七村ふみ

読書と小説と日々の記録です。

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  • 本と物語のはなし

    本|映画|アニメ|エンタメにまつわるはなし

最近の記事

読書記録 と。

読書が本当に楽しい。とかみしめています。今回読んだ本、みんなすばらしすぎた。 ミュージカルスパイス|岡田淳 こそあどの森シリーズも五作目。ほんとにいい。ほんとにいいんですよこのシリーズ。読み進めるほどにいい。いま大人のみなさん、ぜひ読んでほしい。 後半にでてくるしっぽの光るきつねの話がとてもすきでした。言葉があるということをこんなにやさしく芯をついて言うことができるんだなと、驚く。 調べたらこそあどの森シリーズは三十周年を迎えるそう。私は小学生のころさほど熱心に読書しなか

    • 読書記録

      秋が全速力すぎてすでにヒートテック上下を着こんで鍋つついてます。振り落とされないよう読書の秋。 十戒|夕木春央 方舟が衝撃的だった夕木さん、こちらも読みました。 なにをどう言ってもネタバレそうでなにも言えませんが、新しいのに王道みもあるようにかんじました。このまま突き進んでほしい。(読んだ方には伝わるかも) 公式ネタバレ解説サイトなるものもあり、関連動画もあり、楽しく拝見しました。こういう横の展開してくださるの面白い。けど未読の方はこれらを検索するのもやめたほうが良いです

      • 創作大賞のふりかえり

        昨日、創作大賞の中間選考の結果が発表されました。 私も二作品応募していたのですが、残念ながらどちらも通過せず。なので、すこし振り返りと感想です。 応募したひとつめがこれ↓ 漫画原作部門に出しました。自分としては、何度読み返してもなんだかしみじみすきだなぁと思える作品。見出し画像もお気に入りです! 文字の視認性をあげつつポップなかんじにしたかったのですが思い通りにできたかなと思います。これ書いてるとき本当に楽しかったなぁ。 まだ三話までしか書いていないのでもう少ししたら非公

        • 夏とスイカとレモンティー

          スイカばかり食べてレモンティーばかり飲んだ夏だった。 はじめて「カブトムシを飼う」もした。 7月のおわりに我が家にきたカブトムシは、8月のおわりのいまも夜な夜なスイカを食べて動き回っている。この夏、夜中にトイレに行く頻度がすくなかったのは、真っ暗のなか彼の羽音をきくのがびっくりしそうでこわかったから。 晩夏になって「スライムを作る」にもはまった。 「夏休みの工作なににしました?」 ときいて高確率であがるのがスライム作りだったりするため、スライムは最近わたしのなかで夏の風物

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        • 本と物語のはなし
          6本

        記事

          読書記録

          今回も読了数はすくなめ。 同志少女よ、敵を撃て|逢坂冬馬 本屋大賞をとられてから気になっていてようやく読みました。 ソ連とはむずかしい舞台かと思いますし戦争ものはどうしても身構えてしまうのですが、読みやすさがあってあまりツラくなく読めました。特に後半にかけてエンタメの雰囲気が強まる気がして、それが悲惨さを和らげる支えになってると思いました。タイトル回収大好き人間なわたしですが、この作品のタイトル回収も「ひー」となりました。 敵ってなんでしょうね。存在するのかな。どちらが正

          目の速度をゆっくりに

          「目の習慣ですよ」 というのは、宇野千代さんの言葉。服のセンスがゴチャゴチャしているひとは、ゴチャゴチャしたものばかり見る目の習慣がある、というはなしなんですが、これはたしかにそうだなぁと思う。 なにを見るか、どう見るかの習慣は、生活にかなり影響してる。 最近のわたしは「目がはやい」です。 目の速度はわたしの精神と身体の健康をはかるバロメーターひとつになっています。 目の速度がはやくなるとどうなるか。 ちょっと調子が悪くなるんです。 疲れをかんじやすくなり段取りが

          目の速度をゆっくりに

          エンタメの記録(主にアニメ)

          読書記録はたまに書くのにこっちは全然だったので。アニメとかぼちぼちみています。 忘却バッテリー なんだかとても心地よくみれるアニメで繰り返しみてました。 声優陣がよくて、私は特に山田役の梶さんのベテランのツッコミ技がすごいと思うのと、藤堂役の阿座上さんのときどき裏がえる声が大変すきです。10話は阿座上さんの絶妙な「やぁッま~」が聞けて話も面白いのでたぶん8回はみてる。 野球の作画もとても滑らかかつ見どころあるかんじ。身体能力の高い男子の身のこなしの再現率がすごい。モーショ

          エンタメの記録(主にアニメ)

          最近のこと、創作大賞や体調など

          先日創作大賞の締め切りをむかえて、わりとギリギリまで直したりしていたのでいまはちょっと燃え尽きています。 今年はなんとか2作出せました! 漫画原作部門に1つとミステリー部門に1つ。 ミステリー部門のは作品の性質上別のアカウントをつくって出したのでどれとはいえないのですが、感想もちらほらいただけて嬉しい。 最終的には応募数は5万超え!とのこと。 すごい…。漫画原作とか1000超えてる。 他のかたのを読んでいても「これが賞獲らなきゃどうなの!?」みたいな素晴らしい作品が

          最近のこと、創作大賞や体調など

          読書記録

          このごろ読んだもの。(すごいのばっかり読んだ!) 金閣寺|三島由紀夫 人生初で、三島作品読みました。すっっごかった……(すごすぎて語彙力がなくなる)。 いままで読んでこなかった理由は、たぶん一部の人は共感してくださるのではと思うのですが、なんだか怖かったからなんです。あまりにも有名な作者の最期のインパクトが強すぎて。 ですがnoteとかでちらほら三島由紀夫の名前を目にする機会が増えてどうも気になり。それなら一番有名な本を読んでみよう、となったのです。 まず文章が美しい! 

          読書記録、番外編

          前に職場でランチにみんなで雑談していたときのこと。 「それとこれとは別の話ですが」と言いたい場面で、ふとうまいこと言いたくなってしまって、 「かちかち山のうさぎはかちかち山のうさぎだよ、ってやつですね」 と言ったら、場がシン……となったんです。 私は焦り、 「あ、いまのはほら、かちかち山って、うさぎがそういうこと言うじゃないですか。なので『それはそれ、これはこれ』みたいな意味で言ったんですけど」 と至急自分で解説をいれたのですが、なぜかその場はさらに「???」という空

          読書記録、番外編

          たぶん、出会いたいから

          もうずっとむかしに、当時の職場にやってきた短期バイトのお兄さんたちと仲良くなってカラオケに行ったことがあった。 そこで一人がアルマゲドンのテーマをいれた。エアロスミスの。 洋楽! しかもすごく壮大な! 有名ではあるけど滅多にカラオケで歌う人にはお目にかからない選曲かもと思っていたら、それを見透かしたようにお兄さんが言った。 「カラオケなんかすべて自己満でいいんだよ。自分が歌ってて最高ならそれでいい。だから俺はこれを歌う」 私はそのひと言になんだかやたら感銘を受けた。 お兄

          たぶん、出会いたいから

          わたしのすきな図書館は

          老朽化していた図書館が地域の憩いの場となるよう明るく開放的な雰囲気に生まれ変わってリニューアルオープンしました、というニュースを見かけて「うわぁ」と思った。 うわぁ、また『明るく開放』されてしまった、と思った。 どうしてこうどこもかしこも『明るく開放』してしまうのか、と私は思う。 明るくて開放的で地域の人が憩える場所、という理念には悪い要素なんてひとつもないのだけど、私は暗くてじめりとしてどこか人を寄せつけない雰囲気の図書館に惹かれる。 たぶんその感覚は森に近いと思う

          わたしのすきな図書館は

          読書記録

          ぼちぼち読んでます。 少女は卒業しない|朝井リョウ 学校×朝井リョウ って相性抜群ですよね。トキメキすぎて声が出る、みたいな体験をしました。ド直球正統派恋愛小説というかんじ。青くて苦くてキラキラで切ない。意外とひねったものを読むことのほうが多い気がするので逆に新鮮でした。 短編小説自体、私はそんなに得意ではないんですが、これは全部でひとつの長編というふうにも思えて気持ちが途切れずに読めました。 全部良かったけど図書室のお話が一番印象に残ってるかなぁ。 映画にもなっているよ

          ギリギリな創作

          今年こそは創作を頑張ると心に決めていたので、今回noteの創作大賞に応募してみたんですが、これがとても大変でした。 なにがって、体力が、です。 もうとんでもなく消耗しました。 書きだしてから何かのスイッチが入ったらしく、放っておくと何時間でもPCの前に座っていられるテンション。自律神経がバグを起こしているのか何をしてても頭がフル稼働状態で、夜も眠れなくなりました。普段は22時から6時までぐっすりの健康優良児な私が、朝の3時か4時にはハッと目を覚ます日々。目覚めた瞬間からギ

          ギリギリな創作

          余命80年は長すぎる! 第3話

           次に告知現場に遭遇したのは、前回から二週間ほど経ち、俺たち高校生が夏休みに入ったころだった。その日の夏期講習の帰り、雑踏のただなかで俺は例のゾロゾロした悪寒に襲われた。  世間では解散総選挙が行われていて俺の住む町にも毎日選挙カーの声が響いていた。いまも道路の一角ではどこかの立候補者が街頭演説をしていて、町はいつもよりも人手が多くて騒々しい。  これじゃあゾロゾロの発信源なんてわからないけど。と思って見渡したら意外なところに死神はいた。  選挙カーの上。街頭演説の真っ

          余命80年は長すぎる! 第3話

          余命80年は長すぎる! 第2話

           今日こそは消えさせないでこいつを問い詰める。  鼻先を突き合わせるように睨んで、俺は努めて冷静になろうとした。 「お前たちが本物の死神だっていうのはわかった。で、なんで俺の前にきた? なんで古川の前にでた? なんで古川を殺したんだよ」 「……」 「答えろよ!」  イラつく。こいつがいつもこんな調子だから俺は困ってきた。 「……殺してなどいない」 「……は?」 「我々は、死を前にした人間にただ告げるだけだ。命を奪えるわけじゃない」 「ただ、告げるだけ……?」 「そうだ。

          余命80年は長すぎる! 第2話