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【読書記録】『イギリス宗教改革の光と影―メアリとエリザベスの時代

▼面白かった。イギリス国教会の宗教改革は、国王が変わるたびに、プロテスタント寄りに、或いはカトリック寄りにと大きく揺れながら進んだ。特に1553年から5年間在位した女王メアリの時代には教会が、カトリックに復帰するという出来事があった。▼この本では、特にメアリの時代の教区教会の聖職や信徒の間に、どのような動揺や混乱があったのかを論じている。▼国教会の教義がどのように変化しようとも、臨機応変に対応する聖職・信徒がいるかと思えば、逃げたり殉教する者もいたという。▼キリスト教史に関心

    • 【読書記録】『ゆめの話(青空文庫)』

      短編。武士と女中(幽霊か幻か…)の物語。作品が、夢なのか現実なのかわからないような設定になっている。難解。 『ゆめの話(青空文庫)』 室生 犀星 https://amzn.asia/d/54d3qUf

      • 【読書記録】『童話(青空文庫)』

        作中で死者であることがほのめかされてい幼い男の子と、姉、母の物語。難解。 『童話(青空文庫)『』 室生 犀星 https://amzn.asia/d/2tITH1X

        • 【読書記録】『"ココ一番"の真心を』

          ▼著者はカレーハウスCoCo壱番屋の創業者。自身の生い立ちから、「ココイチ」を部下に譲り、私財を投じてクラシック専門ホールを設立するまでの半生が語られている。▼著者の生い立ちは壮絶。また、不動産業や喫茶店開店で得た経営ノウハウが、ココイチ創業と全国展開に大いに活かされているということがよくわかった。▼ココイチの成功がハングリー精神で勝ち得たものではなく、著者の誠実さと、社員と顧客への感謝の積み重ねで得られたものであるということが伝わってきた。▼ココイチへの見方が変わる一冊だ。

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          【読書記録】『炎と怒り――トランプ政権の内幕(早川書房)』

          ▼2017年1月のトランプ大統領就任の前後、約1年の記録だ。▼内容は「ドタバタ」。トランプ本人と周辺の人物は、皆自己中心的。野望は持つが政治の素人ばかり。そして、その場の思い付きの言動ばかりのトランプは、いかに大統領として不適格化な人物だったかということが理解できた。▼著者はジャーナリストということだが、詳細な会話の記録を見ると、暴露に協力した人物が中枢に沢山いたということだろう。▼トランプの人格の難点が知れる、この本が出版されても、一期を全うできたということに、アメリカの恐

          【読書記録】『炎と怒り――トランプ政権の内幕(早川書房)』

          【読書記録】『旅の窓 (幻冬舎文庫)』

          ▼ 情報誌「VISA」に、沢木が撮影した一枚の素朴なスナップとそれを題材に書かれたごく短いエッセイが連載されている。それらを集められたのがこの本である。▼ごく短い文を読むだけで、異国に行った時に見聞きする言葉の音と形の情緒、光の色の違い、空気の匂いの違い、人の表情の違いがあることなどをリアルに思い出した。▼懐かしいような、哀しいような気分になり、色んな場所に行った体験を、感傷的に思い出しているような気分になった。▼いつまでも置いておきたい、そして何度も読み返したい本だと感じた

          【読書記録】『旅の窓 (幻冬舎文庫)』

          【読書メーター】『私の本棚 (新潮文庫)』

          ▼芸能人や作家、研究者など愛書家23人による、本棚に纏わるエッセイ集。▼積読本が多い事、万単位の蔵書量が生活空間を圧迫していることなどは愛書家の共通の悩みであることがわかる。▼廊下、トイレにまで、本が散らばっている人の保管場所の苦労、多くの中から必要な本を探すことに苦労している人など、共感することが多かった。▼幼少期に触れた本の記憶を語る人もあり、興味深く読んだ。▼本が増えすぎて、おしゃれな革装丁の本だけ集めた書庫を撮影スタジオとしてレンタルしてお金を稼ぐ、フランス文学者の話

          【読書メーター】『私の本棚 (新潮文庫)』

          【読書記録】『下り坂のニッポンの幸福論』

          ▼日本の代表的論客である思想家の内田氏と映画作家の想田氏の対話の記録。▼コロナ禍で日本社会が大きく変化する中で、これまでのように「成長」だけを追い求める「直進する時間」の使い方には無理が生じていると指摘し、昔のように自然の流れにあわせて生きる「循環する時間」を大切する生き方にシフトすることを読者に薦める。▼ 一貫して、身体の感覚に正直であることと、無理のない生き方への転換を提案しており、読んでホッとした。▼そして、自分の価値観や幸福観について、深く見つめ直していきたいと感じた

          【読書記録】『下り坂のニッポンの幸福論』

          【読書記録】『隣国への足跡 ソウル在住35年 日本人記者が追った日韓歴史事件簿』

          ▼記者として長く韓国との関りを持つ著者が見聞きし、感じたことを日韓関係史の知識も交えながら、分析し、紹介している。▼韓国人や韓国政府に対する辛口な発言があるが、それは偏見によるものではなく、よく知っている「身内」に近いような視点で語られているので、安心して読める。流行りの「嫌韓本」ではない。▼8.15後の朝鮮からの引揚者の苦労は、この本で得た新しい知識だ。▼著者が韓国について語る本は他にも複数出版されているので、触れてみたいと思う。 黒田勝弘著『隣国への足跡 ソウル在住35

          【読書記録】『隣国への足跡 ソウル在住35年 日本人記者が追った日韓歴史事件簿』

          【読書記録】『恐怖(青空文庫)』

          短編の私小説。谷崎潤一郎による大正2年の本。鉄道に乗ると息が荒くなり恐怖に陥る「鉄道病」についての体験談が物語になっている。筆者の体験というが、現代の目で見れば「パニック障害」に違いないと感じる。 谷崎純一郎著『恐怖(青空文庫)』 https://amzn.asia/d/6jcXzhT

          【読書記録】『恐怖(青空文庫)』

          【読書記録】『影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣』

          ▼著者は、社会心理学者ほか複数名。心理学の知識を生かして、交渉を有利に進め方法などが書かれている。▼欧米の事例で説明されているので、日本との文化の違いに気づく部分もあった。それ故、全てを日本で応用できるとは限らない。 ▼人の心理の影響が露呈した社会現象の例示は興味深く読めた。米国コカ・コーラの味の改良で、反対運動が起きた事例が面白く感じた。▼相手と余計な摩擦を経ずに、気持ちよくコミュニケーション出来るようになるための知恵が得られる一冊だ。 ノア・J・ゴールドスタイン,スティ

          【読書記録】『影響力の武器 実践編[第二版]:「イエス! 」を引き出す60の秘訣』

          【読書記録】『シニア右翼-日本の中高年はなぜ右傾化するのか 』

          ▼元々ネトウヨ的立場をとっており、チャンネル桜にも出演して「保守論壇」と交流を持った著者だが、ファクトに基付かない彼らの主張に幻滅。彼らを批判する側に転向したという。▼ネトウヨはネットリテラシーの低さから生じたもので、主張はファクトに基づかず、ヘイトを伴う点などは「右翼」とは異なると分析。▼戦後民主主義教育が不徹底な現状においてはネトウヨ・シニア右翼、反知性主義者の再生産が続くだろうとして、この連鎖に警鐘を鳴らす。▼大いに共感した。ネトウヨの中に回心する人物がいるということに

          【読書記録】『シニア右翼-日本の中高年はなぜ右傾化するのか 』

          【読書記録】『旅のつばくろ(新潮文庫)』

          ▼ JR東日本の新幹線車内誌に連載されたエッセイを纏めた一冊。▼ごく短い文を通して、自分も旅をしてる途中にいるかのような、感傷的な気持ちになれた。思い立って旅に出る…そんなことしてみたいなあ。▼ また、著者が過去を思い出して語る事が多い。少しだけ古い話ゆえ、読んでいて自分も懐かしい気分になった。▼外国の旅のエッセイ集「旅の窓」を併せて読むことを勧めたい。ともに、何となく優しい気持ちになれる本だ。 『旅のつばくろ(新潮文庫)』 沢木 耕太郎 https://amzn.asia

          【読書記録】『旅のつばくろ(新潮文庫)』

          【読書記録】『香港の歴史――東洋と西洋の間に立つ人々 (世界歴史叢書)』

          ▼アヘン戦争後の清から英国への香港島の割譲から、1997年の中国への返還までの香港通史。訳者あとがきで、2020年の民主化デモに言及されている。▼著者は香港育ちのアメリカ人。中国、英国のどちらにも寄らない態度が一貫している。▼英国統治を美化する声もあるが、代議制の導入をずっと拒否してきたのは英国側だ。それが返還が近づくと態度は激変、急に民主化を進めた香港政庁…。英国の狡さを感じた。▼英国香港政庁、英国政府、中国政府の政策に翻弄されてきたのは香港の一般市民だ。通史を読んで、泣け

          【読書記録】『香港の歴史――東洋と西洋の間に立つ人々 (世界歴史叢書)』

          【読書記録】『イギリス紳士のユーモア (講談社学術文庫)』

          ▼著者は英国文化研究家。▼英国紳士の定義やヒエラルキー、その成立の歴史などを、まず読者に教える。そして紳士が集うクラブやコーヒーハウスの知識などユーモアが発揮される場について紹介し、いよいよユーモアやジョークの中身について語り始めるのである。▼英国のユーモアやパロディの意味を知るためには、先にあげたような知識に加え、キリスト教についての理解も必要だという事がわかる。▼英国王室の事や、国教会についての知識、食べ物についての知識など、この本に書かれていることから、興味の枝葉を拡げ

          【読書記録】『イギリス紳士のユーモア (講談社学術文庫)』

          【読書記録】『声をあげて(小学館)』

          ▼元自衛官で勤務中に受けた性暴力を告発した、五ノ井里奈氏の自叙伝である。▼幼少期のこと、東日本大震災での自衛隊との出会い~入隊…現在の訴訟のことなど、2023年春はじめぐらいまでの最新情報が書かれていた。▼巻末に現旧自衛隊員のアンケート回答の抄録が載っているが。著者が受けたハラスメント同様に胸糞悪い内容だ。▼著者が明るみにした事柄は、自衛隊内部で起きていることの氷山の一角に過ぎない。そのことが、よくわかった。心痛む本だが、多くの人に読んでもらいたい一冊だ。 五ノ井里奈著『声

          【読書記録】『声をあげて(小学館)』