子どものつぶやきから作った絵本【おうち遊び】
3歳息子を幼稚園に迎えに行ったときのこと(息子はプレ幼稚園に行ってます)。
息子の幼稚園のお庭にはこんな
木の切り株のあとのようなものがそのまま残してあります。
これを見て「こんなのあったんだ。おなべみたいだね」と私が言いました。
「ほら、大きいおなべ。ここでスープとか作れそうだよ」といって、スープをかきまぜる動きをしました。
すると息子が、「おふろじゃない?」と言いました。「きの おふろ」
なるほど、たしかに木でできたお風呂にも見えます。
「ほんとだね、木のおふろみたい」
すると息子が手に持っていたふたつの石を
そっと木の中に置きました。
「いしちゃん、どうぞ。おふろだよー」と言って入れてあげたのです。
かわいいな、おもしろい発想だなと思って母ほっこり。
木をよく観察すると、根元の方にアリが何匹かいました。
「〇くん(息子)、見て見て、ここにアリさんいるよ。お風呂に入りたいのかもね。でもお山の上だからのぼるの難しいかもね。
石ちゃんと一緒に入れたらいいのにね」
と私が言いました。
息子はじっとその様子を見ていました。
話はそこで終わったのですが、
もしこれでアリさんと石ちゃんを
空想の物語の中でも一緒にお風呂に入れてあげられたら
ひょっとして息子は嬉しいかもな?とふと思ったのです。
(息子がどう感じているかは、本当のところはわかりませんが)
そして、自分の最初発した発言から
そのままお話になって、形になったら
わくわくするかなあと。
ということで、家に帰ってから
めちゃくちゃ簡易的ですが、絵本を手作りしました。
タイトルは「やまのうえのろてんぶろ」にしました。
こういうのはクオリティよりもスピーディーさが勝負なので
(という言い訳)
名前ペンで一発書きです。
A4コピー紙を4枚に切って、ホチキスで留めたのみです。笑
文章も書いてたら大変になるのでとりあえず絵だけでいいや、話は口頭で(めんどくさがり母)、と思って書いたら
学校から帰ってきた長女(8歳)が
わたしが文章書いてあげる!と書いてくれました。
ストーリーは、
幼稚園のお庭に
山の上の露天風呂があることを発見した親子(息子と私)。
なかには石ちゃん二人が気持ちよさそうに浸かっています。
そこに「わたしもいいですか?」と
幼稚園にあるいろんなものが入ってきます。
葉っぱさん、みかんさん、いちごさん、木のカエデの種さん、
おにぎり(←だんだんおかしくなってくる)、
輪ゴム(幼稚園の園庭によく落ちてる)、けん玉(息子の幼稚園での好きなもの)、
はつか大根(娘が小学校で育ててる)、
お月様(息子のマイブーム)、亀(幼稚園で育てられてる)、
田中先生(幼稚園の先生・仮名)、息子と娘(外から見てるのに入ってもいるという、もうわけがわからない世界線)。
みんな「わたしも、はいって いいですか?」とお風呂にやってきます。
石ちゃん二人はみんなに「どうぞ、どうぞ」と言って
みんなが入って
「ああ、いいきもち」
と言います。
その様子を山のふもとで見ていたアリさんは
「ああ、いいなあ。私も入りたいなあ」と嘆きます。
そこで、いろんなものたちが助けに行きます。
カエデの種さんは、くるくると回りながら助けに来てくれましたが、
降りれはするけど、登れません。
お月様が助けに来てくれたけど、夜になってまっくらになり
新月になって、見えなくなってしまいました。
(これは今息子が月ブームなので)
けん玉さんが、自分が上にひょいっとあげてあげる!
玉に乗って!と言いましたが
あやうく玉につぶされそうになりました。
あきらめかけたそのとき、
息子がひょいっと手に乗せて
ありさんをお風呂に入れてくれました。
アリさんは初めてお風呂に入れました。
「ああ、いいきもち」
幼稚園の木の上の露天風呂をたまにのぞいたら
誰かがはいっているかもしれませんね。
というお話にしました。
このお話を読み聞かせしたら、
娘と息子は大喜びして聞いてくれました。
「なんで輪ゴムおふろにはいってるの」
「たなかせんせいはいってるじゃん」と、みんなが入るシーンも笑ってくれます。
最後の自分がアリさんを助けるシーンは、息子はニヤニヤしてまんざらでもなさそうです。
寝る前の読む絵本にしばらくこれが選ばれる期間が続きました。
こういうとき、子どもにとってはクオリティはあまり重要じゃなくて
「その時の思い出を共有すること」
「お母さん(誰か)が、自分のことを思って作ってくれたこと」
って、とても嬉しいんだなーと実感させられます。
息子が、幼稚園でひとり頑張っているときも
ふと園庭の木の切り株を見たときに
「あ、、やまのうえの ろてんぶろ」
「きょうはだれがいるかな」
と、一瞬でも思ってくれれば、
そんな力になっていたらいいなと思っています。