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【能登半島地震を乗り越えた女性防災士が語る】能登半島地震で忘れられ置き去りになった場所がある!金沢市近郊の内灘町の今

能登半島地震で、深刻な液状化現象が原因となって被害を受けた地域があります。金沢市の隣に位置し、日本海に面した石川県内灘町です。この地域では、地震による揺れで地面が変形し、道路が隆起し、住宅が傾くなどの被害が発生しました。今回は、内灘町の現状についてお伝えします。

内灘町の液状化現象
内灘町は、金沢市の北に隣接した人気のベッドタウンで、砂丘が広がる海岸線と淡水湖の河北潟に挟まれた細長い地域に多くの住宅が建てられています。能登半島地震の震源から100キロ以上離れているものの、震度5弱の揺れにより液状化現象が発生しました。

1月1日の地震で、町内では全壊を含む計1444棟の住宅被害が確認され、その多くは液状化が原因とされています。特に被害が大きかった西荒屋地区では、道路が波打ち、住宅や電柱が大きく傾いてしまいました。

被害の深刻さ
地元住民(75)は、「この家は捨てます」と力なく語り、液状化により自宅が傾き、車庫に止めていた車が土砂に埋もれてしまったことを話してくれました。元日の地震発生時、家族全員が自宅にいましたが、大きな横揺れを感じて急いで外に飛び出しました。揺れが収まると、車庫の中にあった車が沈んでいき、逆に道路が浮き上がるように見えたと振り返ります。周囲からは泥水が噴き出し、電柱も傾き始めるという状況でした。

避難所の現状
内灘町に開設されていた2カ所の避難所は現在は閉鎖されましたが、液状化による家屋の傾きや道路の隆起、沈下などの被害は未だに残っています。傾いた道路標識や電柱も被災直後と同じ状態です。

元気な高齢者は親族と共に他の町に引っ越しましたが、一人暮らしなど自分で動けない高齢者が避難所に残っています。

1月に実施された危険度判定では、内灘町全体で調査した1679件のうち、432件が「危険」と判定されました。特に被害が大きかった西荒屋地区と室・湖西地区では、約4割の家屋が「危険」と判定され、全体の6割が「要注意」以上とされています。

復旧と復興の取り組み
内灘町では、国による被害状況の調査を要請し、今後の復旧・復興に向けた方針を決定する予定です。川口克則町長は、「住民の合意を得て、区画整理を通じて復旧ではなく復興まで進めたい」と述べ、一体的な復興を目指しています。


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