透子さんのイソフラボンな毎日
大人になるにつれて、境界線が
はっきりしてくるの。
他人と自分の境界線。
高く、厚く、堅い境界線。
それで他人との衝突が多くなって、
自分の利益中心に考えるようになって。
いつの間にか共感できなくなるの。
こどものころはやわらかくて、
優しかった感情が、いまはどんどん固くなる。
こんな風になるんだったら、
歳なんかとるんじゃなかった。
ネバーランドに大人がいないのは、
大人が夢を見れないせいね。
それは大人に失礼じゃない、
と僕は言った。
透子さんはアボカド豆乳を飲んで、
雲を目で追っていた。