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【神経系の炎症と睡眠不足】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、睡眠時間が腎機能に及ぼす影響についお伝えしていきました!今回は、睡眠不足が神経系に及ぼす影響について考えていきます!
神経を損傷させる睡眠不足
睡眠不足は脳機能の障害を引き起こし、その結果として感情面や認知面の障害が生じてしまいます。酸化ストレスと免疫応答の蓄積は、睡眠不足によって誘発される神経機能障害の潜在的なメカニズムとされます。ミクログリア細胞は、脳内で反応性の高いストレスセンサーであり、神経系や免疫系と相互作用する能力を持っています。臨床研究では、睡眠行動障害が神経炎症とドーパミン作動性機能障害につながることが示されています。そして睡眠不足の影響を受けるグリア細胞の中で、ミクログリアの活性化は神経免疫応答において重要な役割を果たします。ミクログリアが睡眠不足による酸化ストレスで損傷すると、ミトコンドリアDNAが放出されて、脳内のNF-κB経路を活性化されます。それによりIL-6、TNF、およびIL-1βの炎症マーカーのレベルを上昇させてしまいます。
NF-κBは、細胞内に存在するタンパク質複合体で、炎症反応の調節因子として炎症を誘導します。睡眠不足の翌日に頭がぼーっとしている状態は、脳内で炎症が起きている証拠かもしれません。それが積み重なると、脳神経系が損傷され将来的な認知症を引き起こすなど取り返しのつかいない結果を招く恐れがあります。
抗酸化と抗炎症
酸化を防ぐことは、美容のためだけなく万病を予防するために重要です。どうしても仕事や勉強で睡眠不足に陥る時があるかもしれません。そんな方こそ、抗酸化栄養を意識的に摂取する必要があります。ヒドロキシチロゾール(HT)は、オリーブオイルに含まれる機能性ポリフェノールの1つです。以前の研究では、HTがNF-κBシグナル伝達を阻害してミトコンドリアの酸化ストレスを緩和し、炎症と酸化ストレスを軽減することが示されています。睡眠不足は、神経系を含む全身性炎症を促進します。睡眠不足による炎症反応の慢性化は、神経変性疾患の病因となり得る恐ろしい状態です。酸化を防ぐ食習慣も、睡眠時間を確保する生活習慣も健康で長生きするために最低限必要なことです。リスクを知って、生活を見直してみましょう!
参考文献
Hu Y, Wang Y, Wang Y, Zhang Y, Wang Z, Xu X, Zhang T, Zhang T, Zhang S, Hu R, Shi L, Wang X, Li J, Shen H, Liu J, Noda M, Peng Y, Long J. Sleep Deprivation Triggers Mitochondrial DNA Release in Microglia to Induce Neural Inflammation: Preventative Effect of Hydroxytyrosol Butyrate. Antioxidants (Basel). 2024 Jul 12;13(7):833. doi: 10.3390/antiox13070833. PMID: 39061901; PMCID: PMC11273532.
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