無声慟哭
「無声慟哭」
如何ともし難い感情が
俺の内部で暴れ
のたうっている
俺の胸は 全身は
張り裂けんばかりだ
俺は叫ぶ
あらん限りの声を振り絞り
喉はひりつき
全て裂けた
それでも叫ぶ
闇に向かい
虚空に向かい
声無き声を
俺は俺に向かって
無力に怒り
無能に怒り
怒りに怒り
怒る俺に怒り
叫びに叫ぶ
泪は涸れ
声も嗄れ
何もかも搾り出した
なのに狂しい
狂おしい感情が俺を引き摺る
俺はのたうつ
何に!?
誰に!?
自分自身にだ!?
俺自身にだ!
あらん限りに叫び叫ぶ
*
俺の悲鳴とも叫びともつかぬ
想い
怖ろしい程の悲哀と無力
如何ともし難い感情
おのれの十字架を背負い
俺は歩く
誰にも見せぬ
俺の悲哀苦悩
断腸の様を
俺は俺を噛み殺し
笑みを浮かべる
胸中深く
叫びを秘め
名状し難い想いを
祈りを
四季の中に溶けて
風になろう
陽光になろう
俺は静かに微笑む
二〇〇四年六月二十日
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