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【昼寝の自律神経活動】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、睡眠による眼疾患のリスクについお伝えしていきました!今回は、昼寝中の自律神経活動について考えていきます!
夜と昼間の睡眠の自律神経活動
概日リズムによって、日中は交感神経活動が高く、夜間には副交感神経活動が増加す流よう調整されています。昼間の昼寝は夜間の睡眠と同様の心臓自律神経活動を示すと考えれています。その自律神経の働きから昼間の睡眠も回復機能を果たすことが示唆されています。
夜間睡眠中の自律神経活動は、覚醒時と比較して非急速眼球運動(NREM)睡眠中の血圧の特徴的な低下と副交感神経支配のため、「心血管休息」と考えられています。睡眠開始時には、心拍数の低下とHF活動の増加を含む、特定の心機能を示します。NREM睡眠の進行を通して、心拍数の低下を示すRR間隔はさらに長くなっていきます。これは、NREM睡眠中の心血管出力の全体的な減少と副交感神経/迷走神経活動の優位性を示しているとされています。同様な反応が昼寝においても観察されており、昼間の睡眠がRR間隔の延長と迷走神経活動の増加と関連していることが報告されています。
昼寝のメリット・デメリット
夜間の睡眠と同じような自律神経活動が生じることから、夜間の睡眠同様の効果が得られる可能性があります。例えば、昼寝中の副交感神経活動が長期記憶と作業記憶の改善を促進する。また、昼寝が炎症誘発性サイトカイン(IL6)と夜間の睡眠不足によって変化したカテコールアミンレベルを回復させることを示した研究もあり、心血管の健康に対する昼間の睡眠の有益な長期的効果が示唆されています。このように認知能力の増加、日中の眠気の低下、心筋梗塞のリスクの低下などのメリットがあります。しかし、昼寝の取り方によって夜間の睡眠障害の増加や過度の昼間の眠気とうつ病、心血管死亡率と相関していることが明らかとなっています。昼寝の取り方も重要です。
昼寝の注意点
どのタイミングでどれくらい眠るか?というポイントを守ることで、昼寝のメリットを受け取ることができます。午後の遅い時間、16時以降の昼寝は、概日リズムを乱れさせて夜間の睡眠に影響を及ぼすことが考えられます。オレキシンの影響を考慮しても午後の早い時間帯である13時〜14時前後に入眠できるのがベストなタイミングと言えます。昼寝に要する時間は、20分〜30分にとどめるのが理想的です。しかし、睡眠不足の状態の人にとっては、時間が短くスッキリ起きられないかもしれません。それだけ身体が睡眠を欲しているというサインでもあります。昼寝による回復も有効ですが、まずは夜間の睡眠を改善することで考えていきたいです。少しでもスッキリ昼寝から目覚めるためには、入眠前にカフェインを摂取することの効果も認められています。ぜひ昼寝の習慣を身につけたいものです!
参考文献
Chen PC, Sattari N, Whitehurst LN, Mednick SC. Age-related losses in cardiac autonomic activity during a daytime nap. Psychophysiology. 2021 Jul;58(7):e13701. doi: 10.1111/psyp.13701. Epub 2020 Oct 13. PMID: 33048396; PMCID: PMC8041919.
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