「読書感想文」を考える
書け!みりん!
夏休みを目前に控えたある公立学校の一教室では、国語教諭が夏休みの宿題を発表しようとしています。
「みなさん。夏休み中に読書感想文を書いてきてください。今年の課題図書は、ここに書いてありますので、各自、好きなものを選んでください。」
夏休みの読書感想文という恒例イベントは、そうやって始まったのでした。
なお、筆者は、小学校から高校まで公立の学校を修了しております。私立学校、とくに有名私立学校とか名門私立学校を出られた方は、どのような読書教育を受けられたのかが気になります。よろしければ、私立学校では、どのような読書教育が授けられているのか、教えていただけますと幸いです。
「読書感想文」の目的
「読書感想文」の目的は、国語の指導要領にあると思いまして、検索してみましたところ、「読書感想文」を強制することについては消極的な見解が記載されておりましたので、以下に該当箇所を拝借して記載いたします。
教員自身が本を読んでいることが求められるのは当然であり,教員が自らの読書経験を踏まえながら,個々の子供たちの置かれている状況やそれぞれの考え方・感受性等にきめ細かく配慮した読書指導を適切に行うことが求められる。例えば,読書感想文を書くこと自体は子供たちの国語力を向上させる有効な方策の一つであるが,一律に,読書感想文を強制するなど子供たちに過度の負担を感じさせてしまうような指導では,子供たちが物語の中に入り込めず,読書を楽しむことができない。常に子供たちの状況を的確に把握し,意欲を出させるための取組が必要である。
「(3)望ましい「読書指導」の在り方」、
「<子供たちの「読書意欲」を高める>」より一部、借用
ここより筆者の独断ですが、「読書感想文」の目的は「読書」を促すことであり、誰かの「読書感想文(書評)」を読むことで、テーマにした「書籍」を手にしてもらうことだと思います。今となっては、多くの名作が青空文庫に掲載されていますから、電子書籍でも良いとは思いますが、兎にも角にも「文学作品」を読んでもらうことであろうことは想像に難くありません。よって、「読書感想文」の目的は、「読書の啓蒙」であろうと思うのです。
「読書の仕方」における「読書感想文」の位置付け
「読書感想文」を書くということは、「読書」のオリエンテーションではないかと考えます。前談で述べた通り、「読書」を促すことが「読書感想文」の目的であろうと考えるためです。
したがって、「読書感想文」を書くために、表彰されネットなどで公開されている「読書感想文」を「読書感想文の書き方例」として、または「書評」として読んでから、テーマとした書籍を手にするのも良いかと思います。また、掲載されている「読書感想文」に倣って、「読書」をし、「読書感想文」を書くのも良いことだと思います。