「ぐりとぐら」のオオカミは何者?
以前、『親子で深読み「ぐりとぐら」』という記事を書いたのですが、
その中で、
「ぐりとぐら」に出てくるオオカミは
カステラが焼きあがるまでの間、お風呂に入ってきたのではないか?
と書きました。
カステラ焼きあがる前のオオカミ→毛が黒っぽく、手にタオルと櫛を持っている
カステラが焼きあがった後のオオカミ→毛がきれいなグレーになっており、タオルと櫛は持っていない(隠れてて見えないだけかも)
ことから、子どもたちとそう推測したのです。
調べてみると、このオオカミは
同じ作者コンビの「そらいろのたね」「いやいやえん」にも出てくるという情報が。
ということで、二冊借りてみました。
子どもたちとまた寝る前にじっくり読んでみます。
まず「そらいろのたね」。
いました、オオカミさん。
手にタオルを持っています。櫛はなさそう?
でも、これ以外の目新しい情報はありません。
つぎは「いやいやえん」。
絵本というよりかは文がメインの本という感じでした。
こちら、なんとオオカミさんがメインの章がありました。
しかもなかなかにショッキングな内容です。
<ネタバレ注意です>
幼稚園児「しげる」と出くわしたおおかみは
しげるを食べてやろうと思ったが、
しげるがあまりにも汚れていたので
このまま食べてもお腹を壊してしまうと思い
しげるを洗って食べようと、家からお湯をくんだバケツと
タオルとブラシを持参。(そうか、櫛じゃなくてブラシか)
しかし計画は失敗に終わり、逆に幼稚園児たちから取り押さえられ
警察に引き渡され、
パトカーで動物園へ送られる。
ここで終わる(シュール)
内容はシュールでしたが、それは置いておいて
重要な発見がありました。
このお話においてタオルとブラシが出現。
しかも最初は持っておらず、しげるを洗うためでした。
ということは、もしかして
カステラのにおいにつられてきたオオカミは、
その時実は、しげるを洗うために
家にタオルとブラシを取りに行っていた最中で、
そこでぐりとぐらのカステラ現場に出くわし、
焼きあがっている間にしげるとのすったもんだがあり、
警察に捕まり、
動物園に送られたあと
脱走して、またカステラを食べに帰ってきた説
しかしそれでいくと、体がグレーできれいになっている点が
つじつまがあいません。
しかもカステラが焼きあがるわずかな間
(超どでかカステラとはいえ、1時間も2時間もかからないはず・・・?)幼稚園児と警察と死闘を繰り広げるには
時間が短すぎます。
しかもそれから動物園から脱走して帰ってくるには
フットワーク軽すぎる。
ということはこれはやはり現実的ではないね、と子どもと話しました。
(寝る前の寝かしつけに完全不向き)
もう娘は目がギンギンになっています。
娘の推理は、
「オオカミさんさ、もともときれい好きとか、
このことがあってから、お風呂好きになったんじゃないかな。
だからやっぱりカステラ焼ける間におふろ入ってきたんじゃないかと思うよ」
という冷静なものでした。
そうかなー、と推理したのですが、
その後「オオカミきれい好き説」がわずかに裏付けられることがあったのです。
それはこの、たまたま同時に借りていた「ぐりとぐらのおきゃくさま」を読んだ時のこと。
またネタバレ注意ですが、
ぐりとぐらの家に謎のお客様(正体はサンタクロース)が来て、
カステラケーキを焼いてくれたので
また動物たちが集まってみんなでカステラを食べる、という話です。
みんなでカステラを食べているページを見て、娘が言いました。
「あ、またオオカミ来てるよ!・・・クリスマスの色の服着てる」と。
「え、オオカミって、もともとこの色の服じゃないの?」と聞くと、
「違うと思う」と娘。(よく見ている)
そして子どもたちと他の3冊のオオカミの服を確認すると、
「ぐりとぐら」→服を着ていない
「そらいろのたね」→上・赤色、下・からし色
「いやいやえん」→上・赤色、下・からし色
「ぐりとぐらのおきゃくさま」→上・赤色、下、緑色
ぐりとぐらのおきゃくさまだけ、赤・緑!
TPO に合わせてきてるやん!!!
めっちゃ細かいところまで気遣えるオオカミでした。
シチュエーションに合わせて服の色を変えるなんて、繊細な感性があるのでは・・・そういえばしげるも洗って食べようとしていたし・・・(食べようとはするんだなって感じですが)
ということはやはり、身だしなみに気を遣っている→お風呂好き?という説が濃厚になってきました。
もう娘は目がランラン。絶対寝やしません。
「上の服、何着か持ってるのかも」「お気に入りなのかもね」「赤好きなのかな」と色々浮かんだ説を次から次へと話しています。
でも、親子でこうやってあーでもない、こーでもないと
いろんな話をするのがいいなぁと思ってしています。
正解なのかは正直全然わかりませんが、ひょっとして作者さんがこういう思いを込めてこうしたのかもね、と話す時間は
作者さん(絵本)と子どもたちと私の距離をぐっと縮めてくれたような、
あたたかい思い出になるような気がします。
「ぐりとぐら」シリーズの他の本を読んでもまた何か発見があるかもしれません。それもまた楽しみです^^