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2025年2月8日 雪見おでん
昨夕、
考え事をして、へとへとだったのですが、
「どうしてもおでんを食べたい」
と思い立ちました。
こういう思いには従った方がよろしい、とすでにわかっています。
家には、
大根と練り物、がんもどきなどが、なかったので、買い出しに行き、
大根一本まるごとと、
練り物をいくつか(ちくわ、ごぼう天など)と
がんもどきを購入しました。
最近気づいたのですが、
私、さほど練り物が好きではないようです。
それよりも、
がんもや厚揚げなど、豆腐製品の方が好きだということに気づきました。
練り物は最小限、
大根は沢山入れたい、
こんにゃくは大きめで…など、
買い物をしながら、自分のおでんの好みを再確認しました。
大根は皮を剥き、半月に切ります。
そして、ホットクックの内鍋に、
昆布を敷き、切った大根と手羽先を投げ入れ、
酒を注ぎ、
おでんモードでスイッチをオンします。
1時間5分で、大根はしみしみに、
鳥手羽先はほろほろに煮上がります。
鳥手羽元などの、お肉を入れるのが
私のおでんの特徴です。
さて、その1時間5分の間に、
他の具材の準備をします。
こんにゃくに隠し包丁をいれ、
下茹でします。
練り物には熱湯をかけ、油抜きをします。
そして、昨日散々買いた茹で玉子!
あれやこれやとやっていると、
あっという間に1時間5分が経ちました。
ホットクックの調理が終わったら、
大きい鍋に移し、
そこにめんつゆや醤油、味醂を足して
味を整えます。
その鍋に、
練り物、がんもどき、茹で玉子、こんにゃくを追加します。
そして、
ひと煮立ちさせたら、おでんの出来上がりです。
私はからしをつけて食べるのが好きです。
具材とだしが減ったら、また少し足して、
しばらく食べる予定にしています。
夕食を終えて、記事を更新し、
布団に入ります。
いつもより、ぐっと冷え込んでいます。
そして、風の音がひどく、唸るようでした。
何かが飛んで、どこかに当たる音までします。
これだけ寒くて、風が強いのは久しぶりです。
ついこの間まで、「もう春だな」と呑気に思っていたのですが、
完全な勘違いだったようです。
暖かい布団に潜り込みながら、
とあることについて頭を悩ませながら、
眠りにつきました。
長い長い夢を見ていました。
長く、そして絶妙に奇怪で不穏な夢でした。
目が覚めると、
窓の外がやけに明るいのに驚きます。
起きるのが遅かったから、というのもあるのですが、
それにしたって、あまりに明るいのです。
窓を開けてみると、
久しぶりの積雪でした。
道路一面が白く、窓から見える屋根にも、
こんもりと雪が積もっています。行き交う車やバイクはほとんどなく、
傘をさして長靴を履いた人が、
おそるおそる歩いているだけです。
もともと静かな地域ですが、今日はさらに静かです。
いつもならジムに行くところですが、
今日はサボることにしました。
雪に慣れていないもので、ジムに辿り着くまでに転倒して怪我をしそうな気がしたからです。
冷蔵庫の中には食べ物がしっかり入っていますし、
昨夜作ったおでんがたっぷりあります。
無理して買い物へ行く必要も、ないでしょう。
雪を理由に、1日、ゆっくりすることに決めました。
それにしても、雪というのは、
ひどく明るいものです。
白く、眩しく、
雪の降らない日よりも、
ずっと世界が、明るく感じられます。
雪が降るのと降らないのでは、世界は全く違います。
一面の銀世界、確かに!
世界が白で覆われると、とても眩しいのですね。
ジャック・ロンドンが、描く世界の一つに、
アラスカがありますが、
アラスカも、きっとこんな風に、寒いけれどもひどく明るいのでしょう。
それとも、消えない雪が降り積もる場所は、また違うのでしょうか。
お昼近くになっても、雪はまだ残っていました。
届くはずだった郵便の手配を明日以降に設定しなおし、
郵便局員さんの無事を祈ります。
こんな時に、配達や配送をするのはあんまりにも大変です。
宅配ピザやUberも、今日は大変だろう…と考えます。
こういう時だからこそ、利用したいわけですが、
そのサービスを実行するのは人間で、
人間はこんな寒くて積雪のある日に、物を運ぶのには向いていないはずです。
こういう時こそ、ロボットとかAIでなんとかできないのだろうかと思います。
時折、窓を開けて、外の雪を眺めます。
太陽のおかげか、少しずつ溶けてきているようです。
溶け出して、水となって流れていく音がします。
完全に雪が見えなくなってしまう前に、と何故か思って、
おでんの鍋に火をかけ、温めなおしました。
鍋のぐつぐついう音、
雪が溶けていく音、
雪の眩しさ、
空の青さ、
どうにも全てが、
出来すぎているような気さえします。
温めたおでんはとても美味しかったです。
おでん、切り込みを入れたこんにゃくから上がる白い湯気まで、
映画の一場面のようです。
アート系の映画、単館上映の映画、
知っている人は知っているタイプの映画。
雪の日に、雪を眺めながら、おでんを食べているなんて…。
どんな人間にも、
美しい日々というものはあって、
私にとっての今日はそうなのかもしれません。
雪はお昼を過ぎた頃には、溶け出して、アスファルトが見えるようになりました。
出来すぎた絵面がなくなって、本当のところ、ホッとしました。
でも今になって、また、少しだけ、雪が降っています。
美しいのは素敵だけれど、怖さもあるのです。
あんまり美しい日々ばかりでなくて、いいのです。
絵にならない毎日の方が、ずっと大事です。
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