【海士町】海士町の大工の人
AIに尋ねてみたんですよね。昔からあって今もある職業ってなんですか? って。
猟師、漁師、農業、医者、教育者、ってばーって回答が並んで、なんだ案外今も昔もある職業ってあるもんだな。そんなに人類変わってないかあたりまえかって思ったんですけど。
その中に「大工」ってあったんですよね。そういえば私qbcの知り合いで、神社の修復に関する会社に勤めていた人がいたんですが、その会社創業が400年前とかでびっくりしました。
まあよくよく考えれば人は昔から住んでいたわけで、家を作るって仕事に変わりはないんだわなと。もちろん、鉄やコンクリートだったり資材の移り変わりや、CADで図面引いたりって道具の変化はありますけれど。
生きていく根元の部分の衣食住というところは、やっぱり、人ってあんまり変わらないんだなと。
無名人インタビューという活動の核にあるのは「人の話を聞くこと」ですが、これも人が昔からしてきたことであって、今あらためてこの「聞く」に集中するのも不思議なもんだなと思うのですが、なんですかね、こういろいろなものがめぐりめぐっていくのもまた、人間の作りだす世界の特徴なのかな、とも思ったり。
ということで、無名人イン旅ュー海士町編、お楽しみくださいませ!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
この記事は「無名人イン旅ューin海士町」で実施したインタビューです。
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今回ご参加いただいたのは アマジン さんです!
現在:島生まれの、島育ちって感じで。
ナカザワ:
アマジンさんは今何をされてる方ですか。
アマジン:
今は海士町の工務店で大工として働いてます。
ナカザワ:
出身はこちらですか。
アマジン:
はい。島生まれの、島育ちって感じで。
高校を卒業して1年間出雲の建築の学校に通って、こっちにまた帰ってきたって感じですね。
ナカザワ:
お仕事は何か今やっていてどんな楽しみとかやりがいがありますか。
アマジン:
楽しみ、いまのところないんですよね。
仕事をただ単にやりこなしているっていう感じなので、楽しいかって言われるとそこまで楽しくないです。
ナカザワ:
今楽しいことは何ですか。
アマジン:
最近子どもが生まれて、もう7ヶ月になるんですけど、子どもの成長を見るのも楽しいし、子育てしているのが、今のところは楽しみかなって思ってますね。
ナカザワ:
子育てではどんなところが楽しいですか。
アマジン:
寝返りできるようになったとか、そういう成長が見られるので、わくわくというか、成長してるなっていう楽しみがありますね。
ナカザワ:
普段それ以外で何か他にされてることはありますか。
アマジン:
いや特にないですね。うん、何もしてないです。
ナカザワ:
お仕事は平日ですか。
アマジン:
平日です。今のところ日曜日しか休みがないので、貴重な日曜日にいっぱい遊んでますね。
過去:今のところは、戻ってきてよかったなと思います。
ナカザワ:
覚えてる限りでいいんですけど、アマジンさんはどんな子どもでしたか。
アマジン:
何だろうな。よくふざけてたとは言われます。阿呆っぽい感じ。
兄弟から昔と今を比べられるときとか、昔はなんかおちゃらけてたのに今はもうそういうのが見えないとか、言われたりしますね。
ナカザワ:
子どものときと今は変わってますか。
アマジン:
自分じゃよくわかんないんですけど、そう言われるってことはそうなのかなって思いますけどね。
ナカザワ:
ありがとうございます。これまでいろいろなタイミングで、学校を選んだりとか、選択する機会があったと思うんですけど、高校はなんで島前高校に行こうと思ったんですか。
アマジン:
海士の人って、海士中学校で、そこから島前高に上がるっていうのが基本というか、そう思ったので、特に県内の高校に出ていくことは考えず、そのまま島前高校に入ってますね。理由は特にないです。
ナカザワ:
他の選択肢を考えることはあったんですか。
アマジン:
いや、ないですね。
ナカザワ:
なるほど。
同級生の方は、高校時代の時点で外に出る方も結構いるんですか。
アマジン:
いや、そこまで多くないですね。同級生の中だと、2人ぐらい。島外の高校に行ってました。
ナカザワ:
同級生とは今もよく会いますか。
アマジン:
そうですね。よくご飯とか行ったりします。
ナカザワ:
ちなみに同級生は、今何人ぐらい島内にいるんですか。
アマジン:
4人ぐらいは海士で就職してますね。
ナカザワ:
会うっていうのはやっぱその4人とかですか。
アマジン:
いや。同年代とか同い年の人とかも一緒に集まってご飯とか食べたりします。
ナカザワ:
高校卒業後、建築の道を選んだのはなぜですか。
アマジン:
元々、大工さんになりたくて。大工さんの勉強ができるのが出雲の専門学校で。1年間だけですけどそこに行こうかなって。
ナカザワ:
なぜ大工さんになろうと思ったんですか。
アマジン:
父親が大工をしてて。その姿をずっと見てきて、自分も大工さんになりたいなっていうのがあって、そうですね。そんな感じです。
父親も雇われの大工さんで、今は1人親方。チャンスがあれば、今の会社辞めて独立して、で父親と一緒にできたらいいなっていう風には思ってます。
ナカザワ:
大工さんになって、どんな大人になりたかったですか。
アマジン:
考えたことなかったな。ものづくりがしたいなっていうのがあって、父親が大工してるし、なんか面白そうだし、やりたいなって。
ナカザワ:
出雲の専門学校を出て、島に戻ってきたのはなぜですか。
アマジン:
単純に、海士町が好きだったというか。海士に帰ってきて何かしら貢献できたらいいなとか、海士の中で仕事ができたらいいなっていうのが少しあったんで、向こうで仕事をして経験積みたいなっていうのもあったんですけど、そこはやめて帰ってきました。
ナカザワ:
実際戻ってきてみてどうですか。
アマジン:
そうですね、最初の頃は仕事に一生懸命っていうか、仕事を覚えなきゃっていうのが第1にあって、あまり帰ってきてどうとかはなかったですけど、年数が経つにつれて、やっぱもうちょっと自分で仕事をしたいな、独立したいなっていう、そういうのが芽生えてきて。
海士のためになりたいな、何かできればいいかなっていう考え方とかが出てきましたね。
ナカザワ:
働き始めてから何年目ぐらいでそう思うようになったんですか。
アマジン:
5年目とかそこら辺ですね。今10年目、11年目になるんですけど、それぐらいから。やっぱり仕事ができるようになってきて、独立して自分で仕事を見つけてやりたいなって思い始めましたね。
ナカザワ:
どんな形で海士町に貢献したいですか。
アマジン:
大工さんの手が少なくなってきてるので、子どもたちが大工さんっていいなって思うような、そういう姿勢を見せたりとか、憧れるような人になりたいなっていうのはありますね。職人さんが少ないのでね、本当に。
海士でも大工さんはいますけど、若手は自分1人ぐらいなんで、あと30後半、40後半とか。もっとそういう仕事に就きたいなっていうような子が出てくるような働き方、貢献の仕方、ですかね。
そうすれば町も元気づくというか、島に帰ってきて仕事したいな、みたいなそういうのに繋がってくれればなといいかなって思ってます。
ナカザワ:
今仕事は面白くないという話をされていたんですけど、それって、どうなったら楽しいと思いますか。
アマジン:
単純に早く独立したいですね。勤めていて仕事をやっていくだけはつまらないなって思ってるんで、早く独立して仕事のできる幅を広げたいですね。
ナカザワ:
私は大工さんの独立がどういうことかっていうのをちゃんとわかってないんですけど、雇われてる大工さんと独立する大工さんって、どこが変わるんですか。
アマジン:
内容はそんなに変わらないんですけど、仕事するにも材料が必要で、材料を準備するのも、今会社がやってるんですけど、そういうのも自分でやって、1個のものを作りたいです。今は会社の上司がやっているので、そういうのを自分でできるようになる。簡単に言えば段取りとかも自分でやりたいなって。
ナカザワ:
実際作るってことだけじゃなくて、どういうところから材料をもってきて、どういう流れで作り上げていくのか。
アマジン:
そうですね。
ナカザワ:
結構、「海士町に貢献する」っていうキーワードが出てきたかなって思ってるんですけど、アマジンさんにとって海士町ってどういう場所ですか。
アマジン:
落ち着くし、やっぱり、成長しやすいなって、なんか思いますよね。
それこそ都会に出れば、仕事をやりこなしていくだけっていう状態になりそうなところ、海士町は田舎なのでやり方も工夫しなきゃいけないし、身につけていかないと、遅れたりするので、成長しやすいなと思いますね。
ナカザワ:
実際どういうときにそれを感じますか。
アマジン:
最初、勤め始めはわかんないこととかいっぱいで、でも、自分でどうにかしないとっていうか、人に聞くとか、そういうことをやらないと、仕事を覚えないというか。都会でも多分一緒なんだろうけど、こっちでは特に、田舎の大工さんなんで、簡単に教えてくれないので、聞く力とか、考える力とか身についたんじゃないかなと。
自分が島外に出てないのでそうじゃないと言われるかもしれませんけど。こっちで感じたのは、そういうことでしたね。
ナカザワ:
実際戻ってきて、海士町にいて良かったですか。
アマジン:
良かったな、うん。結婚もできたし、子どももできたし、って思いますけど、わかんないですね。実際出たらなんか、気持ちが変わるかもしれません。でも今のところは、戻ってきてよかったなと思います。
ナカザワ:
言わせてないですか。大丈夫ですか。
アマジン:
大丈夫です。あの、あんまりちゃんと考えたことなかったなって。
未来:若手が頑張ってる、俺が頑張ってる姿を見てもらって、将来こういうふうになりたいなって、少しでも、思ってもらえればいいかなと思いますね。
ナカザワ:
将来の話も聞きたいなと思うんですけど、これからどういうふうに生きたいとか、これをやるまでは死ねないみたいなことってありますか。
アマジン:
今のところ独立しか考えてないですね。長い目で見たことないですね。あとは、新事業とか新しいこととか、できたらいいなって思うかな。
ナカザワ:
新事業というのは例えばどういうことですか。
アマジン:
こっちに、製材所、材木屋さんがないので、海士の木で材料を作って販売とか。あとね、みんなが工作できるようなスペースを作って、みんなで楽しめるようなことやってみたいなとは思いますね。
ナカザワ:
どういうきっかけでそういう事業をやりたいと思ったんですか。
アマジン:
そういうのを思い始めたのは最近です。海士の未来共創基金とかに応募して何かやらないか、ってすごく奥さんに言われるんですよ。
海士町未来共創基金(海士町未来投資委員会)
アマジン:
奥さんはそういう仕事してて。海士の木材が切ったら切りっぱなしの状態だからそれを活用できたらいいよね、みたいな。確かにそうだねって思ったのがきっかけですね。
ナカザワ:
奥様は島の方ですか。
アマジン:
外ですね。Iターンで。
ナカザワ:
外から来た方と関わる機会は多いんですか。
アマジン:
嫁さんと交際し始めてからIターンの人と交流するようになりましたよね。元々何かIターンの人はあんまり得意じゃない方だったので、なんか、変えさせられましたね。いい方向に。
ナカザワ:
なるほど、いい方向だったんですね。
アマジン:
そうですね。単純にいろんな考えを持ってるなって。新しい情報とか、こういうことを思ってんだとか。そうかやっぱそこが一番かな。
ナカザワ:
挑戦してみたら、と言われてどうでした?
アマジン:
確かにいいなとは思いますけどね、やっぱり一歩が出ないですね、なかなか。やりたいっていう気持ちはあるんですけど。
ナカザワ:
実際に独立するとか、新事業をやるときに、阻んでいるものはありますか。
アマジン:
やっぱり、会社を辞めるっていうのはすごく大きな決断というか、田舎なんで、辞めたあとも、うまくそこの会社と付き合っていかないといけないし。そういう面倒くささがありますよね。
都会だと辞めたらまあいっかみたいな、それで終わるんですけど、やっぱり田舎は周りの目とかありますから。
ナカザワ:
そこをうまくクリアして、いい関係性のまま、独立できたら。
アマジン:
いやもう、そこが一番です。
ナカザワ:
島の話をたくさんしてくださってたと思うんですけど、もし、ここで生まれてなかったらどうなってたと思いますか。
アマジン:
いや、でも多分大工さんしてると思いますよ。そんなに、やることは変わってなさそう。
ナカザワ:
どこで育っても。
アマジン:
うん、と思うけど。ものづくりはしたいですね。
ナカザワ:
ものづくりは結構身近だったんですか。
アマジン:
よく父の仕事を見に行ってたんで、ものづくり自体は身近ではないけど、見るのが多かったんで、やってみたいとか思ってました。楽しそうだな、みたいに。
ナカザワ:
大工さんの仕事は面白いですか。
アマジン:
面白いですね。仕事自体はね。
やっぱりできるようになると楽しいですね。できるようになったっていう実感があるので。わかんないことがわかるようになると楽しいですよね。
全部の職業そうなんだろうけど、できなかったことができるようになると楽しいですよ。ものづくりって多分、はっきりしてるんで、わからないなりにやってみて、できなくて、また挑戦して、できるようになって、覚えて、覚えたときが楽しい。
できないことはまだまだたくさんありますし。今ちょうどやってるんですけど、和室ができるようになればさらに楽しくなるなって思ってますね。
ナカザワ:
和室の方が難しいんですか。
アマジン:
難しいです。表に出てくる仕事が多いので。なので失敗ができないっていうか、木と木が綺麗にくっついてないといけない仕事が多い。隙間が開いちゃいけないし、神経使うような仕事なので。大工さんは和室ができて一人前と言われてて。
ナカザワ:
最近和室を作る機会って減ってそうですよね。
アマジン:
そうですね、和室を作る家は減ってるって言いますね。
ナカザワ:
ものづくりの楽しさはどういうところですか。
アマジン:
やっぱり形に残るので。
なんかね、将来子どもに、これお父さんが作ったんだよとか言えるじゃないですか。地図に載るとまでは言わないですけど、なんか形に残るものっていいなと思うんですよね。
ナカザワ:
お子さんに、どんなものをお父さんがつくったんだよって見せたいですか。
アマジン:
なんだろう、公共施設とか携われれば、ここやったんだよとか言いたいですね。
新庁舎もね、本当は海士の、地元の大工さんとか工務店とかの人を入れれば、もっといいのになってすごく思うんですけども。
ナカザワ:
今地元の業者さんじゃないんですね。
アマジン:
今は大手の業者ばっかりなんで、もったいないなって思って。海士の仕事なのに。それは別の話ですけど。
ナカザワ:
なるほど。お子さんにはどんな海士町をのこしたいですか。
アマジン:
今より活気ある海士町を残していきたいっていうか。今も活気はありますけど、若手がもっと活躍できるような海士町であってほしいですね。
やっぱね、今の世の中、年配の人の意見が通ってしまうのが、メインなんですけど、そうじゃなく若手がもっと盛り上げていけるような環境作りを今からしてって、それが息子の時代まで残ってくれれば、いいかなと思いますね。
なんかもっと、表舞台に立てるようになりたいんで。やっぱ表に立たないと、大工さんってこんなに楽しいなとかっていうのを伝えられない。それ含めやっぱり独立して、若手が頑張ってる、俺が頑張ってる姿を見てもらって、将来こういうふうになりたいなって、少しでも、思ってもらえればいいかなと思いますね。
ナカザワ:
前に出るっているのは、目立ちたいっていうのとは少し違いますか。
アマジン:
そうですね、スポットライトを浴びたいわけでもないというか。頑張ってるなって言われたいです。めちゃめちゃ目立ちたいっていうわけじゃないっすよ。矛盾しているかもしれないですけど。
ナカザワ:
ありがとうございます。いろいろ聞いてきたんですけど、こういうこと喋りたかったとか、喋りたりないこととかありますか。
アマジン:
なんか全部話したって感じですけどね。
喋ること得意じゃないので、今日はいっぱい喋ったっていう気がします。
ナカザワ:
何日分ぐらい喋りましたか。
アマジン:
もう2日分とかじゃないすか。
ナカザワ:
大工さんってあんまり喋らなそうですよね。
アマジン:
喋らないですね。仕事中は。
過去+未来:海士だと自分のやりたいことがやれるというか、やりやすい環境ではあると思う
ナカザワ:
私はたまたまアマジンさんと年も近いし、すごく田舎で育って、それこそいつ外に出るかとか、そういうことに悩む機会は多かったんですけど、アマジンさんは進路とかあまり悩まなかったっておっしゃってましたよね。
アマジン:
そうですね、迷ってないですね。
ナカザワ:
選択肢がいっぱいあったら迷ってたんでしょうか。
アマジン:
かもしれないですね。
ナカザワ:
アマジンさんにとっては、生まれた場所に一番近い高校に行くことが一番自然だったんですか。
アマジン:
ですね、昔からそうですよ、海士は。中学校がこっちなんで、そのままこっちに高校があるから、わざわざ出なくていいやみたいな。それがほとんどですよ。高校でやりたいことを見つけて、島外に旅立つっていうのが、順序としてありますね。
ナカザワ:
アマジンさんも、1回旅立ったけど戻ってきた。
アマジン:
そうですね。逆に、向こうで仕事してる人、島から出て仕事してる人は、なんか、自分のやりたいことやってんのかなってすごい思いますね。単純に仕事してますみたいなふうにしか見えないんで。 同級生とか見て、やりたいことやってんのかなこの人、みたいな。
ナカザワ:
島の人と島から出ている人って何か違うんですか。
アマジン:
やっぱりインスタとか見たりすると、普通に仕事して普通に帰宅して、寝ての繰り返しとか。自分のやりたいことをやれてんのかなって。
仕事もそうですけど、息抜きとかそういうのはやりたいことはできるかもしれませんけど、仕事の面に関しては、それ別にやりたいことじゃないでしょって思っちゃいます。
ナカザワ:
なんでそう思うんですか。
アマジン:
なんでなんだろうな。海士にいるからこそ感じちゃうかもしれないですね。なんか海士だと自分のやりたいことがやれるというか、やりやすい環境ではあると思うんで、自分も独立してやりたいことやれるような環境なんで。海士だからこそ、そう思うのかもしれませんね。
ナカザワ:
やりたいことやれてるのかなっていうのは、やろうと思ったらできるのかどうか、っていう意味ですか。
アマジン:
ですね、それもあります。田舎だからこそ縛りなくできるんじゃないって思いますけども。
ナカザワ:
田舎には縛りがない。
アマジン:
うまく会社を辞めるっていうのはありますけどね。
けどまあ、やりたいことやればいいじゃん、っていうことを言ってくれる人、最近かもしれないですけど増えてるような気がするんで。やりたいことをやりやすいと思います。そこはすごく強く思いますね。
どうなんだろう、まだ自分ができてないから、本当は難しいのかもしれないですけど。
未来共創基金もそうですけど、そういう支援とか手助けしてくれるようなものもあるし。逆にどうですか、都会の方は。
ナカザワ:
私は少なくとも、応援してもらえてるとか、やりたいことを叶えやすい場所に住んでるって思ったことはないです。なので、ちょっと新鮮な感じがしました。
海士町だからなのか、アマジンさんの素質なのかもしれないし。
アマジン:
じつは普通じゃないかもしれないですね。多分ここだからだと思うけど、わかんないですね。
何回か海士町に来たら多分、言ってることわかるなって思うと思うけどな。
ナカザワ:
どういうところに触れるとわかりそうですか。
アマジン:
普通に地元の人と関わってもらえれば。
ナカザワ:
挑戦したらできるとやりたいことやれそう、っていうのは、外から来た人も中の人も同じですか。
アマジン:
外から来た人の方が多分感じやすいと思うんですよ。
町内の人はやっぱりどうしても引っ込み思案というんですか、挑戦したいんだけどなかなか。そういう場面に慣れてないだけなんだろうけど。やっぱり奥さんの話とか聞いて考え方が変わったんで、自分も挑戦したいなとか。
でも、町内の人も、したいことはたくさんあると思いますよ、絶対。言わないだけで。
言っちゃうと、応援しますけど、違うところで「どうせ」とか「やっても、うまくいかないよ」、みたいなのはちょっとあるんで。そっちに引っ張られやすいんですよ、町内の人は。こっち側、サポートしてくれる側の人の意見に慣れちゃえば、もっと活躍できるけど。
ナカザワ:
島内の人から見てどう見えてるんだろうとか、ちょっと気になってて。結構外の人が多いじゃないですか。人口に対して、外の人がめちゃくちゃ多いから。
アマジン:
別に悪い方向には思ってはないです。今回もこうやって、表舞台に立つ第1のステップじゃないんですけど、こういうインタビューに出て自分を発信することができて、よかったです。
ナカザワ:
ありがとうございます。
あとがき
インタビュー時間、1時間取れないかもしれないです、と言われていたのにも関わらず、結局1時間ほどお付き合いいただきました。ありがとうございます!
最後は会話みたいになってしまった(ナカザワも質問されていた)のですが、ここでも大事なことをお話してくださったので、最後にくっつけさせていただきました。外から来た人こそ、やりたいことがやれると実感する場所なんてそうそうないですよね。しかもそれを内側の人の口から聞ける。
海士の旅で出会った海士の人々は、堅牢な強さではなくしなやかな強さを感じる人ばかりでした。傘の骨だって、マイクロファイバーのほうが金属製より強い。曲がるほうが衝撃を逃がせるから。
心が柔らかくて、生命力が強い人がたくさんいます。
「この町の魅力は何ですか?」「人です」
は地方あるあるだと思っていますが、そうなんですよ。そうとしか言えない。
今回会ったのは比較的島の中と外を行き来している人たちだったので余計そう思ったのかもしれません。Iターンの方、Iターンの方と一緒に時間を過ごしている方など、島という一般的には閉ざされる環境で、こんなにも境界線をかき混ぜる人たちがいる。
単なる田舎とか都会とか島とか、ジャンルではなく海士というひとつの不思議な場所でした。
夢のある人は、ぜひ海士町へ。
【インタビュー・編集・あとがき:ナカザワアヤミ】
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この記事は「無名人イン旅ューin海士町」で実施したインタビューです。
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