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大学授業一歩前(第147講)

はじめに

 今回はTwitterで長らくご活躍なさっていらっしゃる哲学者コウ・メダユー様に記事を寄稿して頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。是非、今回もご一読下さいませ。

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A:哲学者コウ・メダユーと申します。芸人であるコウメ太夫氏の「まいにちチクショー」を哲学・思想などの観点から解説しています。

オススメの過ごし方

Q:大学生にオススメの過ごし方を教えてください。

A:好きなことをやる+読書です。大学生の間は、好きなことや趣味に全力で打ち込める期間です、全力で興味の向いた方向に向かいましょう。また、「自由な読書」が出来る期間でもあります。学部を卒業すると「幅広い読書」をすることがなくなってしまうかもしれません。普段読まないような分野の入門書などを手に取って、読んでみるのもよいかもしれません。
 この2つの事をしていると、「読書」によって身に着けた知識がふと、「好きなこと」と結びつくことがあります。読書によって身に着けた知識や教養は、自分自身の趣味を理解する一助になるかもしれません。

必須の能力

Q:大学生に必須の能力を教えてください。

A:「考え続ける」ということです。先ほど、「趣味に全力で打ち込む」と言いましたが、ただ思考を停止して快楽に身を任せていてもいけません。自分を取り巻くありとあらゆることを、常に問い続けなければなりません。人間は「考える葦」なのです。

学ぶことの意義

Q:ご自身にとっての学ぶことの意義を教えてください。

A:より「多角的に世界を見ることができるようになる」ことだと思っています。世界は、とてつもなく複雑です。その世界の「複雑さ」を把握することに、「学ぶこと」の意義があると思います。教養は、世界の解像度を上げるためにあるのです。

オススメの一冊

Q:オススメの一冊を教えてください。

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A:石田英敬『現代思想の教科書 世界を考える知の地平15章 』(ちくま学芸文庫、2010年)です。イメージと記号、ナショナリズムと国家、無意識、ジェンダーなどなど…様々な「現代」を取り巻く諸状況を理解する一助になるかと思います。
 この本に限らず、文化人類学や、哲学、宗教学、精神分析などなどの人文系の入門書は各分野かんたんに目を通しておくことをお勧めします。

メッセージ

Q:最後に大学生へのメッセージをお願いします。

A:「考え続けること」を大事にしてほしいです。
 現代では、SNSや匿名掲示板などで、人々は短絡的に、感情的に情報を拡散しています。しかし、一度立ち止まって欲しいのです。何が問題にされていて、問題を取り巻く諸状況はどのようになっているのか、一度立ち止まって問い続ける必要があります。
 現実社会は、あまりに複雑です。誰かの意見になんとなく追従するのでなく、自分自身の考えを確立してください。

おわりに

 今回はTwitterで長らくご活躍なさっていらっしゃる哲学者コウ・メダユー様に記事を寄稿して頂きました。お忙しい中ありがとうございました。お笑い芸人のコウメ太夫氏のネタを哲学的に解釈する際の議論の深さと面白さから、今回ご依頼をさせて頂きました。

 👆のnoteも是非、合わせてご一読下さいませ。次回もお楽しみに!!

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