夏、あるいは(書き止し)
もうすぐ夏が来る。来てしまう。
そうやってなんだか今から憂鬱になってしまうのは、まあ当然嫌になるほど暑いからというのもあるが、わたしが虫を嫌いだからだ。気にしていたら生きていけないくらいの、そんな小さな羽虫でさえ許せない。やたらめったらに虫全般が嫌いなのである。
わたしの自室は2階にある。
本来の役割としては一軒家の主寝室であるので、一人部屋としてはそこそこ広いのだろう。窓は二つ、南向きと西向きにそれぞれ備わっている。
太陽により近い方が暑いのだから、夏は当然1階よりも暑い。扉は開いているはずなのにむわっとした空気がこもっていて、じめじめむしむしする。なぜだろうか、と空とぼけたようなことを思いもするが、まあ理由は分かっている。窓を開けていないからだ。
ここで冒頭で述べたことに戻る。
わたしは虫が嫌いである。虫というのは、家喰い虫とか、忌々しい黒いアイツでもなければ、たいていは外から入ってくるものである。
そこでわたしは考えた。
家の扉は家族皆が出入りするもので、わたし一人が神経を張ってもどうしようもないだろう。そうなってくると、とにかく窓を開けさえしなければいいのではないか?
~こののち、夏の暑さや虫に対する奮闘パート~
あとがき
なお、今年はいままではなかったなんか窓に貼る虫よけのやつがあったのでずいぶん虫を気にせず窓を開けることができ、例年よりもずっと快適に過ごせたように思う。
しかしながら、夏に悩まされなかった分、秋にわたしはカメムシと人生においてほとんど初めて格闘するハメになったのであった――。
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