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うつと配慮

 前回、気軽に「配慮」という言葉を使ってしまいましたが、「配慮」っていったいなんでしょう? 
 今回はオープン就労をするときに避けては通れない「配慮」についてのお話です。


配慮とは?

読み方:はいりょ

配慮(はいりょ)とは、事情ふまえて気遣いこもった取り計らいをすることを意味する語である。主に文章改まった会話用いる、やや硬い漢語である。

「配」はくばる意、「慮」はおもんぱかることの意で、「配慮」は気づかい行き渡らせることを意味する

weblio辞書

 ネット辞書にはこう書いてありました。なんだか難しいですね。

 私が雑にまとめてしまいますと、「事情をふまえて気遣うこと」となります。
 この「事情をふまえて」というのがポイント。ただ気遣うことは「配慮」とは言いません。

 こちらからお願いするときは「私にはこういう事情があります。だから気遣ってくださいますか」という条件提示のようなものになります(配慮を求める、などと言いますね)

 でもここで難しいことが。
 「うつなんです、配慮してください」と言っても、普通の人には何を配慮していいのかわからないのです。
 うつ病の人も色々な人がいます。事情も人それぞれです。

 そこで大事なのが「自分の事情を自分で理解する」ことになります。これを「自己理解」と言います。

「自己理解」とは?

 就職活動などされたことがある人は一度は聞いたことがあるだろう言葉、「自己理解」。

 簡単に言えば自分のことを客観的に理解することなんですが、自分のことを客観的になんて簡単に理解できませんよね。

 なので、色々な自己理解セミナーとか自己理解本とか出ています。
 ただ、ここでお伝えしたいのは、就職のための自己理解ではなくて、病気のための自己理解です。

 たとえば、どんなときに落ち込みやすいのか。
 人と比べて何はできるけれども何はできないのか。

 私はお風呂に入れない+外出できないという「できない」を抱えています。
 逆に言えば、家での作業であれば、それなりに普通のことができるのです。

 また外出できないと言っても、かかりつけ医のもとまではたどり着けます。これは「病院に行くことに慣れた」「病院に行くまであまり人とすれ違わない」などの理由があります。

 これを組み合わせると「できればお家で過ごしたり、お仕事したりしたい」「でも通うのに慣れれば、外出も大丈夫かも」という条件ができあがります。

 そこで、私は就職先に上記の配慮をお願いしました。
 いわゆる完全在宅でのお仕事は私とマッチし、配慮をいただいて働くことができています。

配慮を伝える

「これを配慮してほしいんです」と伝えることは、自分の病気の症状を伝えることに似ています。

 うつというのはまだまだ理解してもらえない病気です。
 その中で「外に出かけるのが苦手だから、お喋りはオンラインでできないかな?」などと伝えるのは、勇気がいりますが自分も相手もドタキャンするよりはずっと気持ちが楽になるはずです。

 勿論、すべて相手に配慮してもらおうと丸投げはよくないです。
 前回も書きましたが「自衛」もとても大事です。

 たとえば、出かける日は直前ではなくできれば2週間前くらいに決めてほしいとお願いしたり。そのためにお風呂のスケジューリングを組んだり、頓服でちょっと気持ちを持ち上げたり。
 自分でできる精一杯は致しましょう。

 それでもできないときは「配慮」という形で相手に委ねます。
 「配慮」って相手を信用しているからこそできることでもあるんです。

 まずは、自分にとって苦手なこと、できないこと、落ち込むタイミングなどから考えていきましょう。
 自分を理解すれば、相手にも理解されやすくなります。

 自己理解はそれこそ一生続く作業です。
 すぐにわからなくても大丈夫。少しずつ、探していきましょうね。


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