《雑貨屋ひとりごと》【天職だと感じた瞬間】真夜中の発送作業
雑貨屋をやりたいなんて考えたこともなかった。
「いつか喫茶店をやりたい」とは思っていたから、家を建てて一角でカフェをはじめたのは自分の中では自然なことだった。でも・・
まさか雑貨屋になるなんて。
カフェを開いてみたものの、お客さんは来ない。
暇な時間を使ってネットショップを立ち上げたのは2004年2月。
当時はネットショップが少なかったから、人気作家さんのうつわは売れた。
数ヶ月に1回、人気作家さんの商品が入ったときは、メールマガジンで事前に予告した上で夜9時に販売スタートすることが多かった。
多くのひとがパソコンの前にスタンバイできる時間で、わたしも家事を片付けて準備ができる時間。9時ピッタリにアップ。
自分の都合のいい時間にアップしようものならクレームが入った。
商品の数が30点くらいだったから、30分もしないで完売。
ここからの作業はほとんどが夜中だった。
家族が寝静まってからのほうが昼間より集中できたし、少しでも早く作業を進めたかった。予告販売の日は夜中3時頃まで仕事していた。
「ポットのご注文ありがとうございます。マグカップは完売ですみません」
「今回の角皿かわいいですよね~」
うつわ好きのお客さまとのメールのやり取りは楽しい。つい長くなる。
お礼メールを一通り送ったら、カウンターに商品を仕分けして、ラッピングして、梱包。黙々と作業をしていたとき
「あれ?楽しい」「この仕事好き」「なにこれ」
って不思議な瞬間があったこと、今でもよく覚えている。
接客は好きだけど事務とか裏方仕事は好きじゃないわたし。
夜中に仕事するなんてありえないって思っていた。
梱包作業なんて苦手なハズなのに・・
「うわこの仕事、天職かもしれない」
そう思った瞬間、それまでの人とのご縁や「なんでこんなことやっているんだろう」って思っていた仕事や経験が、パズルのピースが合わさるように一斉にカチカチとつながった。
「あのバイトをしたおかげで、あのひととつながって、そのおかげで・・」
みたいな。ビックリした。
「この仕事」っていうのは雑貨屋とかうつわ屋ってことじゃない。
「必要なひとに必要なものを届ける仕事」
「探しているひとのために良いものを見つける仕事」
とでもいうのか。
自分のセレクトをお客さんが喜んでくれることがうれしい。
今もこうして続けていることがありがたい。本当に有り難い。
シアワセな仕事。