【能登半島地震を乗り越えた女性防災士が語る】能登にあった、自宅の井戸水を開放する「共助」の精神が素晴らしい!
防災の基本に「自助・共助・公助」という三つの柱があります。この概念は、今や多くの人々に認識されていますが、約15年前、私が専門学校で教鞭を取っていた時代には、消防士を目指す学生らが志望動機で触れる程度の知名度でした。
「自助」とは、個人が自身の安全を確保するために行うべき準備や対策を意味します。具体的には、食料品の備蓄や家具の固定などが挙げられます。
「共助」は、地域住民や身近な人々が協力し合うことで、「公助」は、国や地方自治体による取り組みを指します。
能登半島では井戸を持つ家が多く、羽咋(はくい)市や七尾市では、地震発生の翌日2日から自宅や会社の井戸を開放し、「誰でも水を汲みに来てください」とSNSを通じて積極的に呼びかけました。
この行動は、ただ水を提供するという行為以上の意味を持っています。井戸水を地域の銭湯で利用したり、美容室に提供したりすることで、断水による不便を共に乗り越えようとする姿勢が見て取れます。
「水が枯れたらどうしよう」という心配をすることなく、率先して支援を行うこの精神は、まさに「共助」の精神を体現しています。