見出し画像

2024年12月12日 どんな色がすき


「どんな色がすき」という歌があります。
子ども向けの歌です。
「どんな色が好き」と問いかけて、その後に色の名前を言い、
「その色のクレヨンが1番先になくなる」と歌う内容です。
そう言えば、どんな色を好んで着るか、どんな色のものを選ぶか、ということも年齢とともに変わっていくようです。
「ずっと同じではいられない」というのは、ここ最近の私のテーマですが、
自分が身につける色、自分が選ぶ色ですら、どんどん変わるのだと驚きます。


・黄色


子どもの頃は、色を選ぶ時には黄色にしていました。大抵、ピンクや赤をすすめられ、青や水色にはやや眉をひそめられる時代だったので、それが精一杯の抵抗だったのです。
黄色は、何故か、「仕方ないわね」という風な反応を引き出す色でした。
ピンクや赤が嫌いだったというわけでもないのですが、「女の子は好きでしょう」という押し付けが嫌だったのだと思います。
思いっきり反抗して青や水色を選ぶのではなく、大人が渋々認めざるおえない色にしているあたりが、
なんとも可愛くなくて私らしい、と思います。
私の中で黄色は不服従の色なのです。

・黒色


思春期に入ると、洋服の色は黒を選ぶようになりました。
好きというよりは、目立たないようにしたかったのだと思います。
もしくは無難な服を着て自分を覆い隠そうとしていたのかもしれません。
黒色選んでいたけれども、着こなせていたわけではないし、
心底、黒色が好きだったわけでもなかったような気がします。
保護色としての、選択だったのです、多分。

・ピンク(桃色)


黒色を選ぶ時期を越えて、それまで自分が避けていた色に興味が湧くようになりました。
それは、ピンクです。
ここではあえて、桃色ではなく、ピンクと書きます。
子どもが使う呼び方です。
その頃、ピンクを見ると、不安になったり、苛立ったりしていました。
今考えればそれは「女性」とか「女児」という枠に押し込められる窮屈さに対する不満だったような気がします。
反面、世の中が考える「女性」や「女児」の枠に自分が入らない、達さないことへの不安がありました。
いわゆる「女性らしさ」がわからず困惑していたのだと思います。
本ばかり読んでいて、本に集中すると色々なことがおろそかになる子どもは、
「ピンク」の範疇には入れてもらえない、と感じていたのです。
成長して、しばらく経った後、
成人してしばらくしてから、「ピンクと向き合ってみようか」と思うようになりました。
興味を持って見ると「ピンク」といっても、
明るさや濃さには様々あるということがわかりました。
ピンクの中にも、多様性があります。
これだけたくさん種類があるのなら、自分に似合う色もあるかもしれないと思えるようになったのです。
当初は、手に取るだけでも勇気が入りました。
購入する、着用するのはさらにです。
それでも、それを続けていくうちに、
子どもの頃のような複雑な感情を「ピンク」に抱かなくなりました。
ピンクはピンク。
色であって、恐れるようなものではないと認識できるようになったのです。
ちなみに様々試した結果、
私には淡いピンクは似合わず、
濃いピンク、ショッキングピンクかサーモンピンクが、似合うことを発見しています。
私はピンクと和解できたのです。

・水色


目の覚めるような水色、シアンブルーも、一時期好んでいた色です。
私はくっきりした美しい色が好きなのですが、思春期はそういった色を避けていました。目立ってはいけないと思っていたからです。
そして、何より、美しい色と自分は合わないと思っていたからです。
「誰が何色を選んでもいいじゃないか」と思ってからは選べるようになりました。
そう、誰だって好きな色を着て良いのです。

・紺色


そして現在、最も着やすくて、綺麗に見える色は、紺色だたと、思うようになりました。
何より落ち着いて、品よく見えます。
無難であり、遊びがない色に思えますが、その分、デザインに遊びがある服などにすればよい、と気づきました。
さっと選んでも間違いのない色、それが紺色です。

・くすみグリーン


最近、持ち物の色を選ぶ時に多いのは、くすみグリーンです。
灰色がかった緑のアッシュグリーンや薄い緑色のミントグリーンを選びがちです。
1番、気持ちが落ち着く色です。
この色の服も好きです。
背伸びせず、そのままでいられるような色だと感じます。

今となっては何色でも


現在は、「どんな色でも、選んで良い」と心から思えています。
以前好きだった色も、今好きな色も、それが良いと思えば選べるようになりました。
自分にとって、似合う似合わない、気に入る、気に入らないで決めるだけになったのです。
なので、最近流行りのパーソナルカラー診断は少し怖いなぁと思っています。
自分が好きな色でも、自分にとって似合っていると思っている色でも、パーソナルカラー診断で「似合わない色だ」と言われてしまうと、
自由に選べなくなるような気がするのです。
せっかく、自分の好きな色を選んだり身につけたりできるようになったわけですから、
「これは似合わない色だからダメ」と思いたくありません。
「どんな色すき?」と聞かれて、「全部!」とか、「これとこれとこれとこれ!」と素直に言える人間でいたいのです。


いいなと思ったら応援しよう!

千歳緑/code
気に入ったら、サポートお願いします。いただいたサポートは、書籍費に使わせていただきます。