「いろ」（ハ）

「いろ」（ハ）

ひとさまざまなれどかのひとしにいくにいわく

いきいきいきせいのはじめにくらくしにしにし

にしのおわりにくらしかのひとひとひとびとひ

とひとびとにありていきしちにいきいきつつい

きしちにかのひとひととはずいきいいきかさん

といきいきかのひといきしにしりしぬことなし

といきいきといきつもそのふかきひとひとから

みひとひとひとしれしらしめんといきしちにい

きしちにかのひとこなたかなたとひとかしひと

ひとにありてひとかしひとひとひととかしひを

ゆうとかしゆうをひとかしひととかしそのひを

もちてひをかたりひをせめずひをせめずひとせ

めずそのふかさひはいまなをひにありてひとひ

とびとのひにありてありてあらざるにありてある

ひいろとなりしひとすくなかれどひいろはひと

してひとしてひとひとひとのなかにひとしてち

としてちとしてひちのちちのひとしていまなお

いきているをひはひとはしるべししるべしみる

べしかんじるべし

ひとひとかすほうありようほうほうもんじにた

くしたくさずそれひとよめどもよまずみるのみ

にてもんじこれもんじにあらざりとのたまざる

をえずこれもんじなれどもんなれどもんじにあ

らざりこれひとそれぞれにしりしりちれどちに

ならざりちにならざりこれいかんせんいかんせ

ぬとしりつつかのひといきしちに

かのひとかのひとにあらざりかのひとひとにあ

らざりひとにあらざりということこれひにあら

ざりというべきかこれしきによりてさとればし

きおのずからしきとなるしきとなるしきにしる

ひとしきによらずしきによるか

一九八九年十一月二十二日