本|滅びの前のシャングリラ
こんにちは。七村ふみです。
先日の本屋大賞にて、凪良ゆうさんが二度目の大賞受賞を果たされました。
すごい!
凪良さん、私も大好きなんですよ。
はじめて読んだのは一回目の本屋大賞を受賞された『流浪の月』でした。一瞬でその世界観に魅了されたのですが、1冊のみではその作家さんを好きになれるかどうかわかりません。
次の1冊で判断しよう。
そうして次に読んだのが『滅びの前のシャングリラ』でした。
事前情報としてこの本が「地球滅亡の話」だというのは知っていました。
実は私、大人になったいまですら、ある日地球が滅亡してしまうのではないか、と不安になることがあるのです。たぶんノストラダムスの影響でしょう。滅亡するその日、自分がどんなに恐怖して逃げたくて死に苦しむか、想像すると本当に心がざわつくのです。
なので、地球が滅亡する話などというのは、本来私が手に取るような本ではありません。
こわごわ、もう本当にこわごわとして、読み始めました。
読み終えて私はホッとしました。
「やっぱり私は凪良さんが好きだ」とわかったからです。
凪良さんは、滅びる世界にも優しく救いを与えていました。
どんなに悪いことをした人にも、世間から疎まれる人にも、絶望的なディストビアにも、凪良さんの筆は救いをくれます。それでも大丈夫だよ、って寄り添ってくれます。
私にとってとてつもなくハードルの高い題材にもかかわらず、心穏やかに読めたことで凪良さんへの信頼が厚くなりました。
小説を読んでいて、作家さんが何を伝えたいか、というのは分かることもあれあれば分からないこともあります。ただ凪良さんの場合、伝えたいことは「救い」ではないかと私は思います。凪良さんのどの作品にも共通しているテーマだと思っています。
もしあなたが「救い」を必要としていたら、差し伸ばされる手は凪良さんの本のなかにあるかもしれません。
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