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【詩集】月のぬくもり、星のなみだ。

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10代~20代に描いた詩
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2022年7月の記事一覧

【詩】あなたのてのひら

あなたの手のひらは
男のひと特有のごつごつもしていなくて

もしも、体に恋が出来るなら
真っ先にそのてのひらを挙げるだろう

てのひらを
触ったり、握ってみたり
指を引っ張っているあいだに

あなたの隣で
いつのまにか眠ってしまっているね

【20歳の躓き】

【詩】時間のかたすみ

【詩】時間のかたすみ

限られた時間のなか
その間にも
刻々とあなたの命は削られてゆく

私たちは
あとどのくらい一緒にいることが
できるのだろう

そんなこと
今は考えるべきではないのだろうけれど
その徐々にちいさくなってゆく背中や
声をころして泣く姿を見てしまうと

その時が
徐々に近づいていることを
知ってしまうんだ

限られた時間のなか
その間にも
刻々とあなたの命は削られてゆく

時間のかたすみで
私たちは別々

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【詩】眠ることを忘れたようで

【詩】眠ることを忘れたようで

一晩、起きていた。
眠ることを忘れたようで

ー彼がいないとダメ
そんな台詞は言いたくなかったけれど

だけど
彼といると
このよどんでいる世界が
煌びやかに輝きをますんだ

一晩、起きていた。
眠ることを忘れたようで

ーよく眠れますように。
そう言ってもらえたのにも関わらずに

【25歳の居場所】

【詩】過去の証拠

【詩】過去の証拠

泣いたって無駄だよ

あのひとのこころは
とても遠い場所へ
行ってしまったのだから

私の泣き声なんて
ちっとも聞こえない場所へ

だから
どんなに泣いたって無駄だよ

もしも、あのとき。

その言葉が
頭の中を駆け巡るのは
今はどうしようもできない

過去の証拠

【21歳の分かれ道】

【詩】ちきちょり

【詩】ちきちょり

はさみで雑誌を切り抜きしてました
コラージュをつくる為に

そのあいだ
自己表現するという
難しさやもどかしさを考えていました
心のなかを整理する為に

ちきちょりと
雑誌のなかの可愛いものを
切り抜きしていると
心がおどりだす

そうして
このはさみで
心のなかも切り抜き出来たのならいいのに
そう考えてしまいました

ちきちょりと
心のなかの感情を切り取って
貼りつけて整理出来たのなら分かりやす

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【詩】単調

【詩】単調

ファミレスで
さまざまな音が行き交うなか

人や車の動きを見ていた

今後、
どう生きていけばいいのか
わからずに。

単調なながれ

人や車は
赤になったら止まって
青になったら動きだす

単調だけど

それで物事は
正しく動くから
不思議だね。

【23歳のルール】

【詩】こどく

【詩】こどく

ひとりが すきだった。
それにともない
ひとりは きらいだった。

でも、
女子たちのグループには
興味がなかった

そこは
おそろしく
おぞましいものだと
感じていたから

だから
ひとりで
いることの方が多かった

こどく。
という単語を知らなかった
あの頃

あたしはこどくだ。
なんて
ちっとも考えていなかった

【20歳の躓き】