら「コンプトン効果」に進む、という形で学習してみてください。

1周終えて理解が全然できていなくても全く問題ありません。原子分野の全体を見終えた上で取り組む2周目は、1周目より遥かに頭に入りやすいはずです。じっくり1周ではなく、さらっと何周もしてみてください。

このような、勉強に臨む上で大事にして欲しい心構えは次の記事でまとめています。ぜひお読みください。

■まとめ

共通テスト物理に臨む上で、最優先は力学と電磁気学

原子分野は配点は低いが毎年出題されている

原子分野はタイパがいいので、他の分野が仕上がっているなら積極的に取り組みたい

原子分野を学ぶ上でのコツは「イメージしようとし過ぎないこと」、「細部にこだわり過ぎず、まずは全体を見に行くこと」

次回の記事では「光電効果」について学んでいきます。ぜひお進みください。

私は現在家庭教師のご依頼を募集しております。個人契約の強みを活かして、「いつもは部活で忙しいからテスト前だけ集中的に授業して欲しい」「基本的に独学で進めていきたいと思っているけど、特定の苦手分野だけは解説して欲しいからその都度単発で授業を受けたい」などのご要望にも対応いたします。

ご興味のある方は次の記事からぜひご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの受験がうまくいくことを心より祈っております。
それでは!

Ura

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