イオンを創った女 小嶋千鶴子
イオンを創った女 小嶋千鶴子
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☞こんな人におすすめ
本書は、イオンを支えた小嶋千鶴子さんの考え方や生き方が、これまでの事業のエピソードを通して具体的に書かれています。なので、特に自分の生き方にモヤモヤしてる方に読んでいただきたい1冊です。
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小嶋さんは、若くして両親と姉を亡くし、23歳で両親が経営していた岡田屋を継ぎました。その後、岡田屋→ジャスコ→イオングループへと育て上げた敏腕経営者です。
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小嶋さんを一言で表すと、社内教育の先駆者で、人間のお手本のような人だなと感じました。
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☞社内教育の先駆者
小嶋さんは、会社のチェーン化を目指すにあたり、人材教育(特に女性社員)に力を入れました。日曜に休めない女性店員のために、就業後「お茶」や「お花」を習わせたそうです。これは花嫁修業だったようです。また、後にジャスコ大学を設立しています。
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また、1971年に既に現代でも通用する働き方改革を実施しています。業務計画に合わせて休暇を本人が申告する制度や、フレックスの導入を実施しています。時代を読む力がすごい方だなと思いました。
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☞小嶋さんのよくする問い
小嶋さんがよく社員に投げかけていた質問が3つあります。
①自分の教育にどれだけお金を使っているか
②貯蓄はあるのか
③将来に向けてどのような準備をしているか
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3つの質問から、人間には学びがとても大切で、自分が人生をかけてやりたいことを考え続けないといけないんだなと思いました。
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小嶋さん自身も、会社にとっての1番の害は会社に居続けることと考えていたので、60歳で役員を退任して、73歳ごろから陶芸を始めました。それから14年後には美術館パラタミュージアムを設立しています。何歳から始めても遅くないことを証明してくれています。
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また、退職してからの人生の生活費や退職後の過ごし方についても常に社員に声をかけていたそうです。小嶋さんもずっと退職後にやりたいことを考えていて、実際に退職後に好きなだけ陶芸をできたのも、将来を考えて行動してきたからなのだと思います。
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そして、健康にも人一倍気を遣っていた方で、自分をマネジメントできない人は会社のトップに値しないと考えていたようです。
自分の生活習慣をコントロールできないと、仕事のコントロールも難しいということなのでしょう。
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☞小嶋さんが戦争を通して学んだこと
①情報の大切さ
②実行すること
③危機に備え準備すること
小嶋さんは、いろんな情報をもとに、戦争によって銀行からお金を引き出せなくなると考え予め引き出しておきました。そのおかげで事業が進められたそうです。
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これは現代にも当てはまると思いました。誰でも簡単に情報を手に入れられる時代だからこそ、正しい情報を得ること、そして得た情報をもとに危機に備えてやってみることが大切だそうです。
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日本が、世界がこれからどんな時代になっていくのか情報を得て、それに備える努力をすることが必要なんだなと思いました。
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☞数をこなすと質に変化する
小嶋さんも陶芸をやるにあたり、たくさんの作品を見たそうです。たくさん見ることによって良い悪いがわかるようになると。キングコング西野さんも同じようなことを言っていました。質を求める前に、量と向き合いなさいと。量から逃げてはいけないので、僕も毎日1歩ずつこなしていきたいと思います。一流のプロは小さなことを疎かにしないで密かに続けています。そのくらい1歩の積み重ねが大切なんですね。
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最後に、小嶋さんの言葉を引用します。
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「まずは決心すること、見聞を広げること、実行に手をかすこと、自分の意思で参加すること。社会を変えるためには自分自身を変えることから始めなくてはならない。」
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何事も決心から始まるんだなと改めて実感しています。まずは決心。僕も読書の良さを伝えていきます。