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新規事業はコア人材の必修科目へ

経営企画人材の需要が10年で約10倍に増えているという。

なぜだろうか?

記事によると「事業ポートフォリオの変革が求められているから」とのこと。

事業ポートフォリオの変革とは?

ここで言う「事業ポートフォリオの変革」は下記。

経営戦略やビジョンの策定、M&A(合併・買収)を通じた事業開発、買収後のガバナンス(企業統治)整備

つまり新しいこと(事業)に取り組みたい企業が増えているから、それを担う経営企画人材が必要ということだろう。

経営企画は上場企業の場合、IRを担うこともあるが、上場企業数は減少している(下記)

やはり経営企画人材に、新領域への取り組みを期待しているようだ。


なぜ新領域への取り組みが増えているのか?

時代が早くなっているからだろう。

S&P500に上場している企業の平均寿命は、1960年代には約60年。2020年代には約15〜20年にまで劇的に縮小。Gartnerのレポート「Hype Cycle」シリーズでも、プロダクトライフサイクルが過去20年で半減しているという指摘がある。
そして特に日本は人口減少により既存マーケットの縮小が確実なので、やはりほとんどの企業においてその大小の差はあれど、事業変容というテーマに向き合わざるを得ない。

企業が永続的にその発展を願うなら、この「事業変容」という関所を避けては通れない。ましてや変化が加速している現代の市場においては、一人の経営者、事業責任者が在任中にほぼ必ずこの種の問題にぶつかることになる。

経営企画人材がマクロ的に企業が取るべき戦略を考え、M&Aの実行、またはその戦略の実現を事業開発・新規事業人材が担うというのが大企業の事業のやり方。
しかしここでもまた壁があり、事業開発・新規事業人材も構造的に常設の職種となりにくいため実行力も大いに不足しているのが多くの会社で起こっていること。

こういったことが回り回って結果的に経営人材の需要を高め、その需給ギャップを広げているのだと思う。


大きく脚光が当たる新規事業人材

時代の変化がますます早くなり、次々と新しい事業が求められる時代になってきている。経営企画のニーズもまだまだ衰えないだろう。
しかし足元では生成AIにより「ホワイトカラー消滅」という言葉も目にするようになった。
おそらく実際にもう発生しているだろうし、これから加速度的に進んでいくと思う。

しかし、よく言われるようにAI は物理的実行ができないため、新規事業の検討だけでなく具現化を担う新規事業人材は、現在の経営企画以上に今後大きく脚光が当たるはずだ。

企業が新規事業の企画や実行を現在よりより定常的な営みとして行う場合、新しい商品を新しい顧客に売り込むやり方を開発している新規事業人材は、現在ルートセールスのみを行っている営業に対して新規開拓やこの指導を行うなどますます活躍の幅が広がると予想される。

時代の速さxAI時代において新規事業ができる人材はコア人材になるだろう。

そういった意味では今後、企業のコア人材またはそれを目指す人にとって新規事業は必修科目になる。

今は忙しい現業の合間を縫って面倒だと思いながらやっている人の多いかもしれないが、実は無二の好機なのだ。
どうせ避けきれないことは、むしろこちらから突っ込んで行った方がかえって良い結果になることが多い。
今関わっている人もまだ新規事業に関わりがない人も、ぜひ今すぐに積極的に新規事業に関わることをおすすめしたい。

私が知る限りこれほど面白い仕事はない。



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unlock 津島越朗
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