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美しい彼
二年ほど前に『流浪の月』を読んで以来、凪良ゆうさんのファンです。
それまで存じ上げない作家さんだったのですが(私のまわりもわりとそんな反応)、もともとBL作家さんで一般文芸も書くようになったのはここ数年のよう。
『流浪の月』ですっかりはまって凪良さんの本を読み漁っていたんですが、そういう経緯なわけなので一般文芸の本はすぐに読み終えてしまったんです。
それでも凪良さんへの熱が冷めやらない。
そんななか熱心な凪良ファンの先輩方のご意見に「美しい彼を読まずして凪良ゆうを語るべからず」(かなり意訳です)というのを目にして、なるほどと思い読んでみることにしました。
はじめて、BL小説を読んだのです。
とはいえ、私は長野まゆみさんに鍛えられているので耐性がございます、と読み始めたものの「本物のBLとはこうだー!」と洗礼を受けることになりました。簡潔に言うと、性的な描写が予想を超えている。
が、読んでいるうちに共感したりはらはらしたり、しまいには泣き、あっという間にシリーズ全部読んでおりました。シリーズが進むほどに泣けるんです。とくに2作目3作目には清居のすっきりとした前向きさに胸を打たれます。結局のところ主人公の二人ともにエールを送りたいようなそんな作品でした。しかも全体的にコミカルで読みやすい。
はじめて知ったのですがBL小説というのは制約が多いジャンルなのだそうです。物語の型にきまりがあって最終的にはハッピーエンドじゃないといけない、とか。そういうなかで設定を工夫されたりお話にオリジナリティを出したりするのはなかなか難しいことではないかと思います。長年第一線にいらっしゃった凪良さんのすごさがわかる。
『流浪の月』とかで凪良さんのことを知ったかたのうち、何割くらいが『美しい彼』を手に取るのかなぁと気になります。
「自分にとって尊いもの」や「気高い存在」をただ見つめる幸せ、みたいなものがどちらの作品にも共通して描かれているような気がします。この感情、私すっごく共感するんですよね、、
おすすめの本です。