2024年7月19日 やっぱり会話が面白い
双子座に木星が来ているからなのか
友だちと話をすることが、多い、この頃です。
(対面でも、SNS上でも)
そして、思うことは、ただひとつ。
「やっぱり、会話は面白い」ということです。
読書が子どもの頃からとても好きで、
今だって暇さえあれば、新しい本を購入して、
積み上げているわけですが、
読書とはまた別の、圧倒的な面白さが会話にはあります。
どちらがより面白いというわけではなく、
読書から、会話の種が見つかり、
会話からまた新しい読書が始まるという相互に関係するものなのでしょう。
友達と話した後は、運動したのかと思うほど、
身体はぐったりしていますし、
脳は興奮しています。
私にとっては、友達との会話は、スポーツのようなものなのです。
話題は、読んだ本から、仕事、時事ネタ、最近面白かったこと、
腹が立ったこと、びっくりしたこと、何でもあり、です。
SNSでは取り上げられないような不謹慎なことも、
面と向かってなら、炎上を気にせず、話せます。
そういえば伊藤計劃の虐殺器官では、そういう時代が来ることが、予見されていたはずです。
「機械を介して、
本音を言うことはとても危険なので、
機械抜きで、対面で話すことはとてつもない贅沢であり、楽しみである」というような時代が、
すでに到来しつつあるのかも知れません。
どの友達とでも、
話題が尽きるということはなく、
汲めども尽きぬ水のように話題は湧いてきます。
ぽんぽんと言いたいこと、聞きたいことが思い浮かぶのです。
黙っていても問題ないくらい親しい友達というのも素晴らしいですが
個人的には、話し合いができる友達を好んでいます。
ささやかでもよいので、自分なりの意見というものがあり、
その意見を表明しようと努力してくれる人を好ましく感じます。
意見が似ていればそのことを楽しみ、
意見が違うならその違いを面白く感じます。
言いたいことがすっと伝わった時の楽しさ、
相手のツボに入る返答ができた時の爽快さ、
違う意見の新鮮さ、
思いもかけなかった視点がもたらす視野のひろがり、
思いが共感された時の高揚感は
他のものではなかなか味わえない、
唯一無二の楽しみです。
いや、もしかすると、
スポーツでラリーが続いた時、
ジャズのセッションがうまく行った時も
こんな感じなのかも知れません。
生憎とそういう経験がないので、本当にそうなのかは、わからないのですが…。
今後、完全に同じ会話をすることはない、
その再現性の無さがたまらない、とも言えます。
録音して聴くことができたとしても、
全く同じ会話を生成するということは、きっと困難でしょう。
人には相性というものもあるし、
その日のそれぞれのコンディションもあります。
そこで巻き起こる
この一瞬の尊さ、
ライブ感をこよなく好んでいるのかも知れません。
マウントをとるために話をするような人は、もちろんお断りです。
会話は順位を決めたり、感じたりするために行うものではないからです。
そもそも、そういう話題になる人を友達とは呼ばないことでしょう。
そんなものは遠くでやっていただきたい。
こちとら、
この大変な世の中を少しでも、面白くとらえるために会話をしているのです。
そのために、どれだけ自らの体験をわかりやすく語るか、
相手の語りに適切な質問や相槌を打つかに注意を払っているのです。
友達だからこそ、
その友達が体験した自論や冒険や発見、どんでん返しの話を聞きたいのであって、
実際に起こったわけでもない
ネットのコピペみたいな話を聞きたいわけではありません。
今の時代、そんなものは、
スマホからいくらだって読めるのです。
何なら、読み上げ動画だってある、時代です。
そういうものにならない、
生身の人間の話が、思考が、体験が、聞きたいではありませんか。
ここまで考えて、
「やっぱり、すでに私たちはSFの世界にいるのだなぁ」と嘆息しました。
生身の人間との対話が貴重な時代に私たちは生きています。
学生の頃、友達と
「我々は、世界の果てに行ったとしても、
『世界の果てとは何なのか』について話し続けるに違いない」と
笑いあったことを思い出します。
どんなことだって、話題になるというのが
私たちの誇りでしたし、
今だって、
SFが現実になりつつある今の時代にだって、
そう思っています。
先日は、長い付き合いのある友達に、
高校時代について語ってもらう機会があり、
とても興味深かったです。
その時代が友達を形作っていることを感じました。
身近な人でも、知らないことが沢山ありました。
自分の過去については
色々なことを、あっさりと忘れてしまっていて、
執着が持たないのですが、
他人はまた別のようです。
せっかく人間として生きているのだから、
友達と、沢山、会話を楽しもうと改めて思いました。
そういう会話から始まる何かも、きっと、あるような気がします。