
梅雨入り前 お泊りの旅 ~無限煩悩編~
部屋で一息ついて、混み始める前に本日の夕食会場へ参ります。
今は、天ぷら、寿司、すき焼き、果てはもんじゃ焼きまで、円安に後押しされて、インバウンド客がどっと押し寄せています。
その中で、客層が変わりにくいジャンルが、洋食・・・かも。
長い歴史の中で、明らかにフレンチやイタリアンと一線を画す、見た目は和食ではないのですが、明らかに日本での独自進化を遂げたジャンルではないでしょうか。
そして、食べ慣れているから、どんな風味がするかだいたい想像がつく。
だから安心して食べられる。外国人にはその良さがわかりにくいのかもしれません。
神谷バー2階のレストランカミヤ
伝統のオリジナルカクテル「デンキブラン」で誰もが知る老舗中の老舗「神谷バー」。
1Fのバーは食券制で、追加注文を繰り返す私には面倒くさくて行かないのですが、2Fのレストランカミヤは昔のデパートによくあった、洋食レストランになっています。
オーダーはスマホからでOK。スマホがイヤな方は昔ながらの対面オーダーもできます。我が家は心置きなく追加注文できるスマホオーダー一択です。

右上はデンキブラン オールド
度数高めのドライな飲み口、キックも強い

奥はウスターソース風味のジャーマンポテト

骨付きハム料理として見てみると、日本で指折りかもしれない逸品
スモークされた風味、脂の入り方、たっぷりかけられた和風ソース
こんなに旨いハム料理はあるのか、1皿ではとても足りない

薄めのサックサクカツと野菜の溶け込んだカレーソースが良く合う
ちまちまシェアなんかせず、一人一皿いく!
粉チーズの味変もよろしい
さて、ランドマークのひとつとして浅草をけん引してきた神谷バーですが、ひとつ気がかりなことが。
数年前まで、この店は1Fが神谷バー、2Fがレストランカミヤ、3Fが割烹神谷でした。
特に3Fの割烹は天ぷらや豆腐料理など、江戸前料理が楽しめそうな雰囲気で、そのうち訪れてみようと思っていたら、少しずつメニューが整理され始め、いつのまにか休業していました。コロナ禍を経た今も3Fは閉鎖されたまま。
そう、実は2Fのレストランカミヤもメニューが減っているのです。
浅草に寄った折、必ず行くようになってから30年以上が立ちましたが、以前はエスカベッシュ、ハヤシライス、チキンライス、アイスバインのほか、季節の一品料理がその都度提案されていて、おそらく今は往時の6~7割程度の品数になっていると思われます。

デミグラスソースつながりでビーフシチューを
諸物価と人件費高騰、人材不足、客層や嗜好の変化・・・原因はいくつか考えられます。とはいえ、大量のオーダーを短時間でこなし、リーズナブルな値段で、なにひとつ不満のない、堅実で真面目な洋食を出せる飲食店は、今の日本にそうないでしょう。
早い、うまい、ちょっと安い、そして楽しい
たまに、で良いので、復刻メニューなども揃えてもらって
いつまでも浅草1丁目1番地に残ってほしい名店です。
実は、これ以外にも飲み食いしているのですが、多すぎて載せられません。はぁ・・・無限の煩悩はすでに動き始めていたのでございます。
もう一押しするのがフツーです
少し買い物を楽しんだのち、一旦、ホテルに戻って作戦会議。
今が三社祭であるかどうかも関係なく、ひたすら二次会をどうするかに終始しました。
「まだ、宵の口である」
「何か、新たな店舗情報はあるのか?」
「この店はどうであろうか?新しい店であるが、評価も底堅いものがある」
「うむ、是非もあるまい」
今度は新仲見世へ移動し、最近できた粉モンの店へまいります。

ほぼ、満席でしたが、奥が深い店舗レイアウトなので、待ち時間ゼロで着席です
浅草は月島にも近く、そもそも同業店も溢れています。それぞれに特色ある看板メニューを押し出して、集客に励んでいますが、さて、ここのイチオシメニューはなんでしょう。
どうやら「カレー味」の粉モンのようですね。
たしかに、カレーなら・・・さっき食べたじゃん。
「わーった、わーった、いきますよ!カレーチーズもんじゃ!」

やさしいお姉さんが丁寧に焼いてくれます
焼いてくれているお姉さんとしばし会話。
♂「いつからここで焼いてるの?」
♀「開店時からのスターティングメンバーなんですよ」
♂「ほぉ」
♀「わたし、学生なんです、テレビでドラマとか制作したくって」
♂「でも、最近はテレビ以外に映像メディアっていろいろあるよね」
♀「そうなんですけど、テレビドラマならではのストーリーや映像ってあると思うんです」
♂「そのうち、AIとの戦いになるよ」
♀「そう思います」
♂「どうする?」
♀「教えてください」
♂「AIが知りえない、自分だけの事実を積み重ねていくこと・・・かな」
♀「そうかぁ、真似できないですもんね」
そんなこんなで、カレーチーズもんじゃの出来上がり。


こちらは出来上がってからのサーブ
「さ~て、今夜はもういいんじゃないのかな?」
「いや、まだカレーそばメシが・・・」
「それは、次回にしませう」
早くも店を出る前に、次回の浅草ツアーに向けた宿題ができたわけです。
新仲見世通りからホテルに向かって裏通りにはいると・・・
そういや、三社祭りだった


「違うんじゃないのかぁ?」

「バック、バック~」
偶然出会わせた山車が教習所の初心者よろしく、バックと前進を繰り返しながら車庫入れのような作業を繰り返していました。これは運行が難しそうです。
続いて現れたのは?



キツそうですが、笑顔が楽しそう!

根がものぐさ家族なので、あえて三社祭に絡まなかったのですが、さすが観音様と聖天様の功徳により、最後に路地裏でどどーんとお神輿の一行を引き合わせて、勇壮な練りを目前で披露してくれたのでした。
ホテルに戻ると、私は横になっていたのですが、家族はチューハイとあたりめで飲み直しておりました。
そういえば、浅草寺で引いたあなたたちのおみくじは、またまた凶が揃ったそうではないですか。
「楽しそうな凶でよろしいですわねぇ」
煩悩まみれの夜は、お囃子とともに更けていくのでした。
つづく