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映画部コラム

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U-NEXT映画部メンバーがリレー形式でお送りするコラムです。
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2020年代前半の映画市場は「邦高洋低」に終始(映連データを読み解く2025ver.)

2020年代前半の映画市場は「邦高洋低」に終始(映連データを読み解く2025ver.)

U-NEXT映画部の林です。今回は年1のマジメ企画。映連から2024年の映画概況データが発表されましたので、この数字から気づいたことをまとめていきます。

意地の2000億円台到達

コロナ前の10年間(2010-19年)の水準(平均2163億円)には及びませんでしたが、2024年の年間興収は2069億円となりました。秋の不調から一時は2000億円到達が危ぶまれた中で、なんとか3年連続で大台に乗せ

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最近ふれた好きなものと、たのしみにしている好きなものを語る回

最近ふれた好きなものと、たのしみにしている好きなものを語る回

こんにちは、U-NEXT映画部の清武です。
まだまだ気持ちは「あけましておめでとうございます!」ですが、カレンダーは「違う違う」と言っています。ひどいです。

自己紹介という明確な話題があった前回の投稿に対し、今回は何でも書いて良い第2回目の投稿…何でも書いて良いとなると逆に困ってしまう…いやいや、なんでもいいならすべてを書いてしまえ…!ということで、今回は「最近ふれた好きなものと、たのしみにして

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イーストウッド流ミニマルな美意識の源流をたどってみたい。映画『陪審員2番』と映画本『クリント・イーストウッド 気高き〈アメリカ〉の放浪者』で思ったこと。

イーストウッド流ミニマルな美意識の源流をたどってみたい。映画『陪審員2番』と映画本『クリント・イーストウッド 気高き〈アメリカ〉の放浪者』で思ったこと。

映画部の宮嶋です。

大学時代に養老孟司先生のレクチャーを聴いたことがありまして、その時に「皆さん若いから“個性が生かせる仕事につきたい”とかおっしゃるけど、個性とか“自分らしさ”ってものは、身体です。身体からくるものです」とおっしゃっていて、ボンヤリした学生だった私は「なるほど、そっかぁ、そんなものかぁ」と、ちょっとがっかりしたような、安心したような気持ちになったものです。とはいえそう考えると、

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ここが映画ファンの終着駅。香ばしさ極まる未公開洋画2024年TOP10発表!

ここが映画ファンの終着駅。香ばしさ極まる未公開洋画2024年TOP10発表!

U-NEXT映画部・林です。様々なジャンルの年間ランキングが発表され、「ああ、あれ観てなかった、これ読んでなかった」と年末年始の総ざらい用に確認する季節になりました。U-NEXTの年間総合ランキングもぜひこちらでチェックを!

ということで、本noteでは毎年恒例! 日本全国4000万のB級(Z級)映画ファンの皆様お待たせしました。未公開洋画の年間TOP10発表のお時間です!

念の為おさらいしま

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最近と年末にむけての個人的カルチャー&エンタメ活動、箇条書き。

最近と年末にむけての個人的カルチャー&エンタメ活動、箇条書き。

年末進行ですよね大丈夫ですか、忙しいですか?…っていう時候のあいさつにドキドキヒヤヒヤする季節です。大丈夫だと思うけれど、うっかり何かが大丈夫じゃないかもしれない(怖)…と毎回震えている映画部の宮嶋です。

とはいえ前回の私のnote当番が10月後半。1カ月半ありましたので、震えながらもその間に触れていたカルチャー・エンタメまわりの記録と、12月の後半に楽しみにしていることを箇条書きでしたためてみ

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【自己紹介】映画部、新人入りました

【自己紹介】映画部、新人入りました

0, はじめに

映画部noteの読者の皆様、はじめまして。
U-NEXT映画部に最近入った新人こと、清武です。
今回ははじめましてのnote投稿ということで、自己紹介回です。
どうぞ最後までお付き合いください!

1, わたしの映画史

note投稿の担当になったものの、さて何を書こう?ということで、先輩方の初回のnoteをよみよみ。わたしも、どんな映画ライフを送ってきたか?振り返りつつ書いてみ

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U-NEXTで予習&復習してから劇場へ!注目の年末公開映画たち

U-NEXTで予習&復習してから劇場へ!注目の年末公開映画たち

U-NEXT映画部の林です。2024年も残すところ2ヶ月。映画業界はGWに並ぶ書き入れ時、年末興行に突入していきます。今回はそんな11~12月公開映画の中で、U-NEXTでの予習&復習が捗る作品たちをご紹介します。

まずは、U-NEXTが製作に名を連ねた2本から。企画・脚本段階から参画した自信作です。どちらもメイキングやインタビューを収録した「エピソード0」を配信開始しましたので、ぜひ予習教材と

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目先ではなく、長い目で見ること、続けることの大切さを改めて思う

目先ではなく、長い目で見ること、続けることの大切さを改めて思う

フランスでは、ミニシアターの観客の半数以上が35歳未満だそうです。さらには、3歳から14歳の子どもが全体の15~20%を占めているとのこと。日本とのあまりの違いに驚きました。U-NEXT映画部の林です。

上のデータは、私も登壇させていただいた「全国コミュニティシネマ会議2024」の中で語られていたことです。日本のミニシアターにはあまり子どもの姿を見かけないし、お客さんの結構な比率を中高年層が占め

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最近の私的“みっけもの”。映画、映画、ドキュメンタリー映画、映画本。

最近の私的“みっけもの”。映画、映画、ドキュメンタリー映画、映画本。

9月までは結構暑い、っていうことは知ってた。でも暑すぎやしませんか、今年!先日NHK「クローズアップ現代」(U-NEXTでも配信中)で「気候変動関連死」について採りあげられていて、本当にいのちに関わるところまで来ちゃったのかぁ、と。ここで踏みとどまって、われわれの“暑いけれど楽しい夏”と地球の未来を守っていきたいものです。映画部の宮嶋です。

そんなわけで暑すぎてあまり活動的になれていなかったりも

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雑誌と映像で掘りまくる!U-NEXT的欧州サッカーの楽しみ方

雑誌と映像で掘りまくる!U-NEXT的欧州サッカーの楽しみ方

今年も欧州サッカーが開幕しました。U-NEXT映画部の林です。25年来のアーセナルファンである自分にとって、今年はかなり特別な開幕です。プレミアリーグとU-NEXTが7年間のパートナーシップ契約を締結。独占配信が始まったのです。

自社とプレミアのロゴが並んでいる…。なんてことでしょう。もちろんU-NEXTでは、引き続きラ・リーガ1部も全試合配信します!

大学時代からこれまで様々なサービスにお世

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この映画を部屋に飾りたい。画面デザイン偏愛映画2024夏。(その前にちょっとだけ歌舞伎の話で失礼します)

この映画を部屋に飾りたい。画面デザイン偏愛映画2024夏。(その前にちょっとだけ歌舞伎の話で失礼します)

学生時代から京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズ(またの名を京極堂シリーズ)のファンでして、一方で、小学校の時に母親に手を引かれて「親子で楽しむ歌舞伎鑑賞教室」に行って以来歌舞伎が大好きでして。そして今この時、この8月!歌舞伎座では京極夏彦作・新作歌舞伎『狐花 葉不見冥府路行』が掛かっております!!!! まさに推しと推しが繋がったってやつです。感無量です。もちろん行きました。ひたすらに耽美でおぞましく(

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この8月におうちで観たい映画たち

この8月におうちで観たい映画たち

今年も40℃の季節。「暑い」という言葉は、もはや何も言ってないのと同じなので、あまり使わなくなりました。U-NEXT映画部・林です。

こんな時には、家で映画を観るのが一番!特にまだまだ休みが続く学生の皆さんは、まとめてひとつのジャンルやひとりの映画監督をやっつけるのに最高のチャンスです。

そこで今回は、U-NEXTがご用意した1000を超える映画特集の中から、この8月にオススメのものをご紹介し

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劇団☆新感線が「邦画」と「舞台・演劇」ジャンルにやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

劇団☆新感線が「邦画」と「舞台・演劇」ジャンルにやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

嬉しさのあまり勢いでビートルズの名盤を雑にオマージュしてしまいましたが、この「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の部分、さっぱり意味が分からないのに喜びが伝わってきて最高ですよね。映画部の宮嶋です。

私にとってはそのくらい嬉しい出来事ということです、劇団☆新感線さんとのお取り組み!エンタメ好きならご存じの、超人気劇団「劇団☆新感線」。

映画好きならきっとご存じの「ゲキ×シネ」。新感線さんの作品を20台もの高

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無駄に悲しくなってしまわないように『PERFECT DAYS』を観る

無駄に悲しくなってしまわないように『PERFECT DAYS』を観る

U-NEXT映画部・林です。唐突ですが、人間って油断すると、どこまででも悲しくなれる生き物です。その気になれば、自分の人生のすべてを、いくらでも悲観し絶望することができる。その悲しみをもって内に向き続ければどんどん危うい精神状態になるし、悲しみの刃がひとたび外に向けばどんどん他罰的になってしまう。悲しくなる方向に突き進むのはいいことではないので、どこかでブレーキをかける必要があります。

例えば僕

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