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【朝の食欲不振と夜間の空腹】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、産前産後のむずむず脚症候群についてお伝えしました!今回は、朝の食欲不振と夜間の過食と睡眠の関係について考えていきます!
光への暴露とリズムのリセット
「朝は食欲がないから、朝食は抜いて1日2食しか食べません。」という相談を受けることがありますが、ここには睡眠に関わるリズムの乱れが関与している可能性があります。メラトニンリズムというメラトニンの分泌量の日内変動を表す生体リズムがあります。このメラトニンは、起床後14時間後から分泌量が増加していき、副交感神経の働きを促すことで深い眠りへと誘います。このメラトニンの分泌量は光への暴露量によって変動し、日中は網膜を通して伝わった光の強さと量によってセロトニンホルモンが分泌されます。夜間になって光への暴露量の減少を感知するとセロトニンを原料にメラトニンが合成されます。
光の強さは、太陽の光が圧倒的に強く、晴天で10万ルクス、雨の日でも1000ルクスの明るさを放っています。朝から十分に光に当たることで、体内時計はリセットされてスタートします。それが毎日繰り返されることでリズムは安定します。1日を通しての光への暴露量によってもホルモン分泌に影響があることが報告されており、窓のあるオフィスに比べて、窓のないオフィスで働く女性では、夜間のコルチゾール分泌が多く、メラトニンの分泌量が少なくなって睡眠の質が低下したようです。一般家庭のリビングの照明でおよそ300ルクス、オフィスの照明でも500ルクスほどです。ちなみにコンビニは1000ルクス程度あるそうです。
そして、夜間の光への暴露も重要です。太陽の光がなくなると、満月の日でも0.1ルクスほどの明るさしかありません。しかし、そんな中で煌々とした照明の中で過ごしていると、メラトニンリズムは乱れて就寝時間は遅くなってしまったり、深い眠りにつけずに夜間覚醒や睡眠の質の低下を招いてしまいます。そうなると、起床時間は遅くなり、メラトニン分泌のタイミングも後ろ倒しとなるため、悪循環が生じてしまいます。
食欲不振と過食
このように、就寝・起床時間が遅くなると体内時計も後ろ倒しとなり、空腹になる食欲調整のタイミングも後ろ倒しとなってしまう可能性があります。睡眠と光への暴露と食欲の関係について調査した研究では、午前中の食欲不振は就寝・起床時間の影響は少なく、実際の睡眠時間とベッドにいた時間から算出される睡眠効率が悪いことに依存していることが報告されています。一方で、就寝・起床時間遅くなることにより、光への暴露のピーク時間も遅くなってしまうことを媒介に、夜遅くのの過食リスクを高める可能性が報告されています。朝の食欲不振と夕方の過食は、うつ病、睡眠の質の低下、睡眠覚醒の不規則性、体重過多、血糖コントロール不良と関連しています。睡眠習慣を見直して、良好な睡眠サイクルが回せるようになれば、朝の食欲不振が軽減するかもしれません。
参考文献:De Young KP, Bottera AR, Kambanis PE. Sleep/waketime preference and delayed diurnal eating rhythms are associated through light exposure timing and modified by sleep efficiency. Appetite. 2022 Mar 1;170:105904. doi: 10.1016/j.appet.2021.105904. Epub 2021 Dec 28. PMID: 34968560.
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