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『哲学への回帰』稲盛和夫、梅原猛

ドラマ「半沢直樹」でJAL再生をモデルにしたエピソードがスタートするらしいので、気になって調べてみたら稲盛さんの名前が出てきた。稲盛和夫という人物は当然知っていたが、何をした人でそもそもどういう人間なのかはまったく知らなかったので、本を読むことにした。

「道徳」にスポットを充てた普遍的な指摘が多く勉強にもなる。一方で2020年3月初版なので最新版だと思ったが、2000年あたりの対論を再編したものらしいので、少し時代錯誤を感じる部分もある。まあ、コロナが発生した今となっては、まったく世の中の価値観が変わってしまったし、道徳観がまったく感じられない中国共産党の不気味な存在感が増すなか世界の勢力図も変わってしまうなど、ここ数年いろんなことがあり過ぎた。とはいえ、「働くこと」「企業のあるべき姿」に関しての解釈が非常にためになる。半沢ドラマも奥行きをもって見ることができるかもしれない。

「頭のいいことがすべてに勝る」という価値観だけで生きてきて、事の善悪しも、道徳も何も知らない。そういう人たちが出世して、汚職でも横領でも何でも平気でやってしまう。しかも、権力を持っているだけに隠蔽ができる。ところが、それができなくなり、不祥事がわれわれの前にいま露呈しているのだと思います。

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