言いたいけれどいいにくいお金の話し。あなたならどうしますか?
ちょっと出足遅めのスタートとなりました。皆さま、明けましておめでとうございます。昨年はたいへんお世話になりありがとうございました。今年もマイペースで書いていきたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
と、新年のご挨拶のすぐ後で切り出しにくいのですが、今年の一作目はお金の話し。大切なことだけれど、ちょっと自分からは切り出しにくい、できれば誰かに任せてしまいたい、「お金にまつわるトラブル」って、そんなものかもしれません。
で、その解決のヒントになれば、というお話しがありまして。それは、身近なはずなのに、あまり世間に浸透していない、でも知っておくときっと何かのおりに助かるかも、そんな方法です。それが「支払督促」。
わたしたちを助けてくれる「法的手段」
法律なんて…普段の暮らしには関係ないし、きっと多くの人がそう思っているはず。それでも、いまはまだ誰もがお金を使って生きる時代。ある日、突然なにかのトラブルに巻き込まれてしまうことだってあるかもしれません。
そんな時に使えそうなのが、この「支払督促」なのです。たとえば、あなたに、
貸したお金を返してもらえない
家賃を払ってもらえない
敷金を返してもらえない
給料を払ってもらえない
そんなトラブルが起こったとします。その時、あなたはどんな気分になるでしょう。おそらく最初は、
いやだなぁ
そんな気分になるのではないでしょうか。それから、もちろん、いやでも一度は催促することでしょう。それでも、解決しないことがあるかもしれない。すると、こんどは、
もう仕方ないかなぁ
諦めようかなぁ
そんな気分になるのかも。それでも諦めきれないとき、頭に浮かぶのが訴訟です。訴訟には、民事訴訟、少額訴訟、民事調停などいろいろ。でも、どれもちょっとハード。なんといっても、訴訟には手間や費用だでけでなく、精神的負担が付いてくるでしょうし。
そんな、ちょっと気持ち弱めの方にお勧めしたいのが、もっと簡易な方法の「支払督促」なのです。
「支払督促」の手続き
その手続き、実はとってもシンプル。なにしろ書類審査のみ。もちろん書類を郵送しますので、相手方の住所は必要ですが、裁判所に行く必要はありません。なぜなら、これは、
申立人の申立てをもとに、裁判所書記官が金銭の支払いを求めるため、申立人の申立てを裁判所書記官が審査し、相手方の言い分を聞かずに金銭の支払いを命じる「支払督促」を発付する方法なのですから。
ですから、申立人は手続の際、細かな証拠を集める必要がなく、申立書に必要事項を記入し、簡易裁判所に提出するだけでOKなのです。
ただし「支払督促」に納得できない場合相手方は、異議申立てができます…けれど。
ですからこの方法、督促対象となる金額や支払時期、契約の有無など、申立人と相手方に相違がないとき、そんなケースに向いていそうです。
「支払督促」の特徴!
さて、政府広報オンライン※には、簡易裁判所が受け付ける民事事件では、民事訴訟の次に「支払督促」が多いと記されています。全件数の約3割を占めているのだと。
金銭のトラブルに対して書類審査のみで手続がおこなえるこの「支払督促」は、やっぱりお手軽なのでしょう。
さらに嬉しいのが、手数料の安さ。お金にまつわるトラブルを抱えている人にとって、手数料の安さは重要です。
なんといっても、支払督促の手数料は、訴訟の半分!
100万円の支払いを求める場合、裁判所に納める手数料は、民事訴訟が10,000円のところ、「支払督促」は5,000円なのです。
助かりますね、この安さ。
しかも、「仮執行宣言付支払督促」により、強制執行を申し立てることもできます。
それがどういうことかといいますと、
「支払督促」を送っても、相手方がお金を支払わない、異議申立てもしない、そんなケースだってあるかもしれません。
そんな時にも、申立人は、あきらめなくていいのです。
なぜかといえば、「支払督促」に対して、仮執行宣言を発付してもらい、強制執行を申し立てることができるから。
それが「支払督促」の良さ。そこから先も面倒をみてもらえる、ということ。もちろん、これを悪用しては絶対に駄目ですけどね!
詳しくは、下記の政府広報オンラインをご覧ください。
参考 : ※政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201504/1.html
その前に、こんな方法も!
ただ、お金に関するトラブルには、「消費生活センター」に相談するという方法もあります。
わたしは30年ほど前、賃貸住宅を引き払うさい、戻ってくるはずの敷金が戻ってきませんでした。ところが、同じマンションで親しくしていた家庭は数週間前にちゃんと敷金を返してもらっているのです。しかも、そのお宅より子どもが少ない我が家は、きれいに部屋を使っていたんじゃないか、そんな自負もあり。
ただ借りていたマンションの管理先は大企業。話してみるのですが、原状回復にさらに追加費用が掛かるといわれるのです。それでも友達宅との差が気になり、もう一度問い合わせてみると、今度は数名のスーツ姿の社員がやってきて、写真をバチバチ撮られ、壁紙の色の劣化などをチェックされ、費用が掛かる理由を説明されるのです。
ちょっと納得がいかなかったわたしは、消費生活アドバイザーの資格取得を目指していた友達に相談します。すると、その友達が市役所に相談しては、と教えてくれたのです。で、そちらで話しを聞いていただいたのですが、それからすぐに解決したのです。
何があったのかと言いますと、市役所の「消費生活センター」の担当の方が、「マンション管理会社へ、ここへ相談にきた旨を伝えて下さい」そう言われたのです。たったそれだけです。
で、そのままそれを電話で先方に伝えたのです。すると、その大企業、あっさりと敷金を返してくれたのです。
これは、たとえば、英会話教室の解約金が返ってこない等、B to Cでのトラブル時にたよりにできそうです。
しかも、企業は今後ますますコンプライアンスを気にするはずです。企業が相手では仕方ないと思われるかもしれませんが、おかしな流れでどうしても納得がいかない、そんなケースがあったなら、こうした機関に相談してみるのも一つの方法かもしれません。
というわけで、ちょっと口にだしにくいお金の話しについて書いてみました。まあ、こんなはなし、実際には関係のない情報であることを祈るばかり、ですね。
※写真は、みんなのフォトギャラリーの平野太一さんからお借りしています。平野太一さん、ありがとうございます。