母へ、ストッキングに出会ってしまってごめんね、そして出会わせてくれてありがとう【母の日】
私がストッキングに出会ったのはいつだったのだろうかと記憶を手繰り寄せる。
すると一つの光景が浮かび上がる。
それは木漏れ日が注ぐ団地のベランダ。
そこで母の太ももに頭をのせて耳掃除をしてもらっている私。
母の足はなぜか光に当たってキラキラしている。
そして私の頬に触れるその太ももはとてもすべすべしている。
その時、母がストッキングというものを穿いていたということはわかっていなかった。
キラキラして綺麗で、それでいてとてもすべすべとした感触。
こんなにも美しく、こんなにも素晴らしい肌触りのものがこの世界にはあるのだと、幼い私は脳天を直撃されたような衝撃を受けたのだと思う。
その衝撃の瞬間が今では私にとって何よりも大切なストッキングとの出会いだった。
なぜ出会ってしまったのかと思ったこともある。
正直、もっと普通の人間でいたかったと思う時も何度もあった。
でも今ではストッキングに出会わせてくれたことを本当に感謝している。
今日は母の日。
母にとってはストッキングを好きになってしまった息子のことは不本意でしかないと思うので謝りたいと思います。ごめんなさい。
でも、私にとってとても大切なストッキングに出会わせてくれたことにはとても感謝しています。ありがとう。
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