![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148111361/rectangle_large_type_2_66aa53e05974af22f22a331d488aacfe.jpeg?width=1200)
夏と苦み
京都のうめのみ鍼灸室では毎日外に黒板を出しています。
今日開室してるよーのサインなのですが、そこに私の個人的ひとことも一緒に書いています。
「日陰探して歩いてね」
とか
「今日から夏休みなんですね」
とか
「ついにスイカの誘惑に負けた」
とか。
手書きの文字ってなんか目に入ってくるんですよね。
治療室の前の道が、小さなひとりごとを通りすがりに読むいつもの道、になったらいいなという微少な企み。
憧れの、「何かをコツコツ続けられる人間」への第一歩です。
さてそんな黒板ですが、油断するとすぐ食べ物のことを書いてしまいます。
というか、「暑い」以外の短い話題となると、食べ物のことしか浮かばないのです。
でもね、何を食べたいと思うか、何をおいしいと感じるかというのは意外と大切。
これはちゃんとした東洋医学的な話なのです。
本日のひとことはこちら
「最近ピーマンがやたらおいしく感じます。
”苦味”は熱を冷ますからかなー」
この「苦い」という味、夏によく登場する味なんですよ。
ピーマンしかり、ゴーヤしかり。
東洋医学的には、「苦み」は熱を取る/降ろす作用があると考えます。
そして夏は「心」と深く関係する季節。
「心」は言うなれば人間の身体の中の太陽、熱エネルギーをもって生命活動を維持してくれている器官です。
夏は特にこの「心」が影響を受けやすい季節なんですね。
そんな時に、「苦み」を効果的に取り入れると「心」の熱が必要以上にヒートアップするのを抑えてくれます。
夏に苦いものがおいしく感じるのは、自分の身体が熱を抑えようとその味を欲している証拠なんですね。
熱い地域で苦いものがよく穫れるというのも、そう考えると理にかなっていますね。
ゴーヤもですし、コーヒーとかカカオとかね。
ししとうの煮浸し食べたいなーとか
ピーマン丸ごと焼いて鰹節かけようかなーとか
そんなことばかり考えていますけれども、
身体が順当に季節に適応しているってことだなと一人で頷く毎日です。
さっぱり冷たいものばかりになりがちな時期ですが、苦みのあるものも少し食べてみると、案外気持ちが良いですよ。
こういうメニューと冷たいビールが最高ですよね。
大声で「冷たいビール飲みたいですね!!」とは言いづらい立場ではございますが。
その辺は心の健康の方にも大いに関係すると思っていますので、身体と相談しながらうまくやっていきましょうね。
お酒について(東洋医学的にも)語るのはまたの機会に。
「最近これが美味しいな」も、意外とちゃんとした身体の声だったりするのです。
こんな鍼灸師っぽい話も、たまには。