大学授業一歩前(第121講)

はじめに

今回は公共政策学がご専門の杉谷和哉先生に記事を書いて頂きました。大変お忙しい中作成して頂きありがとうございます。是非、今回もご一読下さいませ。

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A:岩手県立大学で講師を務めている、杉谷和哉というものです。京都府立大学を卒業後、大学院で京都大学大学院に進学し、2021年4月より着任いたしました。専攻は公共政策学です。現在は、「エビデンスに基づく政策」という、政策を合理化する試みについて、理論的な側面を踏まえつつ、実際のケース等を参照して研究を進めています。2022年3月には博士論文をもとにした単著を出版する予定です。

オススメの過ごし方

Q:大学生にオススメの過ごし方を教えて下さい。

A:私は大学院に進学してから七年間、京都大学吉田寮という自治寮に住んでいました。そこでは様々な学生と出会い、色々な社会運動とかかわる機会を得ることができました。夜遅くまで皆で遊んだりもしました。勉強と同時に、自分が知らない世界にも躊躇なく飛び込んでほしいと思います。

必須の能力

Q:大学生に必須の能力

A:学生の頃は、ちょっとした失敗も許されるものです。私も偉い人の前でたくさんの失敗をしてきましたが、何となく許されてきました。多少の粗相は恐れず(しっかり反省するのは大事)、色々なところに出かけていくフットワークの軽さが大事と思います。

学ぶ意義

Q:先生にとっての学ぶ意義を教えてください。

A:政治や政策について、別の角度から見る知見を身につけることにあると思います。政治学や公共政策学を専攻していても、正しい政治判断ができるとは限りませんし、私も失敗してばかりです。しかし、そういった即物的な成果にとどまらない豊かにこそ、学問の意義があると思っています。

オススメの一冊

Q:オススメの一冊を教えてください。

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A:石橋章市朗ほか『公共政策学』(ミネルヴァ書房、2018年)です。
私も授業で使っている公共政策学のテキストです。体系的に公共政策学の知見を学ぶことのできる内容で、この分野に関心のある人はもちろんのこと、公務員などを進路に考えている人も手にとってみるとよいかと思います。

Q:最後に学生へのメッセージをお願いします。

A:動画などを通じて、相手を叩きのめして嘲笑することを「議論」だと思っている人が多いように思います。それらは手続きだけみれば「学問」に似ていますが、立脚している信念は全く違います。学問をする上で必要なのは相手への敬意です。これは生きていく作法でもあります。しばしば忘れがちなことですが、お互いに大事にしていきましょう。

おわりに

今回は公共政策学がご専門の杉谷和哉先生に記事を書いて頂きました。大変お忙しい中作成して頂きありがとうございました。

学問をする上で必要なのは相手への敬意です。これは生きていく作法でもあります。

私も学ぶ上で、本当に多くの方に直接的、間接的にお世話になっております。独学でも、本から学ぶ点では著者の力をお借りになっていると考えることも出来ると思います。まさに、学ぶことは常に相手への敬意を持ち続ける姿勢でもあると実感しております。次回もお楽しみに!!


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